国が推し進める働き方改革。
残業廃止。有給強制消化。パワハラ・セクハラ禁止。
同一労働同一賃金。非正規雇用を正規雇用に。
そして2023年、首相による賃上げ要請の追加。
大企業は次々と要請に応じる方針を表明しています。
しかしコロナ禍やウクライナ侵攻で経済的な混乱が続くこの状況です。
地方の中小企業にとっては、かなり厳しい話です。
過去の実績を根拠に同じやり方を続けてきた結果、平成は「失われた30年」と呼ばれるようになりました。
終身雇用で定年まで働き、リタイア後は年金と退職金で悠々自適なセカンドライフ…なんて、もはや儚い夢物語です。
今までの会社組織のあり方は、すでに老朽化しきっています。
ちょっと強めの風が吹いたら即崩壊かもしれません。
会社としては、こんな経済状況でも社員を雇用し続けるために、稼げるうちに稼いで、内部留保をしておかないと怖いのです。
国に「社員をやめさせるな」「雇用し続けろ」「賃金を上げろ」なんて言われたのなら、なおのこと内部留保という名の蓄えが無ければ前に進めません。
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「いや、そもそも正社員が本当にいいのか?」
「もっと働き方を変えたほうがいいんじゃないか?」
それこそUberEatsみたいに、誰でも自分の好きなときに好きな仕事ができるようになれば、学業そっちのけで就活に勤しむ学生なんて出てこないよね?
空いた時間に好きな仕事を自分で選んで、日によって異なる会社の多様な仕事をして、どんどんスキルとネットワークを広げていって。
そんな風にしていると、リーダーとしての振る舞いを求められることがあるかもしれない。
もちろん「リーダーにはなりたくない、誰かの指示でやる方がいい」と言う人もいるだろう。
その場合も、自分に何ができて何が得意なのかがわかっていないと、頼まれる人にすらなれない時代が来るんじゃないかなぁ?
ビジネスの多くは自分一人で完結させられない。
だから求めるスキルのある人を探して、仲間に加える必要がある。
そうすると「〇〇できる〇〇さんを知っている」「△△できる△△さんを知っている」が重要になってくる。
もしかしたらプロジェクト単位でチームを立ち上げて、完了したら解散するのもアリなのかもしれない。
こうなると「会社って何?」という問いが生まれる。
会社はあくまでも“責任がある団体”であって、社員数はそれほど関係ない。
やりようによっては特定の社員が常駐しなくていいのかも。
下手すると、社長さえもいる必要がないのかも。
会社を存続させなければならないという固定観念を取っ払ってしまえば、内部留保はいらなくなる。
利益は丸ごとメンバーに還元できるので、巡り巡って経済が活性化する可能性もある。
働き方と「シェアリング・エコノミー」を掛け合わせて、時間と場所とスキルを共有する仕組みが作れれば、会社は必要なくなって、最終的に「一億総個人事業主化」に行き着くんじゃないのかな?
みんなが個人事業主になってしまえば、会社という枠にこだわる必要がないので、好きなときに好きなことで稼げるし、一緒にいて心地良い人と働くことが今よりもずっとしやすくなる。
自責で考えて行動しなければならないので、自分の成長スピードが上がる。
多様な経歴の人に出会うチャンスが増えて、新しい視点も獲得できる。
一億総“個人事業主”社会が実現すると、最初に言った国の施策はいらなくなるのかも。
・残業廃止→そもそも残業という発想がなくなるから、不要
・有給強制消化→休暇は自分の好きな時に取れるので、不要
(国民が一斉に休暇を取らなくなると繁忙期や閑散期がなくなって、宿泊施設の価格が安定するかも…)
・パワハラ・セクハラ禁止→生産性に悪影響を与える存在はチームから排除が可能&ほかのプロジェクトで声がかからなくなるといった自浄作用が働くので、不要
・同一労働同一賃金→一人ひとりが自分の価値向上を図るようになるので、不要
・非正規雇用を正規雇用に→そもそも雇用がなくなるので不要
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…などと思いを巡らせながら、SNSに投稿したのが2019年1月でした。
「一億総個人事業主化」について周りの人に聞いてみると、賛否両論ありました。
それから研究者の本を読んだり直接会いに行ったりして勉強し、改めていろんな人の意見を聞いて、考えに考えを重ねた結果たどり着いたのが「週2正社員」という働き方なのです。