秋編
2月から始まった秋田、中川原さんへの取材は
今回11月で私としては5回目、カメラマンの白井さんとは
4回目となり、これが最後となりました。
一番はじめの取材が大雪の最中であったこともあり、
寒さも雪も半端なく、非常に過酷でしたから
このあといったいどんなふうになるのやら、と
不安に思っておりましたので
その後は本当にお天気にも恵まれて
順調そのもので、なんだか気が抜けてしまったというのが
白井さんと私の本音です。
でも、この夏の過酷な気象状況を鑑みれば、そういうことに
左右されなかったのは本当にありがたかったです。
何しろ、中川原さんのご予定に合わせて、何ヶ月も前に
スケジュールを立てて、2〜3日の間に撮影していく訳で
本当にお天気とにらめっこでしたから。
最後は感謝しかありませんでした。
そして、これで最後かと思うとなんだか淋しくもありました。
白井さんももう一度、2月に来なくていいですか?
なんて、言っていたほどです。
山の蔓採りへのお供は、回を重ねる度に
新しい発見がありました。
都会に暮らしていると季節の変化にもうとくなり
日々が同じように流れていっているように
感じてしまいがちですが
自然は刻々としかもダイナミックに変化をしているという
事を実感しました。
中川原さんの全てにおいて妥協しない
とことん極めていくことに本当に頭が下がりました。
細かいことにも気をつかわれるし
それでいて、すごく負けずぎらいな一面もあって
私にとっては学びそのものでした。
また、奥様の惠美子さんはおおらかで
ゆったりと包み込んでくださる優しさをお持ちです。
そして、本当にご夫婦仲がいい。
そうでもないと50年近くも一緒に毎日籠を編むなんて
できないでしょうけれど。
このお二人の様子を拝見するだけで幸せな気持ちに
なりました。
それと猫ののんちゃん、少々甘やかされ過ぎで太めでは
ありますが、毎回緊張を解いてくれるように
スーッと登場して、挨拶してくれました。
実はおおやけにご報告できずにいたこともあって
正直この取材を続けていいものかと迷った時期も
ありました。
とにかく、皆様とのお約束を果たせるところまで
なんとかこぎつけられたことに、ひとまず安堵して
おります。
まだまだ、言い尽くせない、書き尽くせないことも
ありますが、あとは本としてお届けしたいと思います。
後押ししてくださった皆様に厚く御礼申し上げます。
galleryKEIAN 堀 恵栄子