みなさまこんにちは。春の心地よい陽気となりましたね!
THE M/ALL 参加アーティスト Super-Kiki
今回、クラウドファンディングのリターンになっている、Tシャツ、ドール、プラカードを制作しています。
Super-Kikiの、ジェンダーレスでいて強いメッセージ性のある作品がいかにして生まれたのか。
2018年の2月に渋谷Galaxyで行われた展示会、STREET JUSTICEへ寄せた彼女の言葉を紹介します。
白い壁のギャラリー、天井の高い美術館。そこにいるアーティストに憧れてた。
2011年3月11日、私は表参道のパスザバトンという店で展示する作品を作るため、ぬいぐるみの材料を買いに外を歩いていた。
大きな揺れが来た時もその瞬間は慌てたが私はこの日常がまだ続くと思っていたし、今ほどツイッターで情報を得ていない時だったので、余震の続く中のんきにホームセンターに行き、営業ができないと言われると「明日までにやろうと思ってた作業ができないじゃん!」と腹ただしく思ったくらいだった。
それからたった数日の間に、何もかもが変わった。自分の中で。
節電節電と叫ばれる中暗闇でミシンだけつけて締め切りのために危機感のない表情のぬいぐるみを作りながら「私が今やれることって本当にこれなんだろうか」と悶々としていた。
多くの人が関わるグループ展だったし弱音もはいてられないのでなんとか開催までに完成させて売り上げを震災の復興支援に寄付して(当時救助や復興のボランティアにいっていた人も多くいたけど、私は原発の状況が怖くていけなかった)
それを最後に自己表現のための作品を作るのはやめた。
とりあえず人としてできることとしてあったのが原発事故の被害を矮小化しようとする政府やマスメディアに対して声を上げる、デモに参加することだった。
そもそも原発に反対することってどうなのか?当時はそれも疑問だったし胡散臭さを感じながらも勉強会に何度か行ってやっと納得したことだった。
デモに初めて行った時も変な着ぐるみの人とか奇声あげてる人とかもいて正直引いてたし笑
これはちょっと居づらいな…と思いながら「せめてかわいいものを掲げていれば」とぬいぐるみのプラカードっぽいものを作って次も参加した。
かわいいもので自我を支える見栄っ張りなわたし…。
でも「ゆるふわでもデモに入れる」と言うスタイルに共感してくれる人たちがいて、なんとなく集まってくれた人たちと一緒にこれまたぬいぐるみの「ゆるふわ横断幕」を作ることになった。(この頃のわたしぬいぐるみの力信仰しすぎだろ)
(連日下北沢の倉庫?に10数人で集まって作った横断幕 2011年7月)
「参加しやすくなりましたよ〜」とかたくさん言ってもらえたので、ああこういう風にツールとして使えるなら私の表現も捨てなくていいんだなあと思った。
私の理想の社会を作るために、会ったこともない人が同じ目的のために私の道具を使ってそれがまた力になるってすごくない?
そしてこれまでも社会運動のために表現の力が使われてきたことを知った。
それは、表現に重きを置いてきた自分にとって新しい道筋になった。
そもそも私は怒ることが苦手で、差別的なデモに遭遇しても罵倒できずに泣きそうになって固まるタイプだし、シュプレヒコールすら実は口パクが多い。
だいたいプラカードを持ってぼーっとしている。(がんばってない人と言われたことあり笑)
ツイッターでネトウヨに絡まれると寝れないくらい消耗するし、ちゃんと言葉に出して怒れる人が多くいる中で、ナイーブすぎる自分が嫌になる。
今でも定期的に自己嫌悪に陥るけど、そうやって何もできなくなるくらいならせめて自分の得意なことで小さくても何かし続ける方がいい。
プラカードとかTシャツとか、メッセージを伝えたい人のためのアイテムを作るのが、
私が社会に足つけてバテずに生きていく生存戦略だ。
きっかけは原発事故だったけど社会にはどうやら身近にあるクソな問題が山積みだったことがわかり、イシューをいくつも掲げながら定期的に路上に立つことになった。
秘密保護法、安保法制、共謀罪、人種差別、性差別etc…
私がデモに惹かれる理由は、権力や社会の大きな力に自分の尊厳や大事なものを奪われることに、自分自身の力で抵抗している人に出会えるからだ。
遠くから見ているだけでは団体や群衆に見えるかもしれないが、そこにいる人と話したりプラカードをじっくり見たりするとそれがあくまでも個人の集まりであることがわかる。
自分の足で立って、私の立ち位置はここだ、と示し、終われば各々の居場所に戻っていく。
7年もデモに参加してても私はその場で話すことはあっても休日遊びに行ったりするような友達はできなかったし(性格の問題か?)それがむしろ力をもらえる関係であったと思う。
孤独に立って物事を考えようとする人が多くいることに希望を感じて、なんとかクソな世の中でも生きられる。
そんな路上で、私が諦めた白い壁のギャラリーに作品を展示し続ける人にも出会った。
現代アートを見ることは続けていたのだけど、その中で感じていたのは直接声を上げることについての対する冷ややかな目線。
俯瞰でものを見るということがもはや目的化してないか?というくらい立ち位置があやふやな作品が溢れる中で路上に立つ人の作品はまさに地に足着いてんなあという感じだった。
デモでしっかりと社会を見て、アートで社会にアンサーする。
責任感も表現力も兼ね備えた最強かよな人たちに勝手に憧れていたんだけど、今回の展示会はなんとびっくりそんな人たちが声をかけてくれました。
実は見ていたアートにモヤモヤを抱えていた分、また作品を展示したいという欲求はずっとあってそれができずに悔しくて枕を濡らした夜もあったほどでした、、、。
だから久しぶりに作品を出せる展示会がその人たちと一緒でとても嬉しい。
誘いの電話が来た夜はニヤニヤしながら眠りました。
人とのコミュニケーションが苦手な私は、作品を作ると人と話したくなるから不思議だ。今回も居れる場所とあれば時間さえあればギャラリーにずっと居座って作品を見てくれた人と話がしたい。ずっとしていたい。
でもちょっとそれは叶いそうにないからとりあえず自分の話を書いてみました。
長くて稚拙な文を読んでくれてありがとう。
もしよかったらSNSとかで繋がれたら嬉しいです。(怪しい)
感想とかもらえたら生きる力になります(重い)
twitter @super__kiki
instagram super.kiki
アートで社会にアンサーする。
個人の強い力を表現に変えて、ボーダーを超え続ける彼女の作品、Superクールです。
当日皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。たくさん話しましょう!!
THE M/ALL OPENまであと1ヶ月と22日!!!
支援額、60万円を超えました!
ご支援いただきましたみなさま、ありがとうございます!!
引き続き、どうぞよろしくお願いします!