稽古が始まっています。
いつもそう思って作品を作っていますが、今回の作品は自分にとっても劇団にとっても1つの区切りとなるのではないかと思っています。それは「最後」という意味ではなく、新しいものに変わっていくような予感がします。
「地獄谷温泉 無明ノ宿」はこの夏のフランス公演を最後にセットを焼却しなくてはいけません。その事は、思い強く作った我々にとってはとても悲しいものです。
だから新作の舞台美術は、より多くの人たちの思いを抱えている存在にしてあげたいと思っています。我々の公演と参加していただいた俳優、スタッフ、観客の皆様の痕跡がどんどん堆積して行くような、そんな存在にしてあげたい。
これはクラウドファンディングを起こした1つの理由です。舞台美術はいつかなくなる存在なのは確かな事だけれども、朽ちる間際まで、思いを乗せて一緒に歩んでいきたいと思います。そして最後に我々は大きく変化している予感がします。
タニノクロウ