こんばんは。
4月12日(金)は札幌くうにて、20thアルバムに参加いただいている岩崎隆太郎(Ds)氏とのDuoライヴでした。ご来場ありがとうございました。
ドラムセットって難しくて、修練の段階ではここにバスドラ、スネア、ハット、タムタム、シンバルがあるというところからコンビネーションを作っていくと思いますが、即物的な演奏になる誘惑と常に戦わないといけない楽器だなと思っています。
身体の中から何がほとばしっているのか?それがどれだけオープンなのか?どれだけ周囲の音を聴いて会話の様に表現しているのか?
その表現欲求を身体の先に迅速にブレずに伝えていくためにテクニックがあるとするなら、莫大な情報を自分の表現に忠実に伝えていく為の幅広いバリエーションを処理するためのインプット・アウトプットだけでは足りません。
出てくるものが常に自己承認欲求や手癖とは関係ない、歌心や皮膚感覚のグルーヴが前提で上記のバリエーションを血や肉にしてアウトプットしないと、その人以外の奏者でも代わりがきく表現になってしまいます。
その辺、ドラムはバンドの心臓そのものであるにも関わらず、なんであんなに形骸化しているのか?即物的な表現になりがちなのか?音楽の全体像に気を配る事以上に1テクニックのこだわりに拘泥、優先しがちなプレイヤーが後をたたないのか?難しいなと思ってしまいます。
なので、20thアルバムのドラムを【オール北海道復興支援!】のテーマで道産子限定で決定してお願いするのは本当に難しかったです。
そんな中、岩崎氏にお願いして、アルバムでも凄くいい表現と音の会話が出来ました。
ドラムの音質に関しては、過去の作品の中でも屈指の出来ではないかと思っています。
レコーディングに引き続き、この日の共演もとても楽しかったです。
一方で、まだまだもっと楽しくなるポテンシャルを感じ、ワクワクしています。一瞬一瞬、空間を切り裂けるか、死か、みたいな時間。長い旅は続きます。
13日(土)は終日レコーディング。20thアルバムの最後の演奏パートを全て入れました。
色々な事をやっていますが、こうやって自分の音楽だけを外野を一切気にせずに作る為に没頭する時間。この時がつくづく一番自分らしくいられる時間です。
23年前の1stアルバムの時も、今もそれは変わりません。一社会人として普段余計な事を考えざるを得なかったり、不本意なタイミングで人間的な感情を持ってしまったり、グッタリしてしまうような事。そういう時はやはり自分が自分として生きていない。自分が自分としてそこにいないから起きる感情なんだと改めて思います。
24時間音楽の事を考えたくてプロミュージシャンになったのだから、正直私はここから一歩も動きたくないし他の事は考えたくない。青くさいですが久しぶりにそんな気持ちを思い出させてくれた終日でした。
20thアルバムのタイトルは実は決まっています。『兆(kizashi)』。
日付が変わり、14日(日)。スイッチをオフにした瞬間に真っ白に・・・・・。
どれだけ集中していたのか。すいません。北海道滞在はこれで終わり。東京に帰ります。
引き続きの応援よろしくお願いいたします。
今沢カゲロウ