帆引き船は霞ヶ浦が生んだ極めて独創的な漁船です。風を巧みに操つることで、船が横向きにもかかわらず、一定の速度で水中の網を引くことが出来ます。実は、水中を引けるという事が帆引き船の優れた能力の一つで、それ故に湖を回遊する「シラウオ」や「ワカサギ」を捕らえることが可能なのです。そしてその能力を生み出しているのが「つり縄」と呼ばれる帆桁(ほげた)と「網(あみ)」を結んでいる「綱(つな)」なのです。この「つり縄」こそ他の漁船には見られない帆引き船最大の特徴であり、帆引き船メカニズムの鍵ともいえるものです。
帆引き船の研究や映像製作に携わって25年。その間に養われた知識と思いを込めて、帆引き船のすべてを世界に向け発信していきます!それが『帆引き船デジタル博物館』の使命なのです。(茨城ビデオパック代表取締役 岩崎真也 記)
現在、帆引き船は観光用として操船していますが、かつては霞ヶ浦の豊かな漁場で漁を行っていました。
温暖化により、霞ヶ浦の水温が上昇傾向にあり漁獲量が減少しつつあります。
霞ヶ浦の漁業の衰退は、霞ヶ浦のシンボルである帆引き船の存続の危機に繋がると考えられます。
「帆引き船デジタル博物館」を通して帆引き船の歴史や文化のみならず霞ヶ浦の今を世に伝えることで、霞ヶ浦の環境にも興味を持って頂き、皆さんと共に霞ヶ浦を盛り上げたいと願っております。
(霞ヶ浦帆引き船・帆引き網漁法保存会 記)
(参考)逆風に向かう霞ヶ浦内水面漁業(引用:CRAFTRIP)
https://craftrip.com/article/kasumigaura-new-future-2
「帆引き船」は霞ヶ浦の象徴であり、周辺の市町村のみならず茨城県民の宝です。しかし意外と帆引き船の歴史や類まれな性能を知る人は少ないのが現状です。この「帆引き船デジタル博物館プロジェクト」は帆引き船のあらゆる情報を系統立てて集約し、その魅力を大人から子供まで楽しく学んでいただく事を目的としています。そして帆引き船を未来に繋げていくための啓蒙活動を最大の理念としています。
帆引き船は「霞ケ浦の帆引き網漁の技術」という名称で平成30年に国選択に選定されました。その選定をきっかけに、帆引き船の周知(PR)と操業技術の継承が喫緊の課題としてクローズアップされてきました。
現在、観光帆引き船を運航する土浦市・行方市・かすみがうら市の三市合同による「霞ケ浦の帆引き網漁総合調査」が令和2年度より実地され、令和5年度中には調査報告書が刊行される予定です。弊社代表の岩崎真也も専門委員の一人として執筆を担当しております。
この調査報告書は専門家による学術的な記述が中心となっているため、より平易で楽しく学べる方法を模索していました。さらに弊社がおよそ25年間に収集した映像や音声を活用する方法を模索していました。又昨年は、かすみがうら市、エム・アール・エス広告調査(株)、弊社による「帆引き船クイズ製作ワークショップ」を実施し、好評を博しました(※)。そのような経緯を経て、今回かすみがうら市との共同企画により「帆引き船デジタル博物館」のHP開設をするに至った次第です。
(※)帆引き船クイズ製作ワークショップで出来上がったクイズはこちらから見られます
https://sites.google.com/gw.mrs-ads.com/kasumigaura-hobikisen
霞ヶ浦帆引き船は、かすみがうら市(旧・霞ヶ浦町)坂に生まれた折本良平氏によって明治13年に考案され、その後多くの漁師たちに操業技術が広められ、昭和42年までの約90年間、霞ヶ浦(西浦)のワカサギ漁の主役として当地の伝統漁法となりました。その後、トロール漁が主流となり、帆引き船は湖面から姿を消しました。観光帆引き船の歴史を記します。
・昭和46年に、この漁法は、霞ヶ浦漁業の歴史上極めて重要な文化遺産として見直され、観光帆引き船として復活しました。
