こんにちは!東京志村ライオンズクラブ 風の会学生支部「TEAM LAO」です。
風の会学生支部は特定非営利活動法人国際協力NGO風の会において主にラオスへの教育支援を中心に行う会員を中心に構成されたチームです。この度、東京志村ライオンズクラブ チャーターナイト50周年を記念して本プロジェクトを共創する運びとなり、本学生支部が発足しました。
本事業の基本方針はコミュニティ・スクール構想を土台として「地域とともにある学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」の2本柱で構成されています。事業の達成に向けて学校の先生や生徒のみならず、生徒の保護者をはじめとした村の方々、企業、行政、NGOの方々でよりよい教育、よりよい社会の実現を目指して議論する必要があります。
私たちはこのニーズに応えるために学校と社会をつなぐ「架け橋=ARCH」としての役割を担い、本事業に参画しています。
様々なフェーズにおいてご協力いただいている皆様にこの場をお借りしてチーム一同心より感謝を申し上げます。
1.事業の歩み
風の会はこれまでカンボジアを中心に教育支援活動を行ってきました。しかし、自立した支援先が増えてきたことから支援国の対象を広げることにしました。
現在(2023年)においてもLCD国であるラオスですが、文献やヒアリング調査を通して教育にも多くの課題点があることが分かりました。具体的には、初等教育において純就学率は高いものの、最終学年到達率は低いままであること、校舎の老朽化が進み安全面に問題があること、多民族国家であるため少数民族や農村部の人々に十分な教育が行き渡っていないことなどが挙げられます。
以上のような現状を受け、本年度からラオスへの支援事業が本格的に開始しました。今年の3月には実際に現地へ渡航し、調査を行ってまいりました。今回のクラウドファンディングでは本事業の一環であるナンサイター小学校の建設費用の獲得を目的としています。
私たちは東京志村ライオンズクラブの活動方針である「青年健全育成」の実現及び風の会の理念である「全ての子どもたちが未来への希望を持てる社会」の実現に向け「地域包括型の学校支援を通した生徒ひとりひとりの自己実現の達成」という事業目標を掲げて活動しています。具体的には、生徒が地理的、経済的、政治的要因によって将来の夢や目標を諦めることがないように学校のみならず地域全体でより良い教育環境を創っていきたいという想いをもって活動を行っています。
事業目標の達成を目指すにあたり、そもそも「希望をもって生きることができる子どもたちの在り方」について考えました。それらの考えをARCHプロジェクトの頭文字をとって上記の4つに分類し、本事業によって育てたい子どもたちの理想像として定めました。
1つ目はAmbitiousです。高い志をもって未来を切り拓いていこうとする精神にこそ希望が宿ると考えました。
2つ目はResilienceです。逆境や困難な出来事にも負けない強くしなやかな心にこそ希望が宿ると考えました。
3つ目はConsiderationです。相手を思いやり、尊重できるような他者視点をもった考え方にこそ希望が宿ると考えました。
4つ目はHappinessです。成功体験の積み重ねによって自身の成長に対する喜びや他者貢献による幸せを享受できる感受性にこそ希望が宿ると考えました。
以上の4点を本プロジェクトでは教育目標として定め、具体的な支援策を打ち出してまいります。
ARCHプロジェクトの前身である初等教育支援事業は2021年の6月に開始しました。当時は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってこれまで当たり前のように行っていた対面での活動や支援先への渡航調査が困難な時期でした。そのような状況下であっても本事業の歩みは止まることなく、本年の12月にはラオスにおける初めての支援先としてナンサイター小学校を採択し、翌年5月には東京志村ライオンズクラブ 風の会学生支部が発足しました。
現在、事業名はARCHプロジェクトに変更し、より長期的な視野に立った学校支援事業へと変革を遂げました。
本プロジェクトは自立支援、文化事業、資金調達の3つの部門から成り立っています。3つの部門が相互に関わりをもって事業を行っていくことでハード面、ソフト面支援をバランス良く取り入れた学校支援を行っていくことができ、それらの支援を可能にするための安定的な財源の確保についてもカバーすることができます。
2022年の12月にナンサイタ小学校の建設事業の協定が締結され、現地では建設作業が開始されました。今年の3月に行ったラオス渡航では学校の視察及び建設事業の進捗確認を行いました。
2.基本方針
本事業は事業目標である「地域包括型の学校支援を通した生徒ひとりひとりの自己実現」の達成に向けて3つのステップを定めています。第1ステップは「地域サポート体制の構築」で地域の方との信頼関係の構築や事業の基本方針の共有を目的としています。支援先の選定や学校建設事業を始めとしたハード面事業が具体的な事業内容にあたります。第2ステップは「学校評議会の継続的運営」で支援先の自立した学校運営を支える基盤づくりを目的としています。学校評議会の開催や渡航時のセミナー、交流が具体的な事業内容にあたります。第3ステップは「国や地域を超えた交流事業」で学校間や地域間、国家間でのつながりや協力体制の構築を目的としています。支援先の学校同士の交流や日本の学校との交流が具体的な事業内容にあたります。
ステップ1では地域サポート体制の構築を目的としています。現在行われている学校建設事業はステップ1にあたり、事業を通して教育体制づくりにおける地域内での結束を推進します。渡航でのヒアリング調査では実際に現在の事業地であるナンサイター小学校では村の方々が建設に必要な資材の一部を調達してくださったり、建設作業を担当する棟梁さんの休憩小屋を設置してくださったりと村全体で学校を支えていくという意識をもって行動してくださっていることを知ることができました。
