海外のプロジェクトオーナーの製品に対する考え方や想いを紹介するシリーズ「プロジェクトの火力」
今回は、写真の新しい表現形式を模索する「NONS Camera」のプロジェクトにスポットを当てます。オーナーさんの製品に対する深い情熱とその背後にある哲学を、全5回の記事にわたって詳しく迫ります!
※一部専門的な単語もございますので、ご了承くださいませ。
Q: NONSカメラプロジェクトはどのようにして始まったのですか?
A: 実は、始まりは非常にシンプルな欲求からでした。「M42レンズとマニュアルフォーカスを備えたインスタントカメラ」が欲しいと思ったんです。ただそれだけのことから、長い道のりを歩み始めました。
Q: プロジェクトを進める中で、どのような技術的な課題に直面しましたか?
A: 一番の課題は、正確なフォーカスを得るための最適な構造を見つけることでした。私たちは一眼レフの構造が最適だと考えましたが、レフレックス構造の問題に直面しました。特に、古典的な一眼レフで使われている45度反転式のレフレックスミラーは、instax miniフィルムの光路を遮ってしまうため、新たなレフ構造の設計が必要でした。
Q: 最初のモデルのNONS Cameraを販売した時、お客様からはどのような声がございましたか?
A: M42マウントの代わりにEFマウントを望む声が多かったです。EFマウントはフランジ距離が短く、既存のメカニカルアダプターが多いため、より高い互換性を持つと考えられています。そのため、SL42をレンズ交換式カメラとして、EFマウントへの変更にも取り組みました。
Q: アナログな要素が目立つNONS Cameraですが、現代の技術を取り入れた点はありますか?
A: 現代の環境光センサーの精度と小型化を利用して、絞り計算をカメラ本体に任せるようにしました。これは、クラシックなフィルムカメラを使用する際に追加のライトメーターが必要だった点を改善するものです。
Q: ケラレの問題にどのように対応しましたか?
A: ケラレに関する多くのフィードバックを受け、SL42の生産終了と同時に、光学的な解決策を探し始めました。その結果、Instaxスクエアフィルム専用のNONS SL660や、SL660とSL42の利点を組み合わせてケラレを最小限に抑えたNONS SL645の開発に至りました。
いかがだったでしょうか?
「NONS Camera」プロジェクトの火力、第1回目を記念して、NONS Cameraの始まりと技術的に課題だった点を伺いました。
次回の特集では、NONS Cameraのチームと資金集めにスポットを当てて、皆様に新たな発見をお届けします。
次回もどうぞお楽しみに!