・昭和62年には、郷土資料館が建設され実物の2/3の帆引き船や帆引き網漁の漁具などが常設展示されました。
・平成13年には、「21世紀に残す日本の風景遺産100選」に選ばれ、私たちは保存会を設立し、フォトコンテストの開催と1/40模型工作教室活動は18年間継続しています。
・平成17年に「帆引き船発祥の地」記念碑が建立、平成21年に帆引き網漁法の漁具(20点)を市有形民俗文化財、平成27年に帆引き船操船技術・帆引き網漁法を市無形民俗文化財に指定されました。
・平成28年には、帆引き船展示施設(帆引きの家)が完成、当時活躍していた帆引き船の実物展示。
・平成30年「霞ヶ浦の帆引網漁の技術」が国選択無形民俗文化財として選定を契機に、調査特別委員会が発足、霞ヶ浦の風物詩「霞ヶ浦帆引き船」を後世に伝えるため、県や国の文化財指定を目指しています。
・令和4年、第20回フォトコンテストが開催、土浦市・行方市・かすみがうら市の市長がパネラー出席、シンポジウムが開催、現状と未来への討論が行われました。
①後継者育成部会
熟練者から、漁具の説明・動力操縦・帆柱設置・網や綱の扱い方などの操船技術の後継者育成の指導が行われています。
②記録広報部会
帆引き船フォトコンテストは、平成13年から毎年開催しています。昨年も400点以上の作品応募がありました。優秀作品の写真販売や帆引き船ポストカードを作成し販売しています。
③文化財保全・活用部会
「霞ヶ浦の帆引網漁の技術」が記録作成等の措置を講ずべき無形民俗文化財として選択されました。3市総合調査委員会で調査報告書作成活動中、筑波山地域ジオパーク活動・茨城県文化財指定を目指した調査研究活動などを進めています。
全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した団体、個人に、サントリーさんでは、毎年「サントリー地域文化賞」を贈呈しています。
第43回サントリー地域文化賞にて、「霞ケ浦の帆引船・帆引網漁法の保存活動」が選ばれました。地域が誇る文化「帆引き船」を選んでくださったのは、本当に嬉しい限りです。
(受賞理由)
全国でも稀な景観を作り出している。課題は多い。ひとつは、漁協等が保存会になっているにもかかわらず観光として市から補助、委託を受けており、実際の漁はしていないという点である。もうひとつは今後の技術伝承である。しかしその景観は多くの人に愛されており、地域を活性化していることは間違いない。
◆受賞時のリリースページ
https://www.suntory.co.jp/news/article/13983-2.html#d
◆動画のYouTubeページ
現在、かすみがうら市でアップしている帆引き船HPを残しつつ、博物館の名に相応しい帆引き船の新規HPを「帆引き船デジタル博物館」の名称で作成し、帆引き船のあらゆる情報を発信する。
最新の研究成果を取り入れ、大人から子供まで楽しく学べる動画の充実。(順次製作)
一部コラムを設け、一定間隔で帆引き船の様々なエピソードを発信する。(23年間の記録映像・記録写真・調査資料・インタビュー等など蓄積した材料があるので題材に事欠くことはない)
下記の表記を挿入する。
製作/著作(有)茨城ビデオパック
共同企画 かすみがうら市
全面協力 霞ヶ浦帆引き船・帆引き網漁法保存会
立案協力 エム・アール・エス広告調査(株) ※期限付き
「帆引き船の何がすごいのか」をテーマに大人から子供まで楽しく学べる動画シリーズを「帆引き船デジタル博物館」にて掲載 (立ち上げ時2本、その後順次製作(3年で6本程度)
●110,000円 【20セット限定】帆引き船手作り模型(製造者サイン入り・ガラスケース無し)+ 網大工髙橋吉勝謹製(本物の網を素材にした)帆引き網模型セット
吉謹製帆引き網模型セット網は、かすみがうら市最後の網大工髙橋吉勝さん謹製のオリジナル模型網です。大きさは帆引き船の模型に合わせて製造されています。通常の帆引き網と同じ材料と方法で作り上げた貴重なオリジナル製品です。(限定20セット)
