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〜5年目の進化と深化〜 カカオの違いを愉しむチョコレートの新たな展開

立ち上げから4年、これまで多くの産地からカカオを仕入れ、それぞれの個性を存分に引き出したクラフトチョコレートを製造し皆さまにお届けしてきました。産地や品種によって異なるカカオの香りをより一層愉しんでいただくべく、多様なタイプのチョコレートを製造できる体制を整えていきたいと考えています。

現在の支援総額

521,700

104%

目標金額は500,000円

支援者数

50

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2024/05/16に募集を開始し、 50人の支援により 521,700円の資金を集め、 2024/06/30に募集を終了しました

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〜5年目の進化と深化〜 カカオの違いを愉しむチョコレートの新たな展開

現在の支援総額

521,700

104%達成

終了

目標金額500,000

支援者数50

このプロジェクトは、2024/05/16に募集を開始し、 50人の支援により 521,700円の資金を集め、 2024/06/30に募集を終了しました

立ち上げから4年、これまで多くの産地からカカオを仕入れ、それぞれの個性を存分に引き出したクラフトチョコレートを製造し皆さまにお届けしてきました。産地や品種によって異なるカカオの香りをより一層愉しんでいただくべく、多様なタイプのチョコレートを製造できる体制を整えていきたいと考えています。

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昨日6/30(日)をもちまして、今回のプロジェクト「〜5年目の進化と深化〜 カカオの違いを愉しむチョコレートの新たな展開」が募集終了となりました。皆さまのご支援と拡散のおかげで、ご支援総額は521,700円まで伸び、見事目標金額を達成することができました!多大なるご協力に改めて感謝いたします。これからリターンお届けの準備を進めていき、7月お届けをお選びいただいた方から順次お送りしていきます。10月お届けをお選びいただいた方は暫く先になりますが、どうぞ楽しみにお待ちください。今回のクラウドファンディングを経て新たなタイプのチョコレートを製造していく体制を整え、これまでよりも多様な形でカカオの魅力をお届けしていくことを目指していきます。2024年下半期、5年目を迎えた 2U chocolate の展開をどうぞお楽しみに!


