2024/01/08 11:00

牛供養田植えの里~庄原市比和自然科学博物館を尋ねた帰路に、以前から気になっていた高野町中門田の国重要文化財の堀江家住宅に立ち寄りました。なぜ気になっていたかというと、およそ十年前に県境を越えた島根県雲南市吉田町民谷に堀江家住宅があり立ち寄ったことがあり、その折、農作業をされていた夫婦がわざわざ帰って来て下さり見学をさせてもらったことがあったからです。

この時季の高野町は雪で覆われているはずが、今年は暖冬で日陰に残るだけ。看板を頼りに立ち寄ってみると茅葺き屋根の葺き替えが終わったばかりの古民家で、中から26代目当主の堀江さんが出られてお話をさせてもらいました。17世後半に建てられた合掌造りで田の字型の形式に牛が飼われていた「まや」もあり、堀江さんが子どもの頃には牛がいたそうです。教員をされていた父上が敷地内に赤瓦吹きの住宅を新築され住まわれていわようで、昭和45年に重文指定を受けて維持されていると云うこと。土間の中央部には竈(くど)を設置されていて、土の乾燥を待っているところだと。

比婆牛の源流である広島県の北部は出雲、岡山県、鳥取県との交流もあり、農山村でありながら魅力的なところで映画制作には欠かせない民俗的な地域です。また、ドキュメンタリー映画『芸州かやぶき紀行』の制作を手がけた青原さとし監督にとっても興味深いところです。

 まやが残る