皆様、多くのご支援ありがとうございます。
今回も折り紙作家山本が、『時折2024』に収録されている作品の紹介をしていきます!
【時折2024 作品紹介】では、それぞれの月のテーマとなる12の作品について一つずつご紹介しています。
※作品写真は本番の紙で折る前の「試作」状態のものを含みます。商品に掲載されるものは紙質や色など、より見栄えのする状態になっているかと思いますのでご期待くださいませ。
今回の特集:7月掲載分「ペンギン」
本日のテーマは夏にぴったりな清涼感のある作品「ペンギン」です。
『時折』プロジェクト発足以前に創作していたもので、今回正式に日の目を見ることになりました。
創作の経緯
先日、とある理由から難易度の異なる3種の海の生き物を急ピッチで作る必要がありました。
最初に作ったのが「アカムツ(ノドグロ)」です。
ヒレに細かく段折りを加えており、全体としてかなり作り込みの密度が高いです。
特徴である目は紙を八角形につぶすことで表現しています。
次に作ったのが「エビ」です。3枚の紙から頭、脚、体を作って組み合わせた複合作品です。
一般に、複合は一枚折りよりも難易度を下げながらディテールを保持するのにとても有効な手段です。
このエビも見た目のわりに非常に折りやすいものにできました。
さて、これまでの2作品の難易度のバランスから、3つ目に作るものはちょうど中間の難易度にする必要がありました。
このような経緯で最後に作ったのが今回の特集テーマである「ペンギン」です。
すぐにペンギンとわかるような見た目ではあるものの、特定の種類をモチーフとしてはいません。
リアルさよりも折り紙らしさを優先したデザインにしていますが、でっぷりとした特有のたたずまいを表現できました。
無理のない立体化の工程がお気に入りです。
「簡単すぎず難しすぎず」な出力度合いで作っていたおかげで、このペンギンは一度役目を終えた後に『時折2024』収録作として再度抜擢されたわけです。
ぜひ本編でお楽しみください。
それでは、また次回の作品紹介で!
文:山本大雅