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いまこそ伝えたい、平和とは? ブレヒト『子どもの十字軍』の絵本を出版したい!

ベルトルト・ブレヒトの名作『子どもの十字軍』。戦争とは何か、子どもたちが探し求めるのは、大砲も銃もない平和な土地。でもそれは故郷ではない…。今また世界中にひろがる戦争の影。子どもたちと平和を語るために、いま、必要なこの絵本を、ひだまり舎5周年に、みなさんのご支援をいただいて出版したいと思っています。

現在の支援総額

642,500

42%

目標金額は1,500,000円

支援者数

71

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/07/03に募集を開始し、 71人の支援により 642,500円の資金を集め、 2023/07/31に募集を終了しました

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いまこそ伝えたい、平和とは? ブレヒト『子どもの十字軍』の絵本を出版したい!

現在の支援総額

642,500

42%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数71

このプロジェクトは、2023/07/03に募集を開始し、 71人の支援により 642,500円の資金を集め、 2023/07/31に募集を終了しました

ベルトルト・ブレヒトの名作『子どもの十字軍』。戦争とは何か、子どもたちが探し求めるのは、大砲も銃もない平和な土地。でもそれは故郷ではない…。今また世界中にひろがる戦争の影。子どもたちと平和を語るために、いま、必要なこの絵本を、ひだまり舎5周年に、みなさんのご支援をいただいて出版したいと思っています。

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はじめに・ご挨拶

ひだまり舎の中村と申します。

2018年8月6日にたちあげた ひだまり舎は、この夏、5周年を迎えます。

この5年間、コロナがあり、昨年はロシアによるウクライナ侵攻があり……
他にも、世界のあちこちで、紛争が起こっています。
世界の子どもたちを取り巻く状況は、とても平和といえるものではありません。

子どもたちに絵本を届ける出版社として、何が出来るだろうといつも考えています。

ひだまり舎の出版テーマは、
平和・いのち・しあわせ
です。

平和を伝えるというのは、とてもむずかしい。
平和について考えるために「平和でない状況」を知ること。
戦争を題材にした絵本をつくるということは、そういうことだと思っています。

そういう絵本をよむのは、もしかしたら、つらいことかもしれません。
でもそれが、平和を求めるこころを育てる、きっかけのひとつになるのではないでしょうか。

2022年2月以来、そのような思いを強くしているときに、はらだたけひでさんに出会いました。


『子どもの十字軍』出版に寄せて    はらだたけひで

 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。世界の人々にとって大きな衝撃でした。それからは悪夢のような日々が続いています。遠い地に炸裂する爆弾の音が心から離れず、恐ろしいことにそれが日常になってしまいました。毎日、戦地では多くの生命が失われ、傷つき、人々は故郷からの避難を余儀なくされています。とくに伝え聞く子どもたちの運命は悲惨でした。この戦争は底しれない憎しみをうみ、後世に消えることのない禍根を残すことになるでしょう。わたしも友人たちも、この戦争という巨大な暴力に対して、表現者として自分たちに何かできないだろうかと自問を繰り返していました。

そんなある日、部屋の本棚から矢川澄子さんが訳されたブレヒトの『暦物語』を何気なく手にとりました。久しぶりにひらいたページの『子供の十字軍』を読み、ウクライナだけではなく苛酷な境遇に置かれている世界中の子どもたちのことを思わずにはいられませんでした。この詩には戦争の真実がこめられ、普遍があります。わたしは作者への敬意とともに、加藤周一氏がこの詩を第二次世界大戦から生まれたドイツ詩の傑作と記していたことを思い起こしました。しかしこの詩は日本では他の翻訳を含めて絶版となり、今や読むことができなくなっています(その後、光文社古典新訳文庫で出ていることを知りますが)。

