自己紹介
初めまして。株式会社TANABE FARMの田邊 真三(たなべ しんぞう)と申します。
私は、広島県の中東部に位置する神石高原町(じんせきこうげんちょう)で、農業を営んでおります。
広島県神石高原町にある、50年続く汚れなき奇跡の有機農場
神石高原町は、標高400~700mの高原地形に位置しており、株式会社TANABE FARMの徒歩圏には電車はもとより、バスの停留所もありません。56年前、そんな手つかずの土地で、父である田邊省三が農業を始めました。省三は、農薬散布により体調不良を発症した経験から、農薬と健康の関連性を研究し、当時としては、新しい考え方であった「有機栽培」にたどり着きました。自然と調和した栽培方法で、消費者に作物を届けたいとの想いは、56年経った今も、当社の経営理念の礎になっております。「有機農業」という言葉すら世に出回らない半世紀以上前から2代に渡り、有機栽培を守り続けている田畑は全国でも珍しく「奇跡の農場」と呼ばれております。
当社の圃場の豊かな生物多様性は、最高ランクのSランクに評価されています(農研機構、2020年8月調査)。
田んぼには、絶滅危惧種の植物(シャジクモ)や、準絶滅危惧種の昆虫(クロゲンゴロウやガムシなど)をはじめ、様々な貴重な生物が数多く共存しています。株式会社TANABE FARMに住んでいる動植物を食べるために、カエルや、渡り鳥、イノシシなど様々な野生動物がやってきて、多種多様な生物界の食物連鎖が繰り広げられています。生物多様性が高い当社の土壌に、研究者等も高い関心を持っています。
右の田んぼは、コンバインで収穫後手つかずのままになっています。一方、左のTANABE FARMの田んぼは、でこぼこしています。これは、イノシシが土の中の餌(昆虫)を求めて掘り起した跡です。隅から隅まで掘り起こされています。有機JASの調査員が、この光景を目の当たりにして、「今までに数多の有機田んぼを調査にきたが、こんなに隙間なくイノシシに掘り起こされた田んぼは初めて見ました。」と驚愕されておりました。「TANABE FARMの田んぼには豊富に餌がある」と、野生動物も分かっているのです。ちなみに、この時期に一度田んぼを耕す必要があるのですが、当社は、イノシシが耕してくれるのでその手間が省けています。一般的に害獣とされる野生動物との共生関係が築けている点は、当社の有機農業の1つの特徴と言えます。
ここまで多種多様な虫や微生物が定着し、野生動物がやってくる圃場にするには、1年や2年、化学農薬などを止めるくらいでは、到底到達できるものではなく、50年という長い長い年月をかけて、土地を守り耕し続けてきた結果といえます。
TANABE FARMでは土作りも自前で行います
TANABE FARMで使用する肥料は、収穫した有機米のもみ殻や、排出された籾殻や鶏糞、落ち葉など、様々な自然由来の材料を混ぜて、完全に発酵させます。この材料の比率によって、土になった際の栄養分が変わりますので、しっかり計算をして分量を調整します。発酵の過程においても、温度や水分量の管理などをこまめに行い、完熟の有機肥料を作ります。こうして有機物を分解し養分たっぷりの肥料にしてくれるのは、土壌に住む有用な微生物のお陰です。ほとんどの有機農家が、肥料等を業者から購入、もしくは勘や慣例にしたがって土づくりをしている中、TANABE FARMは化学的根拠に従って、計算して土づくりをしています。
いわゆる「雑草」と呼ばれている植物も、「害虫」と呼ばれている虫も、「害獣」と呼ばれている野生動物も、この農場では、みんなが活かし合いの中で共存しています。作物も共存者のひとつとして、適度な競争(ストレス)の中で育つため、結果として強く、味の濃い、とびきり美味しい作物に育ちます。自然の仕組みを深く理解し、上手く利用しながら適度な競争環境を作る(守る)こと。「我々の人間社会にも同じようなことが言えるのではないだろうか?」と私は思います。
現在、お米や約30品目の野菜の栽培に加え、養鶏を営んでいます。お米、野菜は全て有機JAS認証を取得しており、【人の口に入るものに妥協しない】という父からの教えをこれからも、しっかりと守っていきたいと思っています。
このプロジェクトで実現したいこと
父子2代にわたり、愚直に56年間、有機農業に向き合ってきました。
おかげさまで、全国各地のお客様から「田邊さんのところの米や卵を食べたら、他のものは食べられない。」、「重度の食物アレルギーなのに、ここの野菜だと症状が出なかった(※個人の感想ですので、全ての方に当てはまるものではありません)」というお声を頂き、何度もリピートして下さるお客様も増えてきました。
しかし、有機農業は手間がかかる割には、価格に転嫁することが難しく、1人でも多くのお客様に喜んでもらいたいという思いから、採算ギリギリで、今日まで続けて参りました。
今回、皆様に応援してもらいたいのは「平飼い(ひらがい)のための鶏舎の改築」です。
この鶏舎の改築費用には約3,000万円がかかる見込みです。2,700万円は何とか各種制度なども活用し、資金繰りの目途がついたのですが、残りの約300万円が不足しております。
ぜひ、【平飼い】実現のためにご支援いただきたくお願い申しあげます。
平飼い(ひらがい)とは、家禽(主に鶏)を、鶏舎内や養鶏場の屋外で地面に放して、自由に運動できるようにした飼い方のことです。欧米では食品の安全性、動物福祉、環境保護の観点からケージ飼いを禁止にしている国も多く、EUでは2012年から従来型ケージでの養鶏が禁止されています。
日本では、採卵鶏は約98%がケージ飼いで飼われており、平飼いはわずか2%となっています。
