2018/11/15 19:26
昨日、大阪高裁第5刑事部は、増田太輝氏を有罪とした一審判決を破棄し、逆転無罪判決を言渡しました!

 クラウドファンディングを通じて「タトゥー裁判をあきらめない!」にご支援くださったみなさま、昨日、大阪高等裁判所でタトゥー裁判(彫り師医師法違反被告事件)の控訴審の公判が開かれ、多数の傍聴希望者が抽選となるなか、満席の大法廷(202号法廷)で、判決が言い渡されました。

 主文は、「原判決を破棄する。被告人は無罪。」。

 その瞬間、傍聴席から「おめでとう!」という歓喜の声と拍手が沸き起こり、法廷内が騒然となりました。一審からずっと訴え続けていたとはいえ、「無罪」を聞いた瞬間は、何が起こったのかすぐにはわからないほどの衝撃がありました。

 多数の彫り師やタトゥー愛好家、この裁判にご協力くださっている学者や医師の先生方、法律を学ぶ学生の方々。涙を流し、抱き合って喜ぶ姿がありました。

 判決の内容を端的にお伝えすると、

①タトゥーを施術する行為は、医師にしかできない「医行為」ではない。

②もし、一審のように、タトゥーを施術する行為を「医行為」であるとして、彫り師に医師免許を要求すると、憲法が保障する「職業選択の自由」との関係で問題がある。

③よって、一審の判断は破棄を免れない。被告人のタトゥー施術行為は罪とならないことになるから、無罪の言い渡しをする。

というものでした。

 このなかで裁判所は、次のように、タトゥーや彫り師という職業の社会的な位置づけについて説明しています。

「入れ墨(タトゥー)は、地域の風習や歴史的ないし風俗的な土壌の下で、古来行われてきており、我が国においても、それなりに歴史的な背景を有するものであり、1840年ごろには彫り師という職業が社会的に確立したと言われている」 

「タトゥーの歴史や現代社会における位置づけに照らすと、装飾的ないし象徴的な要素や美術的な意義があり、また社会的な風俗という実態がある」 

 また、彫り師と医師の違いについて、

「彫り師やタトゥー施術業は、医師とはまったく独立して存在してきたし、現在においても存在しており、社会通念に照らし、タトゥーの施術が医師によって行われるものというのは、常識的にも考え難い」

「タトゥーの施術において求められる本質的な内容は、その施術の技術や、美的センス、デザイン素養などの習得であり、医学的知識及び技能を基本とする医療従事者の担う業務とは根本的に異なっている」

「医師免許を取得した者が、タトゥーの施術に内在する美的要素をも習得し、タトゥーの施術を業として行うという事態は現実的に想定し難いし、医師をしてこのような行為を独占的に行わせることが相当とも考えられない」

と、彫り師と医師はまったく別の職業であると、はっきり述べてくれました。

 そして、一審の有罪判決のときには、タトゥーに対するネガティブな「空気」のようなものをその背後に感じたのと異なり、

「タトゥー施術業は反社会的職業ではなく、正当な職業活動であって、憲法上、職業選択の自由の保障を受けるものと解される」

と述べ、彫り師に医師免許を要求することは、憲法違反の疑いがあるとまで言ってくれたのです。

 そして今後は、

「業界による自主規制、行政による指導、立法上の措置などの規制手段を検討し、対処するのが相当」 

であるとして、医師免許を要求する以外の方法で、タトゥー施術の安全を確保していくべきだとしました。


 控訴審判決は、弁護側の一審からの主張をほぼすべて認める内容であり、みなさまのご支援によって実現した控訴審での立証活動のみならず、一審での立証活動の内容も踏まえたものでした。

 医師法17条の解釈だけで結論を出すことができたにもかかわらず、あえて、憲法上の職業選択の自由について言及しており、実質的な「違憲判決」といえるような内容でした。

 

 ご支援くださった皆さまのおかげで、このようなすばらしい逆転無罪判決を勝ち取ることができました!心より、深くお礼を申し上げます。

 この国から、ひとつの職業、文化、伝統、そしてタトゥーという表現を守ることができました。自由を勝ち取ることができました。

 このことを、ご支援くださったみなさまと一緒に、心から喜びたいと思います。

 本当にありがとうございました。


 ここに、控訴審判決全文を掲載しますが、後日、支援金額により、一部の方々には判決文および報告書を郵送させていただきます。

 また後日、裁判の報告会を兼ねたお祝いの会を催す予定です。詳細が決まりましたら、またご報告いたします。

 ご支援くださったみなさまに、改めて、深くお礼申し上げます!ありがとうございました!

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