結婚の自由をすべての人に北海道訴訟・弁護団の皆川洋美です。
秋の札幌で一番素敵なイベント、それがさっぽろレインボープライドです!
私が初めてレインボープライド(レインボーマーチ)に参加したのは、高校の友人からの誘いがきっかけでした。
恐る恐る行ってみると、札幌市長が話をしていること、たくさんの人が笑顔で行進をしていることなど、当時の私には本当に驚きばかり。
20歳を過ぎてからは、レインボーマーチのアフターパーティーでその友人とお酒を飲みに行ったのも良い思い出です。ウルトラハニーっていうイベント、ありましたよね?笑
当時、高校生が学校や家庭で、きちんと性的指向・性自認などについて知る機会はなく、インターネットに転がる情報や友人経由で知るほかありませんでした。
今や、中学生や高校生が、SOGIについて学ぶ機会があるとのこと。
大学の一般教養でようやくジェンダーや性自認を学んだのとは本当に隔世の感があります…!若い人たちが「無駄に」悩まずに成長できる社会に近づきつつあるのは、本当に嬉しい限りです。
そんな中でも、憂えることはまだまだたくさんあります。
結婚の自由をすべての人に北海道訴訟は、皆さんご存じのとおり、2019年に全国一斉に提訴した、現在の法律が法律上同性同士のカップルに結婚を認めていないことについての違憲性を争っている訴訟です。
札幌地裁では、2021年3月17日に、現在の同性カップルに法律婚制度を認めていないことについて、憲法14条1項(法の下の平等)に違反するという画期的な判決が出されました。
しかし、国が法律改正に進まない態度を明らかにしたことから、現在は札幌高裁での判断を受けるべく、期日を重ねています。
他の4つの裁判所でも、現在の状況について憲法違反、あるいは今後憲法違反になる可能性があることを示しているにもかかわらず、国はまだなお同性カップルに法律婚への道を開こうとしません。
のみならず、今国が動いているのは、もはや差別増進法というべき、現在不十分ながらも行われている様々な取り組みにすら真っ向から逆らうような「理解増進法案」の審議です。
必要なのはそんな法律じゃありません。
札幌地裁の判決は言いました。「圧倒的多数派である異性愛者の理解又は許容がなければ、同性愛者のカップルは、重要な法的利益である婚姻によって生じる法的効果を享受する利益の一部であってもこれを受け得ないとするのは、…異性愛者と比して、自らの意思で同性愛を選択したのではない同性愛者の保護にあまりにも欠ける」。
圧倒的多数の「安心」のための差別増進法など、不要です。
まだまだたたかっていかなければならないことを憂いつつも、私は、札幌地裁の違憲判決を聞いた時から、この判決がこの国が変わる転換点になると信じています。
結婚制度が同性カップルにも開かれた国であるアメリカでは、「あなたの夫(妻、彼氏、彼女)はどんな人?」ではなく、「あなたのパートナーはどんな人?」と訊かれるのだそうです。市民のレベルで「誰しもがシスジェンダー・ヘテロセクシャルとは限らない」という認識が浸透しているということです。
今年のレインボープライドの日から、私はアメリカでIVLP「The Fight for Marriage Equality」(結婚の平等へのたたかい)というプログラムを受けに行きます。
弁護団会議の様子
札幌地裁が引いた、法の下の平等。これは、市民の意識も変える。そのことを実感してきたいと思っています。
札幌の秋の空にレインボープライドの火を絶やさぬよう、日々の活動を続けている実行委員の皆さんに心からの敬意を表します。
HAPPY PRIDE!