日本全国から多くの皆さまにいただいたご支援を、さくらのために活用させていただきましたのでご報告いたします。
1 さくら基金を使った維持管理活動等について
(1)さくらの樹勢調査
1本1本のさくらにきめ細やかな処置ができるよう、生育状態の観察、樹勢、生育障害要因、障害部位の調査を行い 樹木医が診断しました。
この調査結果に基づき、枝の落下事故を防ぐための枯れ枝剪定や日当たりの改善のために混みすぎた枝の剪定を行います。また病気の枝の剪定をすることで、さくら自体の生育状況を回復させることもできます。土壌の状況確認も行い、踏圧などにより土壌が固結しているような場所では、エアレーションや壷肥などを行い、新しい根を発根させながら肥料を施します。
その他調査の中では虫害や病害もチェックすることで、それぞれのさくらに応じた治療を施し、さくらの樹勢の回復を図ることができます。
このような調査と治療を単年度ではなく、長期にわたり行い、一本一本の様子を把握していく、非常に重要な調査となります。
(2)害虫の予防
さくらにとって害虫であるコスカシバの繁殖を抑止するため、区内のさくら559本に、フェロモン防除剤を設置しました。
コスカシバは蛾の仲間で、さくらに悪影響を与えるのは、コスカシバの幼虫です。樹皮の荒れた箇所に産卵されてしまうと、孵化した幼虫が樹皮の下を食い荒らしてしまいます。その結果、木は樹勢が衰弱してしまい、枯死してしまうこともあります。
そのため、フェロモン防除剤を設置し、コスカシバ同士の交尾を阻害することで、幼虫の発生を抑えます。こうすることで、さくらを枯らしてしまう原因の一つを排除し、千代田区のさくらの景観を守っていきます。
2 さくらの啓発活動(さくらのために活動するさくらサポーターが実施)
(1)千鳥ヶ淵緑道の美化活動
令和6年のさくらまつり期間中、千鳥ヶ淵緑道の景観を美しく保つため清掃活動を実施しました。
(2)さくらに関する講習会
さくらの魅力を伝えるため、さくらを盛り込んだ料理やテーブルセッティングなどの教室を開催しました。
(3)さくら教育
千代田区のさくらの名所や品種、見どころを周知するさくらミニセミナー、さくらの花芽にいくつ花がついているかを数える花数教室などを実施しました。
千代田区のさくらは樹齢約70年に及び、これからも維持管理や啓発活動は続いていきますが、このクラウドファンディングでいただいた皆様のご支援は、確かに千代田区のさくらの糧となりました。これからもぜひ千代田区のさくらに心をお寄せいただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
第3回千代田区さくら基金クラウドファンディングで集まった支援金につきましても、令和6年度のさくらのケアなどの維持管理に活用させていただきます。