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皆様、多くのご支援ありがとうございます。
今回も折り紙作家山本が、『時折2024』に収録されている作品の紹介をしていきます!
【時折2024 作品紹介】では、それぞれの月のテーマとなる12の作品について一つずつご紹介しています。
※作品写真は本番の紙で折る前の「試作」状態のものを含みます。商品に掲載されるものは紙質や色など、より見栄えのする状態になっているかと思いますのでご期待くださいませ。
今回の特集:11月掲載分「リス」
みなさん、折り紙してますか?
この企画も早いもので、今回で7回目となりました。本日も作品紹介をやっていきます。
今回紹介するのは本日出来たての新作「リス」です。
折り紙作品の創作法にはさまざまなスタイルがあります。
例えば先日「コイ」の記事で紹介した今井幸太さんは、PC上で展開図を設計するデジタルなスタイルだそうです。なんと、一枚も紙を折らないまま作品の構造が決まってしまうこともあるそうです。
一方、僕がとっているのはいわば「少しデジタルを取り入れたアナログ手法」といったものです。
まずは手書きでラフに構造のアタリをつけます。
次に実際に紙を折りながら形を決めていき、ある程度固まったところでPCで展開図を書き起こします。
その図をもとに新たな紙で折り直し、展開図をアップデートしながらブラッシュアップを重ねていくやり方です。
リスもこのやり方を採用しました。
これが試作です。最初のアタリ取りが上手くいき、1回でほぼ全体の構造を確定させることができました。
一度行き詰まるとそこから抜け出すのが難しいですが、上手くいくときはすぐに形になるところがこの創作法の良いところです。
ただ、首から肩にかけて骨格的な違和感があるのが気になりました。ここを改善することが最終バージョンに向けての課題になりそうです。
こちらが展開図です。「22.5度系」という、直角の1/4である 22.5度の倍数角しか登場しない構造です。
展開図の作成にはorihimeという折り紙専用のソフトを使っています。描いた展開図が平らに折りたたみ可能かどうかを判定してくれるなど、折り紙作家にとってありがたい機能が満載のソフトです。
展開図をもとに作り直した最終バージョンです。
試作では肩から首のラインが気になるポイントだったので、ここの改善方法を探りながら仕上げ方法を検討しました。
肩甲骨の出っ張りを出すことで背中のラインが違和感なくまとまったのと、全体に施した半開状の折りによってモコモコとした立体感を際立たせることにも成功しました。
秋のカレンダー紙面を可愛く彩ってくれることと思います。ぜひ『時折』にてお楽しみください。
それでは、また次の記事で!
文:山本大雅