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クラウドファンディング開始から1ヶ月が経過し、募集期間は残すところ5日間となりました。皆さまのご協力のおかげで少しずつ進捗を重ね、ご支援金額は目標の70%まで進捗しております。残りわずかの期間ですがラストスパートでできる限り伸ばしていきたいと思っておりますので、最後までご支援、拡散にご協力いただけますと幸いです!さて今回の活動報告ですが、これまで「Smooth」開発時のこぼれ話を商品設計の軸で書いてきましたが、今回は少し趣を変えて「ペアリング」の観点で「Smooth」の魅力を書いていきたいと思います。「Smooth」から生まれるペアリングの可能性の広がり「Smooth」の開発では、カカオそのものの芳しいフレーバーを新たな形で愉しんでいただくべく、シンプルな Bean to Bar チョコレートの「フレーバーリリースを変えること」と「テクスチャを柔らかくすること」を目指していましたが、これは単体で味わう場合だけでなく、ペアリングの場面においても新たな可能性を広げることにつながっています。というのも、飲み物と Bean to Bar チョコレートとのペアリングでは、飲み物=水分がチョコレートのフレーバーと混じり合うことになるため、チョコレート中の水溶性香気成分がポイントになってくることが多々あるからです。プロジェクト本文や活動報告でも度々触れている通り、水溶性香気成分由来のフレーバーは「チョコレートを口の中でゆっくり溶かしながら唾液と混ぜ合わせる」ことで感じられるようになるため、速い咀嚼ですぐに嚥下してしまうと感じにくいという難しさがあります。唾液と混じり合うことで水溶性香気成分由来のフレーバーが感じられるようになるこの点、「Smooth」では水分の追加により水溶性香気成分由来のフレーバーが最初から感じられやすくなっていることに加えて、油脂組成の調整により柔らかくなめらかなテクスチャになっていることでフレーバーが口中全体に広がりやすくなっています。そのため、その後に味わう飲み物のフレーバーと混じり合いやすくなっており、シンプルな Bean to Bar チョコレートとはまた違ったペアリングが愉しめるというわけです。ペアリングに対する 2U chocolate のスタンスについてここで、ペアリング例に進む前にペアリングに対する 2U chocolate のスタンスについて触れておきたいと思います。Bean to Bar チョコレートは単体でフレーバーを愉しむだけでなく、飲み物と合わせてペアリングを愉しむこともできます。2U chocolate は取り扱いカカオ産地の豊富さから多様なフレーバーの Bean to Bar チョコレートを有していますので、コーヒーや紅茶、ワインやウイスキーなど、お客さまからの様々なペアリングのご相談に対してチョコレートのご提案を行なってきました。基本的には「ペアリングには色々な考え方があり正解はない」という考えであり、そして何よりチョコレートは嗜好品なので「自分の『おいしい』を大切にする」ことが最も重要であると考えています。こちらからのご提案はあくまでもお客さまの引き出しを増やすためのものであり、様々な可能性や選択肢の中からお好みのものを探す過程も愉しんでもらいたいというスタンスでお話をしています。上記スタンスの基に以下にペアリングの例を挙げますので、皆さまそれぞれのお好みに照らしてイメージを膨らませながらご覧いただければと思います。ホットコーヒーとのペアリングシンプルに合わせやすく、気軽に試しやすいというところで、まずはホットコーヒーとのペアリングの魅力をご紹介します。そもそもコーヒーと Bean to Bar チョコレートはフレーバーの質感の近さ、苦味のバランスなどから合わせやすい組み合わせですが、「Smooth」では特にホットコーヒーとのペアリングで香りの広がりが大きく変わります。これは"ホット"コーヒーで口腔内が温められることによって「Smooth」を口に入れた時の口溶けやフレーバーリリースが変わることによるもので、それに加えてコーヒーの苦味やフレーバーと合わさることでフレーバー全体のイメージも変化します。「Smooth」は冷蔵庫から取り出してすぐの冷えた状態(5~10℃程度)と少し置いて室温に戻した状態(15~25℃)という、シンプルな Bean to Bar チョコレートでは差があまり出ない温度変化でテクスチャやフレーバーリリースが変化するため、ホットコーヒーで口腔内が温められることによる影響が大きく、ペアリングによる香りの変化を感じやすいというわけですね。このように温度をポイントにしつつ、コーヒーのフレーバーの違いによる変化もお愉しみいただければと思います。※コーヒーが苦手な方は、ほうじ茶とのペアリングもオススメです。 同じように温度をポイントにするなら、ほうじ茶もぜひホットでペアリングさせてみてください。ワインとのペアリング「Smooth」は様々なアルコールとのペアリングにも可能性が広がっていますが、ワインとのペアリングにも大きな魅力があります。ワインの種類としては、「Smooth」がしっかりとしたフレーバーを持っているので、ミドルボディ〜フルボディの赤ワインがオススメです。ワインとのペアリングには、「舌で感じる『味』がフレーバーを相互に引き立て合う」というおもしろさがあります。《ワインの渋味 × 甘い味を持つ「Smooth」の香り》、逆に《「Smooth」の甘味 × 渋味を持つワインの香り》という風に、舌で感じる味が変わることで香りの感じ方に違いが現れる場合があるのです。(※渋味は厳密には味ではなく物理刺激ですが、分かりやすくするために味としています)また、赤ワインは冷やしすぎない温度で飲むので口腔内が冷えることなく、「Smooth」のフレーバーの広がりが温度の観点で言えば単体で食べる時と変わらないというのもポイントですね。冬場にはグリューワインと合わせて温度に変化をつけると、また違ったフレーバーのイメージが生まれるかもしれません。◇◇◇今回は「Smooth」について、ペアリングの魅力をお届けしました。シンプルな Bean to Bar チョコレートでのペアリングも魅力がありますが、「Smooth」でのペアリングを色々と試していると、テクスチャやフレーバーリリースが変わるとこんなにもイメージが変わるものかという驚きがあります。先に記した通り 2U chocolate としては「自分の『おいしい』を大切にしてほしい」そして「お好みのものを探す過程も愉しんでもらいたい」というスタンスなので、上記のペアリング例もご参考にしていただきながら、ぜひお好みの組み合わせを探求してみてください。本プロジェクトの募集期間は残り5日間と本当にラストスパートの段階ですが、最後もう一押しプロジェクトの拡散にご協力いただけますと幸いです!https://camp-fire.jp/projects/view/716738