ステップ2では学校評議会の継続的な運営体制の構築を目的としています。学校評議会はよりよい学校の在り方について地域の人々が集まって議論する場のことを指します。今年の春に行った渡航ではナンサイター小学校の職員室をお借りして第1回の学校評議会を開催いたしました。今回の学校評議会には私たちに加えて、先生や村長、副村長さん、日本のNPO団体(AEFA様)及び現地のNGO団体(ACD様)にご参加いただき、建設の進捗報告や学校の課題について話し合いました。年に2回行う渡航を軸に計画を立て、地域の皆様とともによりよい学校づくりにむけた施策を打ち出していきます。
ステップ3では「国や地域を超えた交流事業」によって学校間や地域間、国家間でのつながりや協力体制の構築を目的としています。現地間の学校のつながりのみならず、日本の学校と交流する場を設けることで異文化理解を促進し、生徒のより広い視野の獲得に貢献します。今回の渡航では日本のNGO団体が支援されている坂雲寮を訪問し、寮生の皆様と仲を深める機会を設けていただきました。オンラインでの交流も視野に入れながら日本とラオス間の交流を促進していきたいと考えています。
3.第1次事業計画
第1次事業先であるナンサイタ小学校はラオスの南部にあるチャンパサック県に位置しています。村には約150世帯が住んでおり、村にひとつある小学校には現在75名の児童生徒が在籍しています。南部の主要都市であるパークセーからも比較的近くアクセスの良い場所に位置しています。しかし、比較的恵まれた場所に位置していることによって支援が後回しになってしまった過去がありました。このような経緯もあって本事業がナンサイター小学校で発足することになりました。
現在の校舎は、1997年に建設されました。現在に至るまで約25年にわたって使用された校舎は、老朽化によって壁や天井がボロボロになり、今にも倒壊する危険性があります。壁の隙間から雨や砂が入り込んでしまうため、生徒が集中して授業を受けることは難しい状況にあります。その他にも、道路沿いに校舎が建っているために生徒と車が接触する危険があること、車の排気ガスが教室に充満してしまうことなどの多くの課題を抱えています。
日本の大部分の学校は、手洗い場が十分に設置され、きれいな水にいつでもアクセスすることができます。しかし、ラオスでは全国的にほとんどの小学校において手洗い場が十分に設置されていない現状があります。不衛生な環境によって下痢などの症状で体調を崩す生徒もおり、教育以前の健康状態が脅かされている状況にあります。
支援先のナンサイタ小学校も水へのアクセスが確保されておらず、学校でトイレや手洗い場を使用することができないため、不衛生な環境が引き起こす感染症などの健康リスクを抱えています。
ナンサイター小学校が抱える課題に対しては上記の体制で事業が行われています。
AEFA(アジア教育友好協会)様は日本のNPO団体でラオス、タイ、ベトナム、中国雲南省、日本、ネパール、スリランカ、マレーシアの計 8 か国で活動を展開されています。 18年間の活動で建設した学校の総数は 327にものぼり、図書館の建設は20 にも及びます。その他、教育支援事業や講演なども実施されています。
2021年度はラオスとベトナムにて学校7校、図書館10館の建設事業のほか、リーダシップ育成プログラム等の教育支援事業も実施しております。
ACD(Association for Community Development)様は南部サラワン県に拠点を置く、ラオス政府登録のNGOであります。AEFAのパートナー団体としても活動しており、長年にわたる活動実績から、教育省と村人からの信頼は極めて厚いものがあります。CIED など、 JICA のパートナーとしても活動されています。
ご協力いただいている各団体様は最後の章にて詳しくご紹介させていただいております。
校舎におけるハード面施策では新校舎を安全な土地に新たに建設することによって課題の克服を目指します。新校舎の建設予定地はメコン川を一望できる高台に位置しており、日本ではなかなか感じることができないラオスの広大な自然を肌で感じることができます。
今回の建設事業では生徒数の考慮や教師側の要望もあり、校舎の規模を変更することなく建設を予定しています。本事業は地域とともにある学校づくりを推進しておりますので様々な方との連携によって特色のある充実した教育環境を整備できるように努めてまいります。
衛生面においては電動くみ上げ式のポンプを井戸に設置し、水の安定的な供給を可能にするとともに、汲みあげた水を使用した手洗い場及びトイレの設置作業を行います。 渡航時のセミナーなどを通して衛生設備をより良く、永く使うことができるように努めてまいります。
2023年に入り、本格的にラオスでの事業がスタートしました。新校舎の建設は2023年の9月を予定しておりますが、雨季などの関係により完成に遅れが生じる可能性があります。その後、渡航及びオンラインでの交流や会議を通して継続的に事業を推進していきます。
本事業の予算は大きく分けて新校舎の建設、トイレの設置、机・椅子の設置、井戸・手洗い場の設置、運営の5つに分類されます。本クラウドファンディングでいただいたご支援は、掲載手数料及びリターン費用を除き、全額、ナンサイタ小学校建設事業のために大切に使わせていただきます。
※目標金額に届かなかった場合においては不足分を補充し、事業の達成に向けて進めてまいります。
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