「あたいぐゎー農家は、わたしたちの暮らしの原点なんです」
そう語るのは、屋我地島でパイナップル農家を営む藤原さん。
藤原さんとお話すると、名護に関われて良かったと、我々東京メンバーはいつも思います。口を開くと、感謝の言葉。わたしたちのようなヨソモノに対しても否定することなく、快く歓迎してくれて「ありがとう」「助かってます」と声をかけてくれます。
最終日前日の今日は、株式会社わんさかの取締役として深田代表を支える存在でもある、藤原さんの言葉をご紹介します。
「あたいぐゎーという小さな畑は、私たちの暮らしに根付いた原風景。」
80歳になる私の母も玄関前で半畳ほどの畑を2区画 手入れしているのですが、沖縄の健康長寿の秘訣はあたいぐゎーにあるのかなと思うことがあります。気になって雑草をとったり世話をするから、自然と外に出る機会が増えて適度な運動にもつながるし、日光を浴びればビタミンDも体内生成されます。理にかなってるんですよね。
手塩にかけて世話した野菜やくだものも、自分たちだけが食べる以上に育ってくれます。だから、おすそわけしたり直売所に持ち込んで、まわりにも召し上がってもらおうと思うんですよね。
自給自足の生活を支える側面からあたいぐゎーという農耕文化は広がり、地域の産業に発展してきましたが、あたいぐゎー農家にとって畑仕事は単なる生活のためではなく生きがいでもあります。深田代表をはじめ我々わんさか大浦パークは、多くの方に商品を届ける場を提供することにより、やりがいを持っていつまでも元気に活躍していただくお役に立ちたいですし、この風景を存続していくための経済的な支えにもなれたらと思っています。
「子どもたちや深田がどのような未来を描くのか 見てみたい」
代表の深田もそうなのですが、じつは私も名護出身ではないんです。でも、ここが原点だと捉えています。
我々がなぜ名護の集落にいるのか。ここには、自然の豊かさや伝統文化があり、その継承の大切さを日々感じます。そして、それらに取り組むことが、子どもたちや自分たちにとっても、かけがえのない体験価値となっているんです。体験からの学び、ものの考え方、発想が無限に広がる環境がここにはあると、私は思っています。子どもたちがどのような未来を描くのか、本当に楽しみです。
都会はもちろん沖縄県内でもこのような集落は希少で、人として大切なことが学べるこの地域は無くしてはいけない。持続可能な形で存続していくことも わんさかの役割 であると思っています。過疎ですから子どもたちにとっても不便かもしれないけど、きっと、世に出てから名護が原点で良かったなと感じてくれるのではないでしょうか。また、そうしていきたい。
そして、そのためには、代表の深田でしかできないことがあるんです。10の集落の間に入り、声をまとめあげて前に進めるなんて、私にはできないこと。もともとの能力の高さに加えて、真っ直ぐな思いの強さや諦めずやり遂げる気持ち、そして、外部出身の第三者目線と知恵、家族を呼んでマイホームを建てるほどの当事者としての覚悟など、心からすごいと思います。本当によく来てくれたなぁと感謝していますし、彼がやりたいと言うことなら私は応援したいと思っていたので、わんさかの役を引き受けました。
「通信販売事業は、我々あたいぐゎー農家の悲願でした。」
私がやれることは、農家目線で支えること。農家も捨てたもんじゃないよという成果を残して、後継者にも繋げていきたいと思っています。
農家としては、せっかく作った野菜が売れ残ることが一番ガッカリすることなのですが、自信を持って美味しく作っても、直売所だけだと見てくれる母数が少ないから届けきれない。だから、通信販売事業は、我々あたいぐゎー農家の悲願だったのです。都会のかたからすると、すぐできそうに思うかもしれませんが、このような集落では知恵もリソースも足りないのです。今回、わんさか大浦パークのスタッフと東京メンバーが、こうやって協力しあって、数年越しに実現にこぎつけてくれて感謝しています。本当にありがたいですね。株式会社わんさかとして、外部人材との関わり方、新しい働き方にもチャレンジした結果だと思うと、やっぱり深田は頼もしいなと思いました。
ご支援いただき誠にありがとうございます。
わんさかでは、積極的に学生さんの農業体験なども受け入れていますが、支援者のみなさまが足を運んでいただいたときにも、ここでしか得られない体験価値でお返しできるように、スタッフ一同励んでまいります。
残り1日。
いよいよスタートラインに立てます。
最後の最後まで、応援よろしくお願いいたします!!
文責:やぎお選手@わんさか東京