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クラウドファンディング開始から4週間が経過し、残り2週間を切りました。皆さまのご支援と拡散のおかげで、進捗は50%を超えています!プロジェクトの完遂に向けて、あともうしばらくお付き合いいただけますと幸いです。 さて今回の活動報告も前回に引き続き「Smooth」開発時のこぼれ話です。今回は「Smooth」のレシピ構築の全体像について、生地作りの観点からお話したいと思います。 フレーバー面とテクスチャ面のバランス「Smooth」の開発では、カカオそのものの芳しいフレーバーを新たな形で愉しんでいただくべく、シンプルな Bean to Bar チョコレートの「フレーバーリリースを変えること」と「テクスチャを柔らかくすること」を目指していました。そしてそのための方法として「水分を含ませること」と「油脂の組成を変えること」を主な技術的アプローチとして採用し、前々回の活動報告では「油脂の組成」について深堀りしていきました。活動報告:「Smooth」の開発小話①|油脂の配合編この「油脂の組成を変えること」は「テクスチャを柔らかくすること」につながるアプローチで、一方の「水分を含ませること」は前回の活動報告に記した通り「水溶性香気成分の広がりを良くする」ためのアプローチであり、それぞれ主な目的が異なっています。しかしながら、「油脂の組成を変える=バターや米油を加える」ことはテクスチャだけでなくフレーバーにも影響を及ぼしますし、逆にフレーバーリリースを変えるために「水分を含ませる」ことはテクスチャにも影響を及ぼします。原材料それぞれにフレーバーへの寄与度とテクスチャへの寄与度が異なっているこのように複雑な要因が絡み合うものを作っていくには、まずは上図のようにそれぞれの原材料が持つ役割を明確にしたうえで、それぞれの原材料を組み合わせた時、そしてその配合割合を変えた時にどのような変化が起きるのかを理論と現象の両面で大まかに掴んでおくことが重要です。具体的には、まずは配合割合を大きく変えたレシピで8パターンほど作り、それぞれのレシピにおける理論的な予想と実際の仕上がりを比較してそのギャップを確認するとともに、それぞれのレシピ同士を比較することで配合割合を変えた時の仕上がりの変化についても大まかな傾向を掴んでいきました。試作検討の流れのイメージ図代表となるレシピをいくつか作ることで無数のレシピの大まかな傾向を掴み、それを基に細部を詰めていく最終的には細かい部分を詰めていくために多くの試作を実施する必要はありますが、最初から全ての可能性を細かく試していくといくら時間があっても足りなくなってしまうため、仮のレシピで大まかにあたりを付けることから始めることで効率化を図ったわけです。それでも実際には半年以上の試作期間を要したわけで、原材料が増えて要素が複雑になるほどチョコレートとしてのバリエーションは多様になる一方で、求めるフレーバーやテクスチャに近づけていくための検討には多大な時間がかかるということを改めて実感した開発プロセスとなりました。混ぜ合わせる順番と温度の重要性上記のような流れで「Smooth」のレシピを決めていったわけですが、実は原材料の配合割合だけでなく、それぞれの原材料を混ぜ合わせる順番と温度も重要なのです。特に今回はチョコレートを含む油脂相と水分とを乳化させてガナッシュ状の生地にしていますので、混ぜ合わせる順番と温度が違えば乳化状態が変わり、その結果最終的なフレーバーやテクスチャも変わってしまいます。例えば油脂相と水分を乳化させる順番として、「砂糖を水分に溶解させてから油脂相と混ぜて乳化させる」のか、それとも「油脂相と水分を乳化させてから砂糖を分散させる」のか、この違いで生地中の砂糖の存在位置が変わるため仕上がりは変わってきますし、小麦粉を入れるタイミングによっても構造の出来方が変わるので仕上がりは変わります。また、均質な生地を作るためにはチョコレートを含む油脂相が溶けた状態を維持しながら水分と乳化させたり小麦粉を加えたりする必要があるため、生地を作り始めてから型に流し込んで焼成を始める前までの温度管理も重要になってきます。このように原材料の配合割合だけでなく、混ぜ合わせる順番や温度も条件検討を行う必要があったため多くの時間を要してしまいましたが、今後の商品開発に活かせそうな知見もたくさん蓄積できましたので、意味のある試行錯誤だったかなと感じています。 ◇◇◇今回は「Smooth」開発時のこぼれ話、生地作り編をお届けしました。原材料を増やす毎に配合割合のパターンが指数関数的に増え、そこに混ぜ合わせる順番や温度の要素も関わってきて仕上がりが変わっていくため、レシピ設計と試作検討に膨大な時間をかけた「Smooth」。それだけ Bean to Bar チョコレートの、カカオの新たな可能性を感じた開発でしたし、この魅力をとことん追究して皆さまにお届けしたいという想いで試作に取り組んできました。モノ自体が仕上がって販売され始めると、その開発過程の話をそこまで詳しく記す機会も無くなってくるかと思いますので、クラウドファンディングの期間中にご紹介して何かしら「なるほど」と思ってもらえると良いかなと思っています。募集期間は残り2週間弱とわずかになってきましたが、引き続きプロジェクトの拡散にご協力いただけますと幸いです!https://camp-fire.jp/projects/view/716738


