はじめに・ご挨拶
はじめまして。石川県珠洲(すず)市で、市内唯一の天然珪藻土(けいそうど)「切り出し七輪」の製造販売をしています、「有限会社丸和工業」代表取締役の玉置仁一と石崎秀忠です。
まさかの2回目、震度6強の地震
今年5月5日、ゴールデンウィークの最中、石川県珠洲市に震度6の地震が襲来。珠洲全体に大きな被害をもたらしました。
私たち丸和工業も、今年1月にクラウドファンディングで完成・稼働したばかりの新しい窯が損傷し、本社である「平床(ひらとこ)工場」の建物も斜め45度に傾きました。茫然自失、ガッカリです。
惨状を見て、これで事業をやめようと思いました。昨年に続く被害で、心が折れてしまったたからです。
それでも、『切り出し七輪』の灯を消してはならない
正直、事業の存続は難しいと思っていました。ですが、この『切り出し七輪』こそが珠洲の地場産業。ここでしか作れないから全国に胸を張って出荷できるということ、この良さを知っている愛好者が全国に大勢おられることを再度認識し、この伝統を守っていきたいと決意いたしました。
昨年6月19日、震度6弱の地震により、本社平床工場内にある焼き窯が崩壊。『切り出し七輪』を作る上で大切な「焼き上げ」を行うための窯であり、中に入っていた七輪も埋もれてしまうなど、一時出荷ができない状況となりました。地場産業の存続危機に直面した私たちは、この窯を修繕するためにクラウドファンディングを立ち上げ、また地元や取引先のみなさまの協力も得て、今年1月になんとか再建を果たすことができました。
しかし今年5月5日、今度は震度6強の地震が発生。本社平床工場は斜めに傾き、屋根が抜け落ちる惨事に。七輪の仕上げ作業も行っていた作業場でした。また、再建したばかりの新しい窯も、抜け落ちた屋根の下敷きとなり損傷。全国の取引先様、お客様にお待ちいただいている中、またもや地場産業の存続が危ぶまれている状況です。全国のお客様のため、従業員のため、珠洲の産業を絶やさないためにも、私たちはなんとしても立ち向かわなければなりません。
このプロジェクトで実現したいこと
窯が再建されたことにより事業の軌道が戻りつつありましたが、今は外部のレンガが一部剥がれ落ちてしまったため、それを補修するまで焼くことができません。平床工場の建物自体も建て直すことになりました。そのため現在は、当社の第2工場「杉山工場」にある古い窯で焼き入れを行っている状況です。
もともと杉山工場は、珪藻土の採掘場と近かったことから七輪の成型場として使用していました。昨年の地震があってから急遽窯を使用することとなりましたが、10年以上使用していなかったこともあり、レンガなど、窯自体が古くなっているのが否めません。
そこで、杉山工場の窯をきれいに直し、今後もずっと使っていけるようにしたいと考えました。本社平床工場が復活するまで、復活したあとも、作業や出荷に影響を与えないようにするためです。杉山工場は本社から約3km離れた山の中にあり、粘着力のある珪藻土岩の上に鎮座しているため、耐震性が高いと判断しています。今回の地震においても、窯自体に大きな損傷はありませんでした。
この杉山工場の窯が使えなくなってしまっては、大事なお客様にお届けできなくなることはもちろん、珠洲の地場産業を失いかねません。どうか、杉山工場の窯の修繕に必要な資金のご支援をよろしくお願いいたします。
天然珪藻土から切り出して作る「切り出し七輪」
庭に七輪を持ち出してうちわでパタパタ仰ぎながら魚を焼く。五感を心地良く刺激する七輪ならではの風情があります。何と言っても、炭火焼きで食す魚や肉の旨さは格別です。七輪は「焼く」「焙る」調理に優れており、食材の本当の味を引き出してくれます。長年、庶民の食文化を支えてきた七輪は、これからも日本の大切な道具です。
能登の「切り出し七輪」の歴史は古く、江戸時代にさかのぼります。主要素材である「珪藻土」は、能登半島の珠洲市周辺に無尽蔵にあると言われており、珠洲の伝統産物・地場産業となりました。
七輪の製法は「練り物」製法と「切り出し」製法に大別することができます。