●77,000円 帆引き船フォトコンテスト入賞作品写真(全紙) 写真はフォトコンテスト入賞作品から選んで頂きます。(パネル額縁は別途費用)
・入賞作品一覧ページ
https://www.kasumigaura-kankou.jp/page/dir000671.html
●66,000円 【50セット限定】帆引き船手作り模型(製造者サイン入り・ガラスケースは別途費用)※生産完了次第 注文順にお届けします
●16,500円 DVD作品「霞ヶ浦の帆引き船物語~ふるさとの文化遺産を後世に語り継ぐために~」(30分)非売品(2015年)
製作/著作(有)茨城ビデオパック
帆引き船の歴史やメカニズムを新たな視点で映像化した岩崎真也渾身の作品。ナレーションは「音の匠」に顕彰されたナレーターの中村啓子さん(俳協)が行っている。
●5,500円 水族館・歴史博物館共有利用券 + 帆引き船ポストカード
●3,300円 【40セット限定】かすみがうら帆引き船ペーパークラフト
※ペーパークラフトは現段階で残40セットの貴重品となります。
●2,200円 お礼のメールを送らせて頂きます。
※希望者のみデジタル博物館に名前を掲載致します。
※支援時、希望者の方は必ず備考欄に掲載を希望されるお名前をご記入ください。
・掲載期間 2024年7月~2028年3月
・掲載方法(デジタル博物館にて専用ページを儲け、お名前を一覧で掲載させて頂きます。)
ディレクター費一式:約10万円
原稿執筆費:約20万円
デザイン、下層デザイン費:約20万円
サイト構築費:40万円
映像使用料(写真・イラスト含む):茨城ビデオパック提供
HPの更新とコラム更新(3年間36本~最大72本コラム原稿料):90万円
動画作品製作(3年間6本・1テーマ3分~5分):120万円
帆引き船は霞ヶ浦の宝です。そして私たちの誇りです。
『帆引き船デジタル博物館』は、帆引き船存続を最重要課題と位置付け、霞ヶ浦帆引き船帆引き網漁法保存会の全面的な協力を得て、かすみがうら市と共同で実施されます。博物館の名に相応しく学術的な側面を重視しつつ、あらゆる視点から帆引き船の過去と未来を語っていきます。帆引き船を未来に伝えていきましょう!
ぜひ皆様のご支援をお願いします。
(参考)
帆引き船を、自然と人との共生・調和の目指すべき姿として捉え、脱炭素社会実現に向けた環境のシンボルとして魅力を発信していきたいと考えています。
https://media-foure.jp/column/19784/ (FOUREコラム引用)
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る「帆引き船デジタル博物館」開設へのご支援とご協力への御礼
2024/02/28 16:37本日2月28日が、クラウドファンディング募集の最終日です。およそ50日間にわたり、ご支援とご協力を頂いた皆様に深く感謝申し上げます。クラウドファンディングに挑戦したことで、地域の活性化に貢献したいという共通の価値観を持った多くの方々と親交を深める事ができたのは、大変有意義であったと感じています。しかしクラウドファンディングは一つの通過点にすぎません。これからが本当の意味での勝負です。かすみがうら市、帆引き船保存会と共に、気持ちを新たにして帆引き船の伝承と啓蒙活動に取り組んで参ります。私財を投じても皆様にお約束したプロジェクトを進めていく覚悟はできております。今後とも温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。令和6年2月28日(有)茨城ビデオパック 代表取締役 岩崎真也 もっと見る
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