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クラウドファンディング開始から間もなく3週間、皆さまのご協力のおかげで日々少しずつご支援、拡散をいただけており、ご支援金額は目標に対して1/3まで進捗しております。募集期間は残り約3週間、少しずつ着実に広めていければと思っておりますので引き続きよろしくお願いいたします。さて今回の活動報告は前回に引き続き「Smooth」開発時のこぼれ話を書いていきたいと思います。今回は「Smooth」のレシピ構築の際にどのような観点でカカオ(Bean to Bar チョコレート)を選択していったかについて見ていきます。「Smooth」の形で際立つフレーバーの探求「Smooth」の開発では Bean to Bar チョコレートに他の原料を加えてレシピを作り上げていきましたが、フレーバーの中心となるのはあくまでもカカオで、カカオそのものの芳しいフレーバーを新たな形で愉しんでいただくことが開発の目的でした。2U chocolate では多産地のカカオそれぞれの個性を活かした Bean to Bar チョコレートを製造していますが、2024年5月現在、15産地のカカオを用いて10種類の Bean to Bar チョコレートを製造販売しており、そのそれぞれのチョコレートに特徴的なフレーバーがあるため、どのカカオ(どの Bean to Bar チョコレート)を「Smooth」の原料として用いるかには多くの選択肢がありました。現在15産地のカカオを取り扱い10種類の Bean to Bar チョコレートを製造していますいずれの Bean to Bar チョコレートも「カカオそのもののフレーバーを最大限に引き出す」ことを目指してチョコレートに仕上げていますが、プロジェクト本文にも記載の通り、カカオによっては他の原料と組み合わせてチョコレートにすることでフレーバーの感じ方が変わったり、香りが広がりやすくなったり、新たなカカオの魅力が出てくる場合もあります。そこで「Smooth」の開発ではテクスチャや全体のフレーバーを基にしたレシピ設計を進めていくことと並行して、「「Smooth」の形にすることで新たな表情を見せるカカオはどれなのか」「それぞれの Bean to Bar チョコレートが「Smooth」の形になることでフレーバーがどのように変化するのか」という観点での試作も進めていきました。全体の配合を検討しながら、Bean to Bar チョコレートの選択も進めていきましたその試作の中で特にポイントにしていたのが「水溶性香気成分」のフレーバーリリースです。香気成分の種類とフレーバーリリースの時間軸プロジェクト本文にも記載の通り、チョコレートは口中で咀嚼され唾液と混じり合うことで状態が変化し、それに伴って放出される香気成分が変わっていきます。チョコレートと唾液が混じり合い、放出される香気成分が変化このように「いつ」「どのような」フレーバーが出てくるかを「フレーバーリリース」と呼ぶわけですが、上記のようにシンプルなチョコレートの状態が口中で変化していく時間を横軸に取ると、このフレーバーリリースのイメージはざっくりと以下のようになります。大まかに言えば「脂溶性香気成分」によるフレーバーが先に(チョコレートが溶ける前から溶け始めに)感じられ、「水溶性香気成分」によるフレーバーは後の方に(チョコレートが溶けて唾液と十分に混じり合ってから)感じられるようになります。このように「水溶性香気成分」によるフレーバーはチョコレートを口の中で溶かしながらじっくり味わっているとジワジワ感じられるようになってくることが多いため、速い咀嚼ですぐに嚥下するような食べ方の場合には感じにくいこともあります。