-未来を刻む石:2025大阪(夢洲)への軌跡-
400年前、大阪城の建設の為に各地の山から巨石を切り出しました。それらの石は人力で大坂城まで運ばれましたが、途中で落下してしまったり使われずに残置されている巨石達が各地に残っています。 それらの石は総じて大坂城へ行けなかった残念な石として”残念石”と呼ばれ今もなおいたるところに転がっています。
本計画ではその”残念石”を皆様に関わっていただきながら大阪(夢洲)の地に運び、”残念石”(いのち)を建築の一部として用いることで、いのちのある建築とし新たな命を吹き込んだ”万歳石”にしたいと考えています。
最終的にこの残念石達が万歳石となった暁には、プロジェクトに参加してくださった方々と《バンザイ》したい!という想いで《バンザイ石プロジェクト》を立ち上げました。
徳川幕府が 1620 年頃から大坂城を再建するために、近畿・中国地方を中心に各地から何トンもある石を切り出し、人力で地を転がし、川を流し大坂城へと運びました。切り出したが運搬の途中で落下したり、何らかの事情で運ばれなかった石や運んでいる途中に動かせなくなった石が未だ関西エリアを中心に各地に取り残され、”大坂城へ行かなかった残念な石”として”残念石”と呼ばれています。
400年前の残念石を運ぶ”築城図屏風”を観ると、石の上で太鼓を叩き音頭を取る人がいたり、大勢で石を引く姿はまるで祭りのように見え、多くの人の力を合わせて大坂城をつくったことが想像できます。今回バンザイ石プロジェクトでも大阪へ石を運ぶ過程や建築ができる過程でイベントを開きながら、多くの方に参加していただいて祭りのように先人達が切り出した石を運び、現代の私たちの力で、新たな建築を作り上げることを考えています。
今回大阪に運ぶ予定の石は、元和~寛永(1615~44年)の時代に山城国相楽郡(現在の府南部)を治めていた築城の名手・藤堂高虎が指揮して切り出したとされる木津川上流にある残念石です。大きいもので 15 トン程度ある残念石には、当時の藩の印がついた刻印や矢を使い切り出した跡が残っています。
これらの刻印は、藩の符号や高さ・寸法・個数・検査日と思われる日時や符号も刻まれています。当時は切断するための重機がありませんでしたので、職人が道具を駆使して石を必要な大きさに割っていました。分断したい箇所にこのような穴を掘り、そこに楔(くさび)を打ち込んで石を割ります。これらは矢跡(やあと)と呼ばれており、矢跡の大きさからも時代背景が読み取れる貴重な跡になっています。
当時520個余りの石が運び出されたという記録がありますが、1975年運ばれず残された石60~70個の巨石が護岸改修中に見つかり、そのうちの十数個が河川敷の脇へと移動され、NPO法人「ふるさと案内・かも」の会の保全活動により共に見守られ続けきました。
2022年から、この残念石を大阪へ運び、新たな建築の一部として利用したいと計画していましたが、河川の中にある石を接道部分へ引き上げるには費用が多くかかり、また工事期間が極端にずれるため建築工事ではどうにも手出しできませんでした。しかし、府の道路工事のルートに被っていたこともあり石を河川から動かす必要があり、木津川市・NPO法人の保全の呼びかけにより、河川から11個の残念石が引き上げられ、道路と接道する仮置き場へと移設がされました。1615年の切り出しから、度重なる奇跡により、”残念石”として守られ続け”万歳石”になる日を目前としています。
約400年前に我々の先祖によって切り出され日本全国の人が力を合わせて作り上げた大坂城のように、多くの人に関わってもらいながら新たな建物にしたいと考えています。
また残念石を夢洲に運び一定期間建築材として利用した後に、その建物をまた大阪内のどこかの土地に建物ごと移設を行い残念石を空間化した形で次の世代に受け継いでいくことが出来ないかと検討しています。
今回の建築では約3m、7~15tある巨石を建てその上に屋根をのせることで、空間をつくろうとしています。
屋根と石の接点には、神社等で見られる石形状に合わせてピッタリ柱を加工する宮大工の《光付け》の技術を応用して建築をつくろうとしています。この技術を現代のデジタル技術 ( スキャンと NC 加工 ) 利用して再現し、石にピッタリ合う接合部材をつくり、残念石の上に屋根を乗せる建築を設計しています。
また石をスキャンすることにより、それぞれの石の表情を見ながら、実際の残念石とデジタルのデータを見比べで建築を設計しております。石を切り形を変えて使うのではなく、ありのままの石の形・表情を読み、その石にあった形で建物を設計することで、500万年マグマが冷え固まってできた石の表情や、400年前に人の手によって切り出された手の跡を感じられる空間を作り出します。
