僕の職場のデスクには、ピンク色のアマビエサマがある。
とある流行感染症が日本中を席巻したとき、いぶき福祉会の方から入手したものだ。
彼女(彼かもしれない)は、ネコのようなクリクリとしたお目目とネコのような三角のお耳と、ネコのようなお髭をもちつつ、いつも穏やかに僕の仕事っぷりを見ている。
もしかしたら、このアマビエサマの前世は、ネコだったのかもしれない。
そういえば、なんかときどき「にゃん」って言っているような気もする。
そして、「あんな時代もあったね」と、穏やかに語りかけてきてくれる気もする。
そうか、きっと彼女(彼かもしれない、2回目)は、あの何気ない日常の大切さを、みんながお互いの表情を見せ合うことができる日を待ち続けているんじゃないだろうか。
夢と、愛と、何気ない日常という喜びを再び。
それが前世がネコだったような気がするアマビエサマが望んでいる「ネコからヒトへの約束」なのかもしれない。
そんな「ネコの約束」の第二幕を、心より応援したい。
寺澤大祐 さん
岐阜県総合医療センター新生児内科医長
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「いのちのバトン」…寺澤さんが日本中で語りかけるときのテーマです。いぶきでもお話しいただいたことがありますし、それ以上に日頃接するたびに問いかけられているような気がしています。寺澤さんたちが病院で向き合うあかちゃんとその家族の皆さんにとって、「おとなになってもこんな場所があって、こんなすてきな人生があるんだよ」と希望に思ってもらえるようないぶきでありたいと思います。寺澤さんたちからのバトンを丁寧に託してもらえるように。