咀嚼のされ具合や唾液との混じり合い方も考えたこだわりのひと口サイズの形でも、場合によっては表現しきれないフレーバーも存在しますそこで全体のレシピ構築としてはこの「口中でじっくり味わっているとジワジワ感じられるようになるフレーバー」をより分かりやすく感じてもらえるように、というところを目指して検討し、加えてカカオの選択の観点でも、上記のようなフレーバーが特徴的なものをピックアップし、優先的に試作を進めていきました。最終的な仕上がりとしては、水分を加えることで水溶性香気成分の広がりを早くし、かつテクスチャを柔らかくなめらかにすることで口中にスムースに広がっていく、というようなフレーバーリリースのイメージになっています。このイメージはなかなか文章では伝えきれないので、ぜひ実際に食してみてご感想をいただければと思います。「Smooth」のバリエーション優先度に差はあれど、実際のところは「それぞれの Bean to Bar チョコレートが「Smooth」の形になることでフレーバーがどのように変化するのか」という観点でのデータ蓄積のために 2U chocolate で通常製造されている Bean to Bar チョコレート10種類すべてで試作を実施しており、その意味では「Smooth」のバリエーションは既に多く存在しています。しかしながら先述の通り「「Smooth」の形にすることで新たな表情を見せるカカオはどれなのか」という点を重要視し、まずは軸となる一つを作り上げようということでメインとなる1種類を選択するに至りました。今回のクラウドファンディングのリターンではその1種類をお届けすることになりますが、「Smooth 2種セット」のみメインとなる1種類に加えてもう1種類を特別に作ってお届けします。「Smooth 2種セット」はカカオの種類を変えた2本をお届けします今後、オンラインショップ等で通常販売するようになった際には今のところメインの1種類で進めようと考えていますが、先述の通り「Smooth」のレシピには既に多数の試作を基にしたバリエーションが存在していますので、状況を見ながらさらに試作を重ね、複数のバリエーションをお届けしていく可能性も無くはありません。あくまでもカカオのフレーバーを軸とし「「Smooth」の形にすることで新たな表情を見せる」という観点を重要視して開発していきますが、カカオの香気成分は数百種類とも数千種類とも言われており、フレーバーのバリエーションはそれこそ無数に存在します。2U chocolate がフレーバー評価に採用している「IICCT Flavor Profile Map」。大きくまとめてもこれだけ多くのフレーバーが存在しています そのため、チョコレートにおけるフレーバーの出し方はまだまだ様々な可能性がありますし、シンプルなレシピを追究しつつ原料や加工の仕方を変えることでカカオの可能性をさらに深堀りしていけるとも考えています。今後も「Smooth」のレシピだけに限らず、柔軟な発想と確かな技術で、カカオの香りの新たな愉しみ方を探し続けていきたいと思います。◇◇◇今回は「Smooth」開発時のこぼれ話、特にフレーバーを軸にしたカカオの選択にフォーカスした話をお届けしました。開発の開始時に大きな方針を決めてはいるものの、実際は試作を重ねる過程で新たな考えが出てきては方向性を調整して…ということを繰り返していますので、後になってまとめるとどうしても一貫した文章にするのが難しいですが、カカオの選択のポイントが何となくでも伝わっていれば幸いです。クラウドファンディング期間中に、開発の過程も含めて少しでも多くの方に新たな取り組みを知っていただきたいと考えていますので、引き続きプロジェクトの拡散にご協力いただけますと幸いです!https://camp-fire.jp/projects/view/716738