株式会社TANABE FARMでは、採卵鶏だけでなく、ブロイラー(食肉用鶏)においても、できるだけ多くの時間を自由に動き回れる【平飼い】で育てたいという想いがあります。
唯一無二のニワトリ「広大鶏-ひろだいどり」
実は今回、広島県初の最高品質のニワトリを目指して作られた、唯一無二のニワトリ「広大鶏-ひろだいどり」について、当社で飼育をしても良いという許可を得ることができました(県内3例目)。
「広大鶏-ひろだいどり」は、竹之内惇農学博士(元・広島大学大学院、現・Gallus JAPAN 株式会社 代表取締役)が作出した新たなニワトリです。肉質はコーチン系の特徴をもち、黄色っぽく、臭みがなく、胸肉の旨味が濃いのです。さらに優秀なのが脂質です。脂肪酸組成を調査すると、不飽和脂肪酸が70%以上あり、これは上質な脂肪を持つブランド和牛やイベリコ豚と同等です。リノール酸の割合が20%と多いため、くち溶けが良く、すっきりとした脂なのです。さらにアンセリン・カルノシンなどの機能性成分も多く含み、広島県の皆様だけでなく県外の皆様にも喜んで頂けるのではないかと思います。
ところが、現在の鶏舎は画像のように屋根に穴が空き、雨漏りが発生し、鶏達が安心して過ごせない環境となっております。
穴の開いた鶏舎
出来るだけ早く改築し、鶏達がストレスを感じることのない環境で、卵を産んでもらうようにしたいと思っています。近年ではアニマルウェルフェアという考え方が浸透してきています。アニマルウェルフェアの代表的な飼育方法である「平飼い」は、鶏が自由に動き回れるようにして飼育する方法で、太陽の光と風の入る鶏舎で、地面を足で掘ったり、くちばしでつついたり、止まり木で休息したりして過ごすことが可能となります。全ての鶏が命果てるその時まで、ストレスを最小限に減らし、快適で健康的な飼育(=アニマルウェルフェア)を実現したいと考えております。
現在の準備状況
農業で時間を取られてしまうことが多いため、TANABE FARMの理念や、有機農業、アニマルウェルフェアの精神に共感下さったデザイナーの棚井あすみさんと中小企業診断士の白井有紀さんが、本プロジェクトの運営を手伝って下さり、何とか実現することができました。
リターン品につきましても、日々丹精込めて育てておりますので、少し先にはなりますが、ご到着をお待ちくださいませ。
リターンについて
TANABE FARMが56年間で培った【美味しいが詰まった自信いっぱいのお品】を多数用意させていただきました!
当社が半世紀以上に渡って育んできた有機土壌で育ったお米や卵の濃厚な味をお楽しみください。
当社のお米は、毎年予約のみで完売してしまいまして、通常入手が困難なものです。今回、ご支援いただいた方に感謝の気持ちを何としてもお伝え致したく、ぜひ、当社のお米を召し上がっていただきたいと思いご用意させていただきました。あいにく人数限定とはなりますが、幻の味をぜひご賞味下さいませ。
また、同じ神石高原町にあるナオライ株式会社の浄酎(ジョウチュウ)も飲み比べセットとしてご用意させて頂きました。浄酎(ジョウチュウ)は、職人たちの手で作り出され、選び抜かれた日本酒をさらに浄溜することによって生まれたこれまでにない、全く新しいお酒です。「低温浄溜」という熱を加えない浄溜技術の発明により、日本酒由来の豊かな香りと風味をそのまま凝縮することに成功しました。時間が経つごとに熟成が進み深みを増す『浄酎』は、日本酒、焼酎に次ぐ、第三にして最も贅を尽くした和酒です。そんな浄酎(ジョウチュウ)の原材料が、実はTANABE FARMの有機米なのです。
米の香りを残しつつ40%以上の高いアルコール度数を実現しているのが特徴です。この機会にどうぞご賞味下さいませ。
当社は少人数で農業と真摯に向き合っているため、天候等諸事情により発送などのタイミングが少し前後してしまう可能性がございます。どうぞお許し下さいませ。
有機JAS認定あり/米、カシューナッツ、味噌
有機JAS認定なし/ 鶏肉、マンゴー、卵
スケジュール
6月クラウドファンディング開始
8月クラウドファンディング終了
10月鶏舎改装開始〜12月末完成予定
2025年1月より リターン順次発送
資金の使い道
鶏舎改築費用:約300万円
広報費:約1万円 (名刺や、チラシ作成など)
リターン送料:約5万円
手数料(17%+税):約54万円
※ネクストゴール プロジェクト運営費:30万円
最後に
私は以前より「有機の里」構想という夢を持っております。「有機の里」構想とは、オーガニックを通した壮大で包括的な地域再生事業です。
また、これまでに培ってきた自然のサイクルを活用した土づくりや、栽培方法の技術は、オーガニックを推奨する様々な国から指導依頼が来ており、実際に海外から視察に来たり、近年は主に東南アジアの各国にてノウハウを教える実地指導を行っております。私共のこのような有機栽培を世界へ広めていきたいという理念に共感いただけるオーナー様、企業様からのご協力やお話もお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました!
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るご支援してくださった皆様、ありがとうございました!
2024/09/04 23:55こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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