2020年に製作した青カボチャの絵本。
これはお菓子を配るハロウィンというイベントに、アレルギーっ子がどういう気持ちでいるのか、そしてどういう風にしたら一緒に楽しめるのか、というのをテーマに製作しました。
青いカボチャとオレンジのカボチャが一緒に楽しめる。どちらか一つではなく、一緒に遊べることの楽しさを絵の中で一番表現したい、というのが裏テーマだったのを覚えています。
(実際イラスト書いてくれているパチコさんには、色をとにかく指定していました)
そして、今回。チルチルとありがとうのサプライズ(仮)のテーマは「ありがとう」
実はこの絵本にいくまでに、いろいろと瞑想していたんです。
みんな一緒の食事を食べられることがいいよね、というテーマにするか
みんな違う食事でもいいじゃない!をテーマにするか
給食を舞台に学校でのアレルギーっ子の日常を表現するか。。。
でもいろんな人の話を聞いていると
「みんな一緒がうれしい」という声もあれば「みんな違って別にいい」という声もあり、
根本的にその両価値を提示するのは大人のエゴでは!?!忘れてはいけない本質は別なのでは!?と思ったのです。
そんな悶々とした日々を1年くらいすごし、今年の私の誕生日を迎えました。
その日に、アレルギーがある長男が、サプライズにホットケーキ(卵不使用)を焼いてくれました。
「いつもありがとう!」という言葉と一緒に。
その時、「あ。これだ!」って思いました。「ありがとう」
作ってくれてありがとう。いつもありがとう。ありがとうは両想いだな、って思ったのです。
そしてそれはアレルギーがあるからとか、アレルギーがないからとか
作る立場、食べる立場、一緒の食事を食べるとき、バラバラの食事を食べるとき、すべての「食」において、絶対に忘れてはいけない本質だ!って思ったのです。
今回、チルチルはケーキを作ります。
教えてくれるシェフにありがとう。
応援してくれるオーナーにありがとう。
いつもチルチルのごはんを作ってくれるお母さんにありがとう。
いつもチルチルを楽しませてくれるお父さんにありがとう。
一緒にケーキをつくってくれる妹のミチルにありがとう。
チルチルはいっぱいのありがとうに包まれていきます。
そしてそのありがとうは、チルチル自身にも向けられるのです。
食物アレルギーっ子が活躍する、ありがとうがいっぱいつまった絵本。
ぜひ手に取ってほしいな、って思います。