2024年2月中旬 クラウドファンディング終了
2024年3月~5月 イベント開催
2024年4月 建物着工予定
2024年5月 リターン発送
2024年6月 石の運搬
2025年4月 建物完成・お披露目
2025年5月 建物解説ツアー
※建設スケジュールや完成スケジュールにより、時期は前後する可能性はあります。
集まった資金は石割りワークショップや石引きデモンストレーション・お祭り等の資金に当てると同時に資金が集まれば集まるだけ多くの残念石を大阪(夢洲)に持っていくことが可能になります。現在、建設費の兼ね合いで残念石の運搬個数が当初の計画より減ってしまったため一つでも多くの残念石を運び出し石の力が感じられる建物をつくれるよう資金を集めたいと考えています。
追加の石の運搬費等の建設費:約200万円
イベント開催費:約55万円
手数料(17%+税):約45万円
企画発起人の私たちは、2025年に開催される大阪・関西万博で
小さな施設を設計するために集まった3人組
小林・大野・竹村です
Studio m!kke 小林広美
1992年滋賀県生まれ 一級建築士
2015年滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科卒
滋賀を中心として設計活動を行う。
Studio on_site 大野宏
1992年滋賀県生まれ
滋賀県立大学環境科学研究科環境計画学専攻博士後期課程 在籍
発展途上国や日本等の様々な地域で活動を行い
現地の「もの」と「ひと」で、土地の手跡の残る家具・建築をつくる。
Yurica Design&Architecture 竹村 優里佳
1991年奈良県生まれ 一級建築士
2015年近畿大学建築学部環境都市デザイン学科卒
2017年立命館大学大学院理工学研究科環境都市専攻卒
奈良と海外(イスラエル)を両拠点に活動。
歴史とテクノロジーを融合させ人々の新たな気づきが生まれるような建築を創造する。
ただただ建物をつくるだけではなく、皆さんと一緒に《残念石》を《万歳石》へと変えて、400年前の先人たちの力も借り、みんなでつくりあげる建物が出来ればと思います。良い建物になるようまで精一杯頑張りますので≪バンザイ石プロジェクト≫へご参加・ご協力よろしくおねがいたします!
【バンザイ石プロジェクト Instagram】
https://www.instagram.com/banzai_stone
【NPO法人 ふるさと案内 かも】
https://www.furukamo.org/
※残念石・藤堂高虎ツアーの案内をしてくださる団体
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る先日、残念石の運搬を行いました
2024/05/17 23:27こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
ご支援いただいた皆様 ありがとうございました
2024/02/19 23:15クラウドファンディングが終了いたしました。応援・ご支援いただき本当にありがとうございます。100%達成はできませんでしたが、賛否両論で様々なご意見をいただく中、47%達成することが出来たことは、私達にとって力になっております。今回の件で、本当に多くの方に手を差し伸べていただき、一緒に考えてくださる方に助けられ、まさしく、皆さんと一緒に作り上げていくプロジェクトだなと実感しております。まだ、様々な課題がありますが、精一杯頑張ってまいります。これからも、引き続き応援よろしくお願いいたします。リターン品等々、準備に取り掛かってまいります。もう少々お待ちください。 もっと見る
オンライン説明トーク 開催 ー視聴詳細ー
2024/02/18 08:47本日 18日19:30-21:00頃まで「残念石の話、建築の話、万博を通してやろうとしていること」をテーマに今回の建築のオンラインで説明トークを開催します。賛否をいただいている残念石の話と、アナログとデジタル技術が混ざり合う新たな建築の試行等についてお話いたします。以下のリンクから視聴登録出来ますので、是非ご視聴いただければ幸いです。take20240218.peatix.com/viewまた質問等は、以下のリンクから受け付けています。説明会中は時間に限りがありますので、可能であれば事前にご質問いただければ幸いです。https://docs.google.com/.../1FAIpQLSdGlr3bxE_h.../viewform もっと見る
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