2018/09/21 03:54

パトロンの皆さま、ご連絡が遅れていて申し訳ございません。
久しぶりになりますが、現在の進捗を報告させて頂きます。

諸事情により、楽曲制作が遅れ、その遅れに伴いリターンでもあるレコードの製造も遅れてしまいました。本来では、既に皆様に到着しているはずのリターンですが、このままだと完成して到着するのが、(通関などでもう少し伸びる可能性もありますが)11月後半から12月前半の予定になります。これは、このプロジェクトを全て管理していた私のミスであり、スキル不足であります。ですので、キャロル・トンプソンでもビートサンセットのの責任でもなく、プロジェクトを管理する私が日程管理が甘かったのが主な原因です。楽しみにしている方々、本当に申し訳ございません。

話は少し変わりまして、今回のレコードはどこで製造するの?と思う方々もいらっしゃる方もいるかもしれませんので、そちらの話を少しだけさせて頂きます。今回は、世界各国の工場を直接訪れ、台湾にあるレコード工場で製造する事にしました。下記2点より決定しました。

#1 工場の製造レベルや経営方針的な見解
目星をつけた工場を視察し、どの様な過程で製造しているのか、どの様な機材で製造しているのかという部分を確認する為に視察し、私も一応ある程度の年数業界に携わっているので、何が現代的で、何が古典的か使用機材などをやり方を見れば、少しはわかりますので、納得できるレベル確認をしたかったのです。尚且直接コミュニケーションを取る事で(どこもお金を稼ぐ為に運営しているのは当然ですが)「商売」として儲かるから工場を経営しているのか、または「音楽」に情熱を持って経営しているかを判断したかったのです。私の経験上、どのジャンルでも情熱よりお金が先に来ると、こちらとしては「大きな問題」だと判断しても、相手にとっては「小さな問題」と判断される事もあり、お互いが良い関係を築く事ができないという事があり得るからです。今回の工場は、レコード製造機はかなりの最新モデルであり、尚且工場内に修理も可能なエンジニアもいるので、問題がないと判断し、1日工場側の人間と接して、人間性を理解でき、音楽へ対する愛情などを十分に感じれたので選びました。

#2 コミュニケーションレベルの確認
私自体10年以上海外で働いていたので、英語であれば支障なくコミュニケーションが取れるので、日本に限定して工場を選ぶ必要がなかったので、日本国内にこだわらずに世界各国で工場を探しましたが、こちらが問題なくても相手側に問題がある場合、円滑に製造が出来なかったり、小さな誤解が大きな誤解になり、完成品が全く違うものになるリスクを避けるのにも重要だと感じたからです。今回選出した工場は、台湾に製造工場を持ちますが、そもそも経営者はイギリス人であり、担当者は英語と少しの日本語を喋る人間でコミュニケーションに問題がないと判断したのも決定の理由です。そして少し話はそれますが、日本のレーベルが日本の工場(または日本の海外代理店)でレコードを製造するのは、定番になっており、尚且つほとんどの人が、「○○(日本の工場)のレコードは質が良い」と言いますが、逆に私が思うことは「それ以外の工場を使った事もないのに、なぜ質が良いと比較できるのか」という疑問でした。その定番を常識打破するというよりは、新しい事に挑戦したい。新しい世界を開きたいという事でリスクもありますが、今回選出した工場では最新機器を使用して製造していますし、工場自体に知識もあります。尚且つ、取引先なども確認しましたが、有名なレーベルなどの仕事もしており、実績としても問題ないのも選出した理由です。

以上、2点に決定した工場は、少しブログ的に記述すると
本来は、レンタカーで台北から高速道路を運転して2時間前後の(工場がある)台中へ行こうと思っていましたので、予約していたレンタカーを取りに行こうと早朝にホテルを出発すると、なんと営業時間外閉店で誰もいません。予約は数日前に終えており、予約確認も来てたのに…という事で、カスタマーサービスに連絡しても、ここは台湾。全員が英語喋れる訳ではないし、こちらは中国語を喋れません…既に意思疎通不可で車が借りれないとわかったのでキャンセルと返金だけ確認をして、急遽電車へ変更。レンタカーのお店から、猛ダッシュして台北駅へ。台北は以前も何度か仕事で訪れていますが、長距離電車に乗るのは初めてなので、場所がわからないのですが、先方との待ち合わせ時間に遅れるのはビジネスとして最悪(特に初対面では超絶マイナス)なので乗る場所を探しながらも、先方に状況を連絡する。大広場(写真参照)の近くに乗り場がありましたが、英語標識も少ないのでかなり時間がかかりました。苦笑


電車乗り場近く。なぜ地べたに座っているのだろう…

取り合えず、電車に乗り込み、90分位で台中駅に到着しました。その後は、急遽迎えが来てくれました。工場地域は当然電車やバスがなく、駅から来るのは困難だと判断してくれて工場から迎えが来てくれて本当ラッキーでした。


どこの国も工場の地域って何もない…苦笑

その後工場見学をし、色々な機材を確認し、製造工程など確認すると午前終了で、ランチタイム。こんな場所でランチなんて当然無理なので、工場スタッフがレストランまで連れて行ってくれて会食。中心部のデパートのレストラン街でしたが、普段真面目な雰囲気の場所では絶対携帯を出してご飯を撮影する等、場にふさわしくない事はしないので写真はないのですが、刀削麺をご馳走になりました。美味しかったです。食後は、工場へ戻り再度話し合い。ここで工場の機材を一つだけ紹介


レコードを製造する機械

全てをコンピューター制御でレコードを製造するマシンというのは、まさに最新式!!これを眺めながら、この場合はどうする?こんな時は?などなどあらゆる想定できる状況と問題を考えて質問形式で会話を進めてみましたが、流石に機材修理も工場内で行えるので回答がスパスパ出て来るので、安心感もアップしました。その後は、レコード盤面の素材の話や、レーベルプリントやジャケット等印刷マシンの話や、音源等の話、契約、支払、納期等話し合える部分は全て話し合い、気がつけば日も暮れてたので、慌てて台北へ戻りました。

以上が、今回の状況報告になります。リターン納期が大幅に遅れている事を、再度お詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。キャロル・トンプソン、ビートサンセットには本当に素晴らしいパフォーマンスをしてもらい収録ができ、その後その素晴らしい音源を最高の状態で形に残す最終段階まで手を抜かずしっかり行なっておりますので、楽しみにされている皆様には本当に申し訳ございませんが、もう少しだけお待ち下さい。そして、今回の文章が長文になってしまい、申し訳ございません。