これから徐々に研究会(コミュニティ)の申請作業もしていこうと思い、準備をしています。目標は大きい方がいいと思いますし、夢があった方がモチベーションも維持できます。よって、以下の3点を考えていこうと思います。もちろん、目の前の小さなことの積み重ねも大切ですが。
1.共著の出版
将来メンバーによる共著というのはあり得ると思いました。今回、支援者の中には、博士課程に通っていたのに、博士号を取れなかったという人や、修士課程で学んだのに入学前の準備が足りなく、2年間有意義に過ごせなかったという人が意外にもいらっしゃいました。いろいろな体験談があるにもかかわらず、あまり表には出てこない話かもしれません。特に成功談よりも失敗談の方が参考になるでしょう。そのような貴重な情報を整理しておくことは、社会的にも意義のあることではないかと思いました。
2.「論文博士」の制度化
「課程博士」ではなく「論文博士」をもっと身近なものにするために制度化するのもチャレンジングで、やる価値は大きいです。私も2018年に論文博士に挑戦して失敗しました。その辺の経緯は本の中で述べていますが、いまだに論文博士というのは、もっと一般的になればいいと思っています。文部科学省のまとめによると、論文博士は諸外国と比較して例外的な制度で廃止すべきのようですが、この「諸外国」を「アメリカ」とみるからそうなります。
しかし、ドイツやフランスと比較するなら普通の制度です。むしろ、大学院に通わせる課程博士のほうが例外です。大学にしてみると授業料が入り、文部科学省にしてみると、運営費交付金を減らせるのでいいですが、大学院教育をいつまでも金儲けの材料にしていてはいけないと思います。よって、論文博士を制度化し、積極運用してくれる大学や大学教員を開拓するのも良い目標だと思います。博士論文執筆の段階まできた人であれば、自律して完成させ提出し、審査してもらい、最後の口頭試験も通って博士号を取得できるはずと思うからです。
3.論文プラットフォーム
そして、最後に難易度が高そうですが、論文発表の場を確保するために、論文プラットフォームというのも考えられます。イメージとしては、大学の機関リポジトリです。せっかく書いた論文が、人の目に触れることがないというのは残念です。もちろん、大学院の紀要というものが各大学にあります。しかし、一般の人の目に触れることがありません。また、学術誌や専門誌に投稿するのはなかなかハードルが高い現実があります。それでも、なかには多くの方に読んでいただいたら参考になるという論文もあります。よって、埋もれてしまった論文を発掘する機能が論文プラットフォームにあってもいいのではないかと考えたわけです。その裏には、編集部や査読者によってリジェクトされている価値ある論文があるのではないかということです。
以上の3点は、現時点で私が思いついたアイデアです。研究会がスタートすれば、いろいろな意見が出て、そこからさらに新たな着想も得られるでしょう。現実的にはSNS上での情報交換からはじまるでしょうが、活発な意見交換ができれば、多くのメンバーの気づきになるのではないかと思います。