2022/10/27 18:08
畑宏治さん(ロビン洋装店)
……で、26歳の時に、親父ももう年やからいつまでも東京におらんと、ワシ長男やから、帰ってこいちゅうことになって、それだったら小売業を自分の家でやりたいと。ところが、義理の兄貴がロビン洋装店をやってたから、俺がするわけにもいかへんから、義理の兄貴が長岡の方に行くことになって、そこで店出さはったわ。
で、俺がロビン洋装店で開業したんや。それが26歳や。で、嫁はんも一緒に帰ってきて、2人で始めたんやな。ところが東京ナイズされてるやろ、俺もな。なまじっかな若かったし、東京ナイズで、いろんな婦人服を仕入れてきて売ったんやけど商品も、もうひとつ合わへんのやな。「なんでこんなセンスのええのが売れへんのや」と思ってな。嫁はんと2人で悩んだわ。で、突き詰めたところ、やっぱり下町と合うてなかったんやな。この地域のお客さんと、なんぼ東京ナイズやいうて格好のええ商品並べてもな、そら合わへんわな。
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