わたしはブレヒトの詩との出会いをとおして、かつてアンジェイ・ワイダ監督の「コルチャック先生」を観て、孤児たちのために尽くして亡くなったヤヌシュ・コルチャック(1878~1942)の半生を絵本にしたいと思ったこと、マルセル・シュウォッブの『少年十字軍』を読んで感動したこと、イラクやインドネシアの戦争孤児やストリートチルドレンをテーマにした数々の映画の上映に奔走してきたことなど、過去のさまざまな思いや出来事が心によみがえり、この詩を未来へ語り継がなければならないと考えるようになりました。

また非戦への思いのほかに、この数年で多くの大切な方々が亡くなりました。あの戦争の語り部の人たちも。日本人、否、人類の忘れてはならない「記憶」も時代の激動のなかで遠い過去のものになろうとしています。さらにわたしが長く働いてきた岩波ホールの閉館が象徴するように、この数年の間に書店や映画館などの閉店、閉館が相次ぎ、文化・芸術が身近な存在ではなくなってきています。文化・芸術は人間が人間らしくあり続けるために最も大切なものです。このブレヒトの詩を収めた本が手に入らなくなったように、わたしを育んでくれた文化・芸術が身の周りから次第に「消滅」していくのでは、という危機感があります(今やデジタルの時代だと笑う方もいるでしょうが)。歴史は繰り返します。わたしは69歳ですがもはや戦争を知らない世代です。しかしこの時代の流れに対し、微力でも抗わなければならないと考え、ブレヒトの詩にあわせて絵を描き始めました。2022年春のことでした。

そして絵は同年夏にほぼ完成し、11月にひだまり舎の中村真純さんのお目に留まった次第です。本文はこれまでの訳文を参考にして絵に沿うように書いてみました。その文については翻訳家の高橋文子さんから適切なご指摘をいただいて修正を重ねました。悲しい内容かもしれませんが、最後のページの絵にこめたように、死と憎しみが日々の空気を侵食してゆくなかで、わたしたちは「記憶」とともに希望や憧れを語り続けなければならないと考えています。たとえそれが仄かな明かりにすぎなくても。


プロジェクトをやろうと思った理由

はらださんにこの絵本をみせていただいたとき、
どうしようもなく、胸が苦しくなりました。
これが、現実だ。これが、戦争だ……。

はらださんの絵は、つらく悲しい絵ではありません。
むしろ、あたたかく、柔らかい。
でもそのギャップが、さらに現実とのギャップを強くしました。


出版の仕事をしていると、どうしてもこの本を自分の手で世に出したい、
と思う作品に出会うことがあります。

この絵本は、ひだまり舎で、私の手で出版したい、と強く思いました。
この本を読んだあとに残る、ざらざらした苦しさ、
それこそが、現代に生きる人たちの平和を希求する心になっていくはず。
ひだまり舎でぜひ伝えたいことです。

でも同時に、「ひだまり舎でいいだろうか」という葛藤が強く生じました。

ひだまり舎は、ひとり出版社です。
作家さんと向き合って、1冊1冊、大切に本を作っていくことをモットーにしていますが、
どうしても販売力が弱く、全国のどの本屋さんにも並んでいる、
という状態にはなかなかなりません。
そんな出版社から出版することが、この本のためになるだろうか、と悩みました。


資金的なことも、大きな不安要素でした。
そんな中で、クラウドファンディングを実施することに思い至りました。

このクラウドファンディングを通して、
ひとりでも多くの方にこの絵本のことを知っていただき、
事前に本を予約していただくかたちでご支援いただけたら、
と思ったのです。


これまでの活動

みなさんは、戦争についての本をどのくらい読んだことがあるでしょうか。

私の記憶に残っている一番最初の戦争の絵本は、
『猫は生きている』早乙女勝元・文/田島征三・絵(理論社)
でした。

東京大空襲を描いたこの作品は、戦争の怖さを、
子どもの心に十分すぎるほどに焼き付けました。
夢に見るほどに、強烈に。

私の、戦争はいやだ、悪だ、という気持ちは、
ここがスタートかなと思います。

大人になって、子どもの本に携わるようになって、
この絵本の作家さんと一緒にお仕事できる日がくるなどとは、
思いもしませんでした。
(ひだまり舎で、田島征三さんの絵本を2点刊行しています)


