2024/2025シーズンの振り返り昨シーズンを一言で表すと、「学びの一年」だったと思います。競技に復帰して2年目のシーズンであり、1年目で得たことをさらに伸ばしていこうと意気込んで臨んだシーズンでしたが、10月の末に腰椎ヘルニアになってしまい、ほとんどスキークロスをすることなくシーズンを終えました。主な戦績出場したレース数は全部で6つのみ・チリ サウスアメリカンカップ 2戦 DNF、10位・オーストリア FISレース 2戦 25位、31位・ヨーロッパカップ イタリア 2戦 32位、24位最後のヨーロッパカップ出場2週間前にも腰を再度痛めてしまい、なんとか痛み止めを飲んで戦い抜いたという感じでした。シーズン直前でヘルニアになってしまったことで、当初思い描いていたシーズンとは程遠く、精神的にも追い詰められた半年間でした。また来年の2月に開催されるオリンピックへの出場はただでさえ難しかったことでしたが、さらに厳しいものとなりました。そして、シーズンを台無しにしてしまったという思いがずっと頭の中を埋め尽くしていました。しかし、時間は今までと変わることなく進み続けます。この経験をどう活かすかは自分次第。怪我をしてしまったことを嘆き、誰かのせいにしたい思いは本当に強かったです。ただ、それをしても何一つ自分の成長には繋がらない。だったらこの状況を受け入れて、そしてこの怪我は自分を更なる高みへ運んでくれるものなんだと信じよう。そう思うようになりました。これまでの人間社会で、成功を収めた人がたくさんいます。そして、その誰もが1度はこういった苦しい経験をしていると思います。そしてその経験を糧にして、最高の栄光を掴んでいるんだと思います。そして「困難」は自分との戦いです。正直なところ一番大事なことは結果ではなく、たとえ転んでもまた立ち上がり、その困難に立ち向かうことだと僕は思います。自分に向き合い、苦しい状況でもベストを尽くすこと。自分自身の生き様を全うすることなんだと思います。話が少し逸れましたが、ヘルニアをどう捉えるかを変え、その原因はどこにあったのかを探り、今年の夏のトレーニングや日常生活は果たして良かったのかを反省しました。僕の場合、そもそもの基本姿勢に問題がありました。胸郭が上がり、腹圧が抜けた姿勢でトレーニングを行なっていたこと、また胸郭が上がってしまうことによって腰椎のアーチが過度になってしまったことにより、高負荷のトレーニングでの衝撃がヘルニアを引き起こしていました。また背骨全体のモビリティ低下は全身の力みや強張りを生みます。ストレッチしても翌日には元通りの硬さになる。全身の硬さが怪我の発生に拍車をかけていました。このように今回の怪我はなるべくしてなっていたのが現実でした。そして、この怪我の原因究明と解決は、滑走中の課題解決にも大きく貢献してくれました。当時「腹圧が入らない」ことが私の1つの課題でした。ヘルニアになったことで、腹圧の入れ方そのものに問題があることに気づき、ヘルニアを治す過程で正しい腹圧の入れ方も学ぶことができました。怪我は本当に自分をもっと良い選手にしてくれるものであると感じることができた瞬間でした。怪我に始まり、その怪我を考えることによって来季に必要な課題を見つけることができた。困難をどう捉えるかで、その問題の価値が大きく変わる。困難は僕に学びと「人としての自信」を与えてくれました。来季に向けていよいよ来シーズンの2月にはオリンピックが開催されます。正直なところ、今現在は出場が非常に難しいのが現状です。でも今自分にできることは「今を生きる」こと。そして「自分の人生を全うする」ことだと信じています。たくさんの方々に応援していただいて、現役に戻って2年間競技を続けることができました。そして次が3年目。本当に前の自分からは想像することができないくらい幸せな時間を過ごしています。勝つためにやるべきこと。残り6ヶ月間という限られた時間の中で何をしなきゃいけないのかを毎日考え、信じてとことん実行する。最後まで希望を持ち続け、自分という可能性を信じて頑張ります。そして、今日まで応援してくださっているみなさま。本当にありがとうございます。最後まで走り切りますので応援よろしくお願い申し上げます。




