
「第47回 日本出版学会賞(2025年度)【特別賞】の受賞」に寄せて
この度、出版関係者が集う専門学会の「日本出版学会」より、模索舎アーカイブズ委員会の活動ならびに清原悠編著『自由への終わりなき模索――新宿、ミニコミ・自主出版物取扱書店「模索舎」の半世紀』(ころから)に対し、「日本出版学会賞【特別賞】」を授与されました。受賞の理由を下記に引用いたします。
「模索舎は商業出版とは異なる出版流通を作りあげようとする「運動」であり、同書はミニコミや自費出版の出版史や出版流通、そして表現の自由や書店のあり方を考えるにあたり貴重な資料である。さらに、取り組まれることの少ない中小書店の社史やアーカイブプロジェクトとして、資料整理と公開、さらには関係者へのインタビューを実施し、出版物として成果を公開する委員会の活動は、評価に値するだろう。同書の出版を記念し、さらに、今後も資料のデジタル公開を進めていくという模索舎アーカイブズ委員会の活動に敬意を表し、出版学会賞特別賞を授与したい。」(全文→特別賞・審査報告)
本書は製作に4年弱かかった著作であり、そして多くの関係者の協力により出版が叶った著作です。幸い、すでにお読みになった方々からは、本書の面白さと重要性について、多くのエールをいただいてまいりました。
一方で、分厚く高価な一冊となってしまったことから、刊行から半年が経過したにもかかわらず、新聞等のマスメディアで取り上げてもらいにくい一冊であり、図書館にも入れてもらいにくい本でした。その意味では、まだまだ多くの人に読んでもらえるための努力が必要となっています。
書評紙『図書新聞』や、本年2/28の合同合評会では、社会運動(史)としての価値を社会運動史研究の専門家の方々より高く評価されてきましたが、今回は「出版流通(史)」という面からの高い評価をいただくことができました。「出版流通の自由」の試みを描く本書にとって、この受賞は本懐を遂げるものだとも言えるでしょう。
とはいえ、われわれ模索舎アーカイブズ委員会の仕事はこれで終わりではありません。受賞理由にもあるように、これから「デジタルアーカイブズ」の構築と公開という新たな挑戦が待っています。
具体的な活動計画はこれから検討していくことになります。
今後とも、お力添えのほどお願い申し上げます。
清原悠
模索舎アーカイブズ委員会