この絵本でもそうですが、戦争を題材にした本の多くは、
だから戦争が悪いとか、だから平和が大事なのだとか
そういうことは言葉としては書かれていません。
あったことを、描いているだけ。

それがフィクションであれ、ノンフィクションであれ、
そこから何を受け取るかは、読者に、受け取る側に委ねられています。
それが本というメディアの特質でもあります。


たとえば、戦車のゲームが好きで、実際に戦車を動かしてみたい、
そう思うことは誰にも止められません。
でも、その先にあるのは、戦車によって攻撃を受ける人がいるということ。
それを想像できる力を育てたい、
それが出版人としての責任だと、私は思っています。


「平和おりひめ」

ひだまり舎の出版テーマに「平和」を掲げていることから、
少し前にご紹介いただいたのが、
広島の原爆の子像に捧げられた折鶴をつかった再生紙「平和おりひめ」でした。

ふさわしい企画に、使いたいと思っていました。

今回、この絵本の企画に当たり、
本体の表紙にこの用紙を採用しています。


表紙デザイン案


ひだまり舎の開業は、8月6日。


広島におこったことを胸にとめ、平和を祈念する日。

2023年のこの日に刊行となるこの絵本は、
折鶴再生紙「平和おりひめ」とともに歩き始めます。



資金の使い道

本プロジェクトの必要経費は、以下の通りです。
この一部をクラウド・ファンディングによって賄いたいと考えています。

◼︎印刷、製本   950,000円
◼︎印税      300,000円
◼︎編集      200,000円
◼︎装丁、組版   200,000円
◼︎クラファン費用 200,000円
------------------------------------
 合計     1,850,000円


リターンについて

【純粋応援コース】3000円〜
  絵本は届かない、応援のみのコース。
  『子どもの十字軍』絵本出版プロジェクトを
  一口3000円からご支援ください。

【絵本で応援コース】2500円、4500円
  『子どもの十字軍』の絵本をお届けするコース。
  絵本1冊につき、特製ポストカード1枚おつけします。

【絵本+図書館等に寄贈コース】5000円〜
  ご自身に1冊と、図書館等の施設へ1冊寄贈するペイフォワードのコース。
  ご希望の送付先へ絵本をお届けします。
  ※ご希望の送付先が寄贈受入不可の場合は、こちらで選定した寄贈先へ
   寄贈させていただきます。
   寄贈先は受入許可が得られ次第、順次掲載します。

長崎県立長崎図書館
静岡県立中央図書館
千葉県立中央図書館
三重県立図書館
宮城県図書館子ども図書室

【絵本まとめてコース】10000円、20000円、38000円
  『子どもの十字軍』の絵本を5冊、10冊、20冊と
  まとめてお届けするコース。
  グループでまとめてご支援くださる方はぜひこちらをご利用ください。

【「平和おりひめ」ミニカードセットコース】3000円
  絵本の表紙を作る際に断裁される部分で、ミニカードを作ります。
  「平和おりひめ」を無駄なく使えるリターンです。
  ミニカード10枚セットを絵本と一緒にお届けします。

【「平和おりひめ」折り紙セットコース】4000円
  「平和おりひめ」の和紙折り紙10枚セットを
  絵本と一緒にお届けします

【絵本+グッズコース】5000円〜
  『子どもの十字軍』の絵本と、クリアファイルやトートバッグなどのグッズを
  お届けするコース。
  グッズの準備ができ次第順次アップします。

【絵本+はらだたけひでミニ原画コース】15000円〜 
  『子どもの十字軍』の絵本と、はらだたけひでさんの額絵を
  お届けするコース。
  順次、画像アップしてまいります。

【絵本寄贈コース】30000円〜
  全国の公共図書館、学校図書館、その他の施設へ絵本を寄贈するコース。
   ※ご自身には絵本は届かないコースです。
  寄贈に関る事務作業費・送料が含まれています。
  寄贈先の了承が得られ次第、受付開始します。