「練り物」製法は珪藻土を砕き粉末にして練り、型に流し込み整形する製法です。大量生産がきくために安価に作ることができますが、七輪が重くなり、劣化が進むと外側からポロポロと崩れてきます。
一方「切り出し」製法は、トンネルの奥深くから切り出した天然珪藻土をひとつずつ職人が削り、さらに約2日間薪窯で焼く製法です。天然の珪藻土を活かした製法のため、熱効率が非常に高く丈夫で、思いのほか軽いのが特徴です。時には筋や亀裂が入っているブロックもあり、土を知り尽くした職人でないと難しい作業です。
切り出された珪藻土ブロックは職人たちの手堀りによって整形され、まるで彫刻のように整えられた後、800度の窯で約45時間の焼成に入ります。昼夜を問わず1時間ごとに薪入れをし焼いていきます。焼成後、磨きをかけてから塗装を塗るなどして「切り出し七輪」が完成します。
全ての工程を人の手によって行うこの七輪には、職人たちの想いが込められています。
市の教育委員会から、この度「切り出し技術」が「無形民俗文化財」の指定を受け、全社員の励みになっております。
プロジェクトをやろうと思った理由
お恥ずかしい話を一つ。弊社は歴代の社長時代からの借金があります。全社員で、ずーっと返済をしてきました。もう少しで終わりのところで昨年の地震です。そこから踏ん張って壊れた窯を直し、やっと軌道に乗り始めた矢先に、今年また地震。私たちも社員もみんな落ち込みました。でも、私たちが辞めてしまえば珠洲の地場産業はどうなるのか。使命感が湧きました。将来に希望を持って伝統産業の維持・雇用の維持・微力ながら奥能登の経済活性化に繋がる様に、今回のプロジェクトを立ち上げます。
これまでの活動
弊社はジャパンテントの協力・支援会社として世界の若者たちに工場見学をしてもらい国際交流の一助となるようにサポートをしてきました。トライアスロン珠洲大会では、かわいいコンロを協賛品として提供してきました。また、地質学者・ジオパーク研究者には坑道を案内し教育・研究の場を提供してきました。
資金の使い道
1.珪藻土レンガの購入
2.木製の型枠作成(窯の上部はアーチ型にするため)
3.窯の組み上げ・建設費(建設・設計はプロの技術が必要)
4.CAMPFIREへの手数料(支援総額×
リターン品について
●天然珪藻土七輪・コンロ
珪藻土の七輪の特徴は、真っ赤になっても外側は火傷(やけど)するような熱さにならないことです。保温断熱効果が高いんです。燃料をうまいこと使えるから省エネにもなる。金属でできたバーベキュー道具やらがたくさん出回ってますが、切り出し七輪は金具を離せば、土に返るからゴミにもならんわけや。珪藻土は、これからの時代(SDGs)にうってつけの宝です。
●珠洲産木炭(大野製炭工場)
(県内唯一の炭焼き専業職人が作る炭。能登では昔からナラやクヌギを伐採して炭作りが行われてきました。大野製炭でも伝統を守り、近くの里山から木々を伐採し、本物の炭を提供しています。平成16年から、クヌギの植林を始めています。里山は、かつては薪や炭のための林として利用され管理されてきました。しかし、近年の燃料革命の進行や薪炭生産者の減少などで里山は放棄されてきています。炭焼きにより荒廃した里山を再生し、持続可能な環境を目指します。
実施スケジュール
●2023年8月~9月・・・クラウドファンディング開始!
●2023年6月中旬・・・・杉山工場の窯の修繕工事
●2023年6月下旬・・・試し焼きなどの調整作業
●2023年7月・・・・・・杉山工場の窯で本格稼働!
※工事をしながら通常の出荷作業も行います。
最後に
世界的に見ても希少な資源・珪藻土、特に能登産は良質な事で知られています。七輪をはじめ壁材、バスマットなど身近な生活用品として利用されてきました。これからも皆さんに愛される、身近で可愛い製品を造り出したいと思います。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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