bar中間省略完成報告
皆様にご支援いただき、また見守っていただいたbar中間省略がついに完成、オープンの日を迎えました。物件探しから考えると実に長い月日をかけたプロジェクトでした。
酒チャンスの時とは違い、箱を押さえてからの準備期間は本当に短く本当に一気に駆け抜けたような感覚でした。
施工前現地を見た時白で統一された室内なのにどこか閉塞感を感じる室内。
これをなんとかするというのがまず命題となりました。
広がりを持たせる為、まずは最大限の空間を確保するように天井を落とす事を決めた。
天井について
ただ天井を現すだけではあまり効果は無いのでルーバー天井を作る事にした。
ルーバーの効果は2つ
奥行きを感じつつも陰影を作ることで見せすぎない。人の目は隠れている部分を勝手に補完して意識するので隠れている方が抜けを感じるようになります。
また、照明器具や配線、ライティングレールなど天井のノイズとなる部分を隠してくれる事もスッキリと感じさせてくれる効果があります。
面倒な電気配線をしっかりとやってくれたちいどゲさん、ありがとうございました!
薬剤を一切使わず窒素加熱処理を行った杉材のほのかな香りも是非感じてください。
露出することになる梁はあえて仕上げをせず既存のまま、GLボンドを落としてクリア塗料で仕上げる事にしました。
梁成は580mm。このボリュームこそがここが地下室であるという証であり綺麗に仕上げたカウンターと粗野な梁が直交する事で空間の幅を感じさせる事が出来たと思います。
この580mmというのが実は消防法上ギリギリの数値。600mm以上あると自動火災報知機を追加して付けないといけなくなるのです。本当にギリギリでした。消防設備の追加となればさらに費用がかかる所でした・・・。
カウンターについて
活動報告では何度かお見せしているカウンターはゼブラウッドというアフリカ原産の木材である。厚みも原木時は75mmほどあったものを杢目の良い所を出すために10mm削ってもらいました。
原木を見た当初は写真にある大きな目玉を中心にして大人しい目の部分だけを使おうとも考えたけれど小さく捻れた杢目の部分もまた違った表情を見せてくれるだろうという事であえて荒々しい部分を使うことに決めました。
座る席によって色々な表情が楽しめるので是非自分のお気に入りの席を見つけてもらえれば幸いです。
バックバーについて
バックバーは仕上げを染色で木目を残しながら仕上げる事は当初から決めていました。難しい注文をお願いして手配してくれたウィズホームさんありがとうございます。
背面はあとから石を貼ることに変更したがこの石は製法上1ロットは同じような目の出方になる。
それを割り付けや回転させることで美しく並べるのを言われなくても考えてやってくれる普通の大工さんは本当にすごい人だ。
活動報告の時はまだついていなかったけれど真鍮のランカンとフットバーも良い味になったとおもいます。
椅子について
椅子は会長が選んだ商品ですがこれがとても座りやすい。昼間、営業時間外にここで昼間はお鯛設計事務所として仕事させて欲しいくらいの座り心地。もう酒チャンスの床とかガードレールなんかには座れなくなっちゃうくらいです。
現地で実際の明るさをシミュレーションしながら決めた生地もベストマッチしていると思います。
床について
床はビンテージ感のある塩ビタイルで雰囲気と耐久性を両立。
糊付け機が入ったら動く隙間もないくらいの小さな現場で綺麗に仕上げてもらったクーさんありがとうございました!
僕が出来るのは所詮絵を描く事だけなので各職人さんの丁寧な仕事が完成度の高いbar中間省略を作り上げてくれたのだと本当に感じています。ありがとうございました!
そして全てにおいて僕の提案を「カッコよくなるならどんどんやれ!」と背中を押してくれた会長をはじめとする全宅ツイのボードメンバー達には感謝しかないです。
ここで最初に会長から依頼されたイメージ図とコンセプトを見てほしい。
…まぁ最初のコンセプトとは少しだけ、ほんの少しだけずれた仕上がりになったかもしれないけれど、カッコよくなったし良いって事で!
最後になって大変恐縮ですが、この度ご支援いただいた皆様の力添えがあったおかげで完成までこぎつける事ができました。本当にありがとうございました。
是非皆さんが作り上げたお店を体験しに来てください!
そして各工程でサポートをしてくれた妻への感謝の言葉を最後に添えさせていただきます。
(横にいるあげに書けと強要されました)