中興社製作所の中村です。心温まるご支援、感謝しております。
外観の経年変化を心配してくださっている支援者様もいらっしゃいましたので、今回は表面処理の一技術であるシルク印刷をご説明させていただきます。
ジュラキーの本体フレームには、心地よい手触りを生み出す「梨地アルマイト」が施されていますが、さらに透明インクでグラフィックパターンをシルク印刷してあります
ジュラキーのシルク印刷は、弊社が先代の時代から20年以上もお世話になっております、有限会社プリントショップ ハヤシ様にて施工して頂いています。
(所在地:品川区豊町4-2-11-101、Tel:03-6421-5282、代表者:林 浩介)
シルク印刷は下の画像にあるシルクスクリーンを使って部品に印刷をする工法です。
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シルクスクリーンと言っても今は本当のシルクではありません。昔は実際にシルクを使っていたので名前だけが残っています。今はストッキングのような化学繊維を使っています。印刷したい部分だけが繊維のままで、他はインクが染みこまないように紫外線で固まる硬化剤で覆われています。
このスクリーン下にジュラキーのフレームをセットし、上にインクを載せヘラで伸ばしますとグラフィックパターンがフレーム表面に印刷されます。側面のロゴも同様の手順です。
このシルク印刷の特徴は、何と言っても精密な印刷ができることです。グラフィックパターンの長円形一個の幅は1mm、”Schwalts Tokyo”の最小文字太さは0.4mmです。
そして印刷後に「焼き付け」を行います(インクも焼き付け用の専用インクを使います)。 焼き入れ釜に入れ150℃で30分。インクが乾いて硬化し完了です。この焼き付け工程を加えることで、インクの耐候性・耐久性が上がります。ここまでの処理のすべてが手作業で行われます。
シルク印刷の中には焼き付け工程を行わない場合もありますが、ジュラキーの場合は商品の性格上、耐候性・耐久性の確保が重要ですから、焼き付け工程を「必須」としました。
このシルク印刷は、固いモノでガリガリと擦ればさすがに剥がれてしまいますが、指でこする程度ではまず落ちたり剥がれたりしません。東京の大田区・品川区は大手光学機器メーカーの本社や開発施設がある地域です。我が社もハヤシさんもそうですが、光学機器に関連したお仕事をしている中小企業が多いです。弊社は某大手光学機器メーカー様の一部の部品の生産に、ハヤシさんのシルク印刷を施し20年以上も納品していますが、クレームなど経験しておりません。その確かな印刷技術をこのジュラキーに使わせて頂いています。
ジュラキーのシルク印刷については、一般的なキーケースとしての使われ方をされる限りは、ご安心いただいて良いと思います。(もちろん気になる方はご相談ください)