今回は、少し難しいお話を。ファイナンスです。
DCF(ディスカウントキャッシュフロー)とは、キャッシュフローの現在の価値を算出する方法です。
例えば、住宅で説明すると
DCF法では、「住宅を所有すること」と「住宅が、将来、生み出すキャッシュフローを所有すること」はイコールと考えます。
さらに、「住宅が、将来、生み出すキャッシュフローを所有すること」と「そのキャッシュフローの現在価値相当分の現金を、今日所有すること」もイコールであると考えます。
キャッシュフローというのは、住宅でいえば、「賃貸収入ー維持経費」となります。
例えば、年間の賃貸収入が350万円で維持経費が50万円とし、リスクを割引率として5%、10年後までを見越した場合の現在の金銭的価値は、約2,316万円くらいになるはずです。
さて、本題ですが、住宅を「地域のコミュニティー」に置き換えて考えて見て欲しいのです。
年間の会費収入が150万円で維持経費が50万円で、長年存続できるだけの強い絆を持つコミュニティーを想定してみてください。
計算すると、向こう10年間、コミュニティーが存続するのであれば、ざっと700万弱の金銭的価値があるはずです。
DCF法では、そのコミュニティーが、将来10年間で生み出す1,000万円を今日、所有することをイコールと考えるわけです。
資金調達をして、先に700万円を手に入れて、先行投資をしてから回収フェイズに入るのが、民間の発想。
毎年100万円の会費収入の中で、なんとかやりくりしようと考えて、必要最低限を越えてしまう部分を助成金で補填しようとするのが、今までの発想。
非営利型株式会社は、株式会社が持つ民間の発想を取り入れやすくするための、疑似的フレームであり、単なるキャッチフレーズだと思ってください。
人間ってキャッチフレーズが変わると、意外と斬新な発想で物事を捉えていけると思うのです。