2018/05/29 23:18

カンヌ3日目

 

3日目は前日に引き続き、Cinéfondation Selectionの回に赴きましたが、その日はいくつか面白いアニメーション作品はあったものの、残念ながら前日ほどの面白い作品はありませんでした。

昼くらいまで、俳優の河合さんと街中を散歩しました。カンヌ会場の各国のパビリオンの裏にはビーチなどもあり喧騒やまない映画祭のなかゆったりできます。



そこにあった出店で自分と河合さんはパニーニにというイタリア式サンドイッチを食べました。午後の日差しは刺すような日差しでしたが、心地の良い午後の昼下がりでした。

午後からはhelping hand worksopに参加。その中の「shot to feature(短編から長編)」という議題のワークショップに参加しました。講師はフランスの映画会社のプロデューサーでした。今回のワークショップは予約制で僕のテーブルには他に台湾人とギリシア人の女性監督がいました。台湾の監督は、すでに長編の本を書いており、今回のショートフィルムコーナーはその短編を上映し、プレスキットなども用意して現地のマーケティングブースでミーティングを行っているようでした。話としては、長編を作る際にはやはり企画書でストーリーの内容が簡潔にまとめられていることと自分の映画に会った企画を受け入れてくれる会社やスポンサーをターゲットを絞り込んで探すこと、またプロジェクトに適任でコミュニケーションのきちんととれ最後まで寄り添ってくれるプロデューサーを見つけることが大事だと話していました。特に自主の場合は監督とプロデューサーは予算や人数の関係で1人で兼任することが普通のように思いましたが、監督はやはり演出と脚本に集中すべきで役割はきちんと分けることが重要とのことでした。また当たり前ですが予算を考えた上で企画書を練ることが大事です。特に最初の長編においては、監督が過去に成功例や経験が少ないとなると出資側も資金を提供しづらくなります。そのためあまり予算が膨らみ過ぎないように現実的なラインで、処女作としてまず小さな成功例を作り、その上である程度大規模な予算を含めた長編やとりたい作品をタイミングを見据えて出していく戦略に関しても話しておりました。また長編の場合は特にその企画に何年も関わることになるので当然ながら自分のパッションの持ち続けられる作品に取り組むことです。このように映画祭の中で単に上映してセレモニーや授賞式をやるだけでなく、まだ下のほうにいる後世を将来のレッドカーペット候補の人材として見てきちんと育てていく無償の教育を提供しているのをみると流石カンヌなだなと感じました。

その後は、映画配給に関するトークに途中参加。vimeoやyoutubeで映画を無料配信することは良いのか悪いのかがなどが議題でした。基本的には映画祭などではコンテンツを外で配信しないようにしているルールを設けえいるとこも多いですが、YouTube、vimeoには、配給にかからないかなり高品質な映画も数多くあります。

実際にプロデューサーやバイヤーや映画祭のプログラマーも見ていたりするのでむしろのせておいたほうがチャンスが広がるのではという意見もあります。このトークは途中で抜けて、明日の上映に向けて河合さんとマーケットブースで自分の映画のポストカードを置きに回ったりしました。

そしてまたハッピーアワーになるころに、会場に戻りました。翌日に上映を控えていたこともあり、持参していたDVD70枚とポストカードを置けるとこすべてにおきました。なお気合をいれて作ったポスターは規約が昔と変わったらしく、残念ながらどこにも貼れませんでした。

その日は5分のホラー映画を撮影したスイス人の監督やトルコ人の監督と知り合いになりました。その日は他にもいろんな人に話しかけました。こういう場でポストカードを渡すと、たいていの人はみな見に行くよと いうのですが、ほとんどの人は自身の作品の売込みが中心で他人の作品を見に行こうとしないのが実情でもあります。実際に忙しくていけないというのもあるのですが、そのあたり話したら来てくれる日本人の律儀さには頭が下がるなと思ってしまいます。その日の夜はスターウォーズのハンソロのプレミアで外から覗きました。タキシード姿の男性や派手なドレスをまとった女性が奥の方にぞろぞろと並んでいるのが見えました。とある話によるとレッドカーペットにいる仮装したストームトルーパーは、中身は警官で階段上からテロ防止の護衛として立っているそうです。たしかに周りを見渡すと、ライフル銃を持った警官がごろごろいてここは戦地かと思うほどの厳戒態勢でした。実際に毎回会場に出入りするたびに飛行機のチェックインのような身体・荷物チェックをされました。緊迫はしていましたが、外からプレミア自体はなかなか圧巻でした。レッドカーペットの上では監督も俳優もそこを歩く一般の人やまだ駆け出しの映画人も皆、対等になる瞬間だと聞きました。カンヌ映画祭側も今は有名でなくても何年か後に有名になって同じ立場として戻ってくることを期待しているのだとか。そこがこの映画祭がベニスやベルリンにも勝る地位を保っている理由の一つでもあるようです。

夕食は現地で知り合った末長監督とケバブをたべました。とてつもないプレートサイズでしたが、なんとか完食しました。氏は、梶岡監督とも知り合いだそうで映画の世界はやはり国境を越えても狭いなと実感。インディーで数々の映画祭に毎年出しているそうで、事実は小説より奇ではないですが映画以上にストーリーのあるものすごいパワフルな監督です。

 

その夜は電車でゆっくりと帰途に就きホテルに戻り、またブレンダンとで夜中まで語らってたように思います。というか興奮状態で寝れなかったかと。


最後に次回作に関してですが、来月過ぎから企画書を本格的に練っていきます。一つ頭にあるのは以前書いた長編を短編にするもの。もう一つは、今回のパーソナルなものとは別の短編です。まだ掘り下げていく最中なので具体的なことはこれからですが、ちょっとずつですが前進をしていきますので最後まで応援お願いします。