モンゴルとの柔道交流に取り組んでいるVictor板楠忠士先生(柔道家・サンビスト 、熊本中央高等学校教諭)にお話を伺いました。
-国際柔道交流はいつから取り組まれていますか。
私は熊本中央高等学校に勤務して25年になりますが、国際交流については、本校に勤務する前から様々な国と柔道とサンボを通じて行っていました。
モンゴルとの交流については、モンゴルがサンボと柔道が盛んな国であるので、2018年から本格的に交流をするようになり、モンゴル政府からスポーツマスターなど5つの勲章をいただきました。私が監督を務める熊本中央高等学校の女子柔道部は、2019年、モンゴルに遠征して国際ユース柔道大会に参加しています。
-なぜ国際柔道交流をサポートしているのでしょうか。
モンゴル国に行ったとき、現地で見て感じたことは、
-畳がない、または畳が古い
-レスリングマットでサンボシューズを履きながら練習している
-柔道衣がボロボロ
-柔道衣が日本のように普及しておらず、きちんとした柔道衣を着ている子どもが殆どいない
ということです。
柔道衣や畳が無ければ柔道は満足にできません。
ちょうどそのとき、東京オリンピック・パラリンピックでモンゴル国のホストタウンとなった茨城県行方市ら3市町がモンゴルに柔道衣を贈ろうという活動を始めたので、私も参加して全国の関係者に協力を依頼、1000着近くの柔道衣が集まり、モンゴル国に贈ることができました。
さらに、昨年10月、このプロジェクトのリーダーである竹熊カツマタ麻子先生、NPO法人JUDOs様らと共に、日本で集めた柔道衣をモンゴル国に贈ることができました。
また、日本モンゴル柔道友好協会に絵本を約400冊贈らせて頂きました。
今後もこのような活動をして行きたいと思っています。
-このモンゴルに畳を贈るプロジェクトに期待することを教えてください。
モンゴル国体育大学やモンゴル国視覚障害者協会の道場に畳が敷かれたら、より多くのモンゴルの青少年がより充実した稽古ができるようになります。
これまでのモンゴルとの柔道交流がきっかけとなり、私はモンゴル国体育大学の客員講師に任命され、熊本中央高等学校はモンゴル国体育大学と国際教育交流協定を締結しました。コロナ禍の影響もあり、両国の生徒の行き来はまだ行っていませんが、将来的に同大学の付属高等高校と国際交流を進める予定になっています。
このように学校間の連携によって日本の高校生とモンゴルの高校生が継続的に交流できる基盤ができたので、これから、日本とモンゴルの柔道交流を積極的に進めていけたらと思っています。
-最後に一言お願いいたします。
たくさんの皆様から支援や応援を頂き本当に感謝の言葉しかありません。私は、モンゴル国からスポーツマスターなどの勲章をいただいているので、モンゴル国と日本国の架け橋となって、モンゴル国と日本国がこれまで以上に仲良く、助け合いながら発展するよう、微力でありますが、活動していきたいと思います。