実施スケジュール

7月上旬  絵本制作中。校正作業。
     グッズ製作
     寄贈先選定、受入許可を得る
7月18日 絵本下版予定
7月31日 プロジェクト終了
8月初旬  絵本完成
     リターン順次発送


最後に

この絵本が、
ひとりでも多くの方の手に届き、
ひとりでも多くの方が平和を求めるようになることが、
やがて、世界を動かす力になることを願っています。

みなさまのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。




<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

最新の活動報告

もっと見る
  • ご報告&『子どもの十字軍』原画展のご案内

    2024/01/04 17:22

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • ご支援くださった皆様この度は、クラウドファンディングにご支援をいただきまして、まことにありがとうございます。お礼のメールが遅くなりまして、申し訳ございません。昨日、無事に絵本『子どもの十字軍』が出来上がってまいりました。みなさまにも、順次お届けして参りますので、いましばらくお待ちくださいませ。ひだまり舎は、8月6日に開業5周年を迎えました。平和・いのち・幸せという大きすぎるテーマを掲げ、絵本・子どもの本を出版してまいりました。この5年の間に、コロナ禍があり、そして、ロシアによるウクライナ侵攻が始まるという、世界を揺るがす大きな出来事が重なりました。ほかにも世界各地で紛争は絶えず、子どもたちを取り巻く世界はよくなっているとは言いがたい状況です。その中で、子どもたちやその周りにいる方たちにむけて本を作るということはどういうことかを、常に考えながらの5年間でした。大仰に「平和」とうたうことだけでなく、日々の営みの中にちいさな幸せを見いだし、その幸せを守ることをよろこびとしてもらえたら。それこそが平和を求める心であること、子どもたちの心のなかにそうしたあたたかな種をまくことができたら…… 『子どもの十字軍』は、とても重いテーマの絵本です。内容も、決して明るく楽しいものではありません。でも、いまこの時代にこそ伝えなければならないことが描かれていると思っています。はらだたけひでさんの精緻な切り絵によって描き出される世界が、ブレヒトの詩とともに読み手に届くとき、きっとそれが読み手の心の中で様々に動き出し、また新たな「種」がまかれることと信じております。これからも、子どもたちが、絵本をよむ時間を楽しんでくれることを願って、本を作って参ります。本をひらく時間が、子どもたちにとって、また周りのおとなたちにとって、あたたかい、ひだまりのような時間でありますように。この度のご支援に、改めて心から感謝申し上げます。ありがとうございました。2023年8月8日    ひだまり舎 中村真純 もっと見る

  • いよいよ8月!絵本も完成します。みなさま、様々に応援してくださり、本当にありがとうございました。最後になってしまいましたが、絵本の中身をすこしご紹介します。ポーランドで1939年むごたらしい戦争があった。たくさんの町や村がいちめんの焼け野原になった。妹は兄を妻は夫を戦争のためにうばわれた。家をこわされ炎におわれて 子どもたちは親をなくした。ポーランドで何なにがあったのか。知らせはなく手紙もなかった。けれども東の国々では奇妙なうわさがひろまった。雪のふるころに東の人たちは話していた。子どもばかりの十字軍がポーランドではじまったと。こんな書き出しで始まる叙事詩。名前のない子どもたちの描写が続きます。小さな隊長12歳になる少女ビロードのえりの服をきたユダヤ人の子ども作戦担当の二人の兄弟やせた灰色の服の子……あえて、リアルでない小さな切り絵で描かれる子どもたち。今日は自分が、明日はあの子が、十字軍の子どもになっているかもしれない——そんなことを思わせる、描写です。小ぶりの横長の絵本は、十字軍の子どもたちが進む方向に読み進む形になっています。子どもたちはどこへ向かって、どうなったのか……?ぜひ実物を手に取って、最後までご覧ください。最後まで、ご支援ありがとうございます! もっと見る

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