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クラウドファンディング開始から1週間、皆さまの温かなご支援に改めて感謝いたします。過去クラウドファンディングの活動報告ではプロジェクトの進捗状況やリターンの製造状況等を主に書いてきたのですが、今回は新たなタイプのチョコレートが完成したタイミングでもありますので、プロジェクトページ本文には書ききれなかった「Smooth」開発時のこぼれ話も書いていこうと思います。レシピを組んでいく中で数々の試行錯誤があったわけですが、その中でも今回は「油脂」に着目して細かいところを掘り下げていきますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。チョコレートのテクスチャに大きく影響する「油脂」「Smooth」の開発では、カカオそのものの芳しいフレーバーを新たな形で愉しんでいただくべく、シンプルな Bean to Bar チョコレートの「フレーバーリリースを変えること」と「テクスチャを柔らかくすること」を目指していました。そしてそのための方法として「水分を含ませること」と「油脂の組成を変えること」を主な技術的アプローチとして採用し、最終的な商品形態である"ケーキタイプのチョコレートバー"に仕上げていきました。その中で今回の記事では「油脂の組成を変えることによるテクスチャへの影響」について深堀りしていきますが、なぜ油脂がチョコレートのテクスチャにとって重要かというと、プロジェクトページ本文や他の 2U chocolate のコンテンツでも度々触れている通り、一般的なダークチョコレートをミクロな視点で見てみると、ココアバター(油脂)中にカカオマスと砂糖の粒子が分散した構造をしているからです。チョコレートの微細構造モデルこのモデル図のように、ココアバター(油脂)の結晶がチョコレート全体を固化させていますので、20℃程度の室温で固まっている状態の硬さも、口の中に入れて32〜33℃で融解する「口溶け」の具合も、どちらも油脂次第で変わります。これはつまり、ココアバターに他の油脂を加えて硬さや固まり方を変えることでテクスチャを変化させられるということであり、技術的アプローチとして油脂の配合を適切に調整することで求めるテクスチャを作り出せるということです。「Smooth」の検討段階では目指すテクスチャを「冷蔵保存時でもナイフで切れる硬さで、なおかつ室温付近では柔らかくなめらかな口当たり」と設定しましたが、この状態を油脂の固化状態で表すと「一部は液状で一部は固まっている」ようなイメージになります。(※「Smooth」の場合は水分を含ませることでもテクスチャを大きく変化させていますが、話を単純にするために今回は油脂単体にフォーカスして説明していきます)ある温度における油脂結晶の割合が重要「一部は液状で一部は固まっている」というのは例えばバターをイメージしてもらうとわかりやすいのですが、冷蔵保存で10℃程度になっているバターは、冷蔵庫から取り出してすぐでもナイフでムニッと押し切ることができます。これは実はバターは10℃程度に冷えた状態でも油脂が固化しているのは40%程度で、残りの60%程度は液状で存在しているためです。この「ある温度において油脂がどの程度結晶化しているか」(専門的には"SFC"(Solid Fat Content=固体脂含量)と呼ばれます)というのがチョコレートのテクスチャに大きく関与していて、それぞれの温度におけるSFCをプロットしてグラフ化したものが硬さや口溶けの指標に使われます。油脂を多く含む食品のテクスチャのイメージ。10℃付近ではココアバター(チョコレート)はほとんど固化しているのに対し、バターは40%程度しか固化していない。上図の通り、ココアバターは25℃程度の温度までほとんど固化した状態であるため室温では硬くパキッと割れるようなテクスチャを示しますが、バターは低温でも液状の部分が多いためムニッと柔らかなテクスチャとなるわけです。ココアバター/バター/米油の配合バランスで絶妙なテクスチャを追究「Smooth」は Bean to Bar チョコレートをベースに作っていますが、上述のようなアプローチでテクスチャを変えるために、元々含まれているココアバターに加えて「バター」と「米油」を油脂として配合しています。室温でしっかり固化しているように見えて、実は液状の部分が多く柔らかなテクスチャになっています室温付近でほぼ完全に固化するココアバターと、わずかに固化して柔らかなテクスチャを示すバターと、完全な液状油である米油、物性が異なるこれら3種類の油脂を用い、配合バランスを適切に調整することで柔らかくなめらかなテクスチャを実現することができています。この油脂の配合を決める過程ではもちろんフレーバー面も考慮する必要があり、加えて複数の油脂を混合して固める場合、単純な平均値のSFCにならない場合もあること、さらに水分を含ませて焼成後に固化させること等、テクスチャの決定には様々な要因が複雑に絡み合うため、使用する油脂の種類やその配合比を少しずつ変えながら試行錯誤を繰り返しました。結果的に時間はかかってしまいましたが、開発のプロセスで様々な知見を蓄積することもでき、今後別の商品を開発する際にも活かせる技術が培われたかなと思います。◇◇◇今回は「Smooth」開発時のこぼれ話、特に油脂にフォーカスした話をお届けしました。書き出すといくらでも細かな技術的な話になってしまいますが、チョコレート製造は科学ですので、その雰囲気を少しでも感じていただければと思っています。クラウドファンディングは始まったばかりですが、少しでも多くの方に知っていただきたいと考えていますので、引き続きプロジェクトの拡散にご協力いただけますと幸いです!https://camp-fire.jp/projects/view/716738