「ことといこども食堂(墨田区)」は、2016年3月より墨田区で、子どもでもひとりであっても誰でも食事に来ても構わない「墨田区で最初のこども食堂」として、一般社団法人つくろい東京ファンドが開設・運営しているこども食堂です。
現在第二・第四木曜日の18時~19時30分まで、こどもや保護者を含めて20名程度(保護者含む)の方がいらしてくださっています。
本プロジェクトは、もともと「住んでいた家が事情があって数年空き家となるのだが、その間こちらを活用しませんか?」と、家主の方から運営団体にお声がけいただいたことから始まりました。
二階建てのきれいな家を見ながら「ここを使って、どうやって社会課題を解決するために活用しようか?」とアイディア出ししていく中で、比較的若い層の低賃金・都市部の高家賃という問題に着目。その解決の一助とするべく「空き家を活用した個室型シェアハウス」という方向性が始まりました。
そうして、その家の広いキッチン・リビングを見ながら「せっかくなので地域にひらかれた場所にできないだろうか?」と考えた時に、過去墨田区の中学生がホームレス状態の方に集団で襲撃をおこなった事件があり、その遠因のひとつとして、襲撃に参加した子どもが貧困状態におかれていたという事実に思い至りました。ざっと調べてみると墨田区内でいわゆる「こども食堂」はまだその当時はなく……。
このような思いから、ことといこども食堂がスタートしました。
上記のように、元々私たちは墨田区に地縁があるわけではなく、会場と問題意識ありきからスタートした状況でした。コアメンバーもこの地域に生活拠点を持っていないので、小学校や児童館にもつてがなく、周知・広報には最初は苦戦しました。
自団体のウェブサイトや区のサイトへの掲載は当然としても、制作したチラシを持ち町会や近隣の児童館施設、小学校などにご挨拶にうかがいましたが、当初はなかなか手応えがつかめない状況でした。
それでも、2年間活動を続けていく中で、粘り強く信頼関係を築き、最初に来てくださったお客様が別の方を呼んでくださるなど、口コミを中心に周知が広がり、現在は多数の方が来てくださるようになりました。
最近では子ども向けのイベントも開催することができて、とても賑やかな場となっています。
幸運にも「ことといこども食堂」では、ヒヤリハットも含め事故に至るようなことはおこっておらず、自分たちなりに万全の注意を払っています。
しかしながら、社会課題の解決を目的をしている場である前に、複数の方が集まる食品を扱う場として、出来るかぎりの準備をしていくことが責任だと考えます。そこで、今回のプロジェクトに賛同・応募させていただきました。
墨田区で最初のこども食堂としてスタートした「ことといこども食堂」ですが、その後ゆるく連携する形で、さまざまな団体を母体に複数のこども食堂がオープンするまでと至りました。
この数年の「ブーム」で加速的に増加した「こども食堂」は、安全面も含めた「あり方」も徐々に変化していく時期になっていると思います。まだまだ必要としている方がいらっしゃる中、もっと安全に、もっと活動が届くよう、力をお貸し下さい!