2023/12/15 01:24

本来であれば順次進捗を報告スべきところだったのですが、全然出来なかったのは色々と発生した問題によるものです。
今後、八咫鴉のさらなる量産、もしくは改良版を作るに際して、反省と備忘録的な形でここに記したいと思います。

問題①:スケジュールの崩れ
最初の問題はショルダーベルトで、起きたのが7月の下旬に入る頃です。
当初ベトナムでショルダーベルト部分を量産しようかと考えていました。
ただ上がったサンプルがどうにも小さく感じたものの、オリジナルを送ってしまい確認出来ず強く指摘できずにいたところ、全部送ったと思っていた予備のオリジナルが出てきて、明らかに小さかったため、オリジナルと同じものを作って欲しいとお願いしました。
しかし製造ラインが埋まっていて、再度オリジナルを送り直して日本に戻して確認の作業がいつ出来るかわからないと言われました。

問題②:製造拒否
これだと中国の量産に間に合わないと思い、ベトナムでのショルダーベルト生産は諦めて引き上げ、中国で八咫鴉の製造と合わせて相談しました。
ただここで当初予定していた中国の大連工場が製造を拒否してきました。
理由は明快で、工程が複雑で面倒くさい八咫鴉を500個作るより、アメリカから万単位の発注が来た普通のカバンを作ったほうが割がよかったようです。
ショルダーベルトの追加生産が、断る良い言い訳にもなったようですが、これで全て仕切り直しになりました。8月の上旬です。

問題③:三カ国貿易
コミケ後くらいに今回八咫鴉を量産してくれた深圳の工場が決まりました。
再度八咫鴉のサンプル作成から始まるのですが、ショルダーベルトの回転接続部品「燕回」は3枚のプラスチックパーツを中空リベットでカシメるという、カバン製造過程にはない機械加工になります。
そのため深圳の工場でプラスチックパーツをポケットに入れた部品を製造してベトナムの工場に送らなければならなかったのですが、ここでもまた問題が発生しました。
発送はFedexを使ったのですが、インボイスの書き方が日本と違った上に、輸送は中国⇔ベトナムなのですが、支払いは日本だったので、これは三カ国貿易に当たるとかで、税関で止まったのです。
サンプル作成の時点だったので手元にあった予備を中国に送って事なきを得ましたが、追加の書類用意したりインボイスを書き直したりと余計な手間がかかり、無事ベトナムの工場に到着したのですが、これが本番の製造だったらヤバいどころではないと思い、「燕回」の製造も一貫して中国で行うことにしました。
この時、ベトナムの工場を手配してくれた機械商社に相談したところ、中国でやってくれる工場はないと言われたのですが、そんなことないだろうと、日本語でコミュニケーションが取れて中国に工場がありスピンカシメ機を置いてあるところをネットで調べて手当たり次第に問い合わせたところ、無事見つかり量産の目処が立ちました。
これが9月の下旬です。

問題④:荷物が届かない
無事八咫鴉のサンプルも出来上がり、「燕回」の製造問題も解決し量産スケジュールが決まりました。この時点では12月の上旬に発送できる予定でした。
ただ「燕回」の製造にはPOM素材のプラスチック部品が必要なのですが、ベトナムはなんの断りもなくABS素材に変更してきたことがあり、怖くなって日本で部品を製造し、国慶節が開けた10月上旬頃に中国に送りました。
ここで最後の問題が発生します。
理由は不明ですが中国の税関でまた止まりました。連絡来たのが10月10日で台湾にファイルボックス製造の視察に行く直前でした。
深圳のカバン工場側が色々と書面用意したり、社長が袖の下持って通関に出向いたのですが、袖の下を取られるだけで終わったと聞きました。
Fedexを使ったので渡航直前に問い合わせても状況を把握できておらず、正直打つ手なしです。
「燕回」が無いとショルダーベルトが取り付けられない上に、工場もかなり詰めた状態で燕回製造のために3日間開けてくれたのですが、それが無駄になったことでスケジュールがまた総崩れになりました。
台湾にいる時点でプラスチックパーツの素材を手配して、戻ってから金・土・日とレーザー加工をやっているところに依頼して、再度3000個用意して月曜日に発送したのですが、この時ばかりは本当に祈りました。
その後無事届き、縫製作業は深圳工場と提携している縫製工場に依頼することで対応できましたが、狂ったスケジュールの調整に手間取り、コンテナ輸送は使えず、Makuake+αの126個分をフェリーでの輸送となりました。
税関で止まった3000個は1ヶ月半後の11月下旬に工場に届きましたが、止まった理由は未だに不明です。

以上が今回起きた問題になります。