▼クリエイターが抱える『成長するキャラクター』
オリジナルのコンテンツを制作するクリエイターの中で、"自分の成長と共に姿形や振る舞いが変わっていく"キャラクターを構想するのはよくあることだと思われます。
今回3Dモデルになるルミナスダイアリーシリーズの登場キャラクター、輝鳴紅葉(Kouyou Terunari)もまたそういったタイプのキャラクターです。
紅葉のアイデア自体は、実はBreakthrough_ace.輝鳴が中学生の頃から存在していました。
当時は自身の年齢相応に【未成年】【男性】【剣】などのキーワードが並んでいましたが、自身の成長に合わせてその性質や見た目は次々とアップデートされていきました。
ルミナスダイアリー本編の開始時点では、紅葉は人を卒業した者であれどまだ人間に近いものでした。
ミレーニアの弟子に相当するのもあり、デザインはそれに類似を思わせるよう意識したものでもあり、"最後に人間だった時が"男性であったことから喋りをボーイッシュにするなど、私たち人間が見ているジェンダーや物質的な領域の枠を超えたキャラクターをイメージしていました。
加えてルミの好きなシャボン玉とも縁が深く、自分の体からシャボン玉を産み出すなど不可思議なパワーを備えていました。
最初の衣装デザインはまさに『起爆剤』のようなものでした。
元々ルミナスダイアリーシリーズの登場人物には【自然】かつ【異端的】であり、そこに【マニアック】さをプラスする設定を意識しており、紅葉は外見からもその異端性を表現していました。
フリルの入ったパステルカラーベースの衣装による見た目・行動・言動の三点はそれぞれ女性・中性・男性のすべてが両立していて、言い方を変えれば【混沌】の様であるかもしれません。
混沌であるということは、無数の可能性があると言い換えることもでき、それは本人が無数の成長のルートを備えているという意味でもありました。
その可能性、すなわち夢=シャボン玉を産み出すパワーの特性は、時代の流れに沿って成長していき、次第に紅葉は『夢を産むキャラクター』から『夢そのもののキャラクター』へと近づいていきます。これを本人とアンジェリカは"シャボン化"と呼んでいます。
いつしか自身の体は衣装も含めてシャボン玉で創られるようになり、不安定性と安定性が不可思議に両立する特徴を備えます。
新しい概念を得た紅葉は、これをさらに成長=膨らませていくことにより、人の形からどんどん夢の形=シャボン玉の形に近づいていくのです。
体の大半を、人の形を卒業しシャボン玉とするようになったのはほんの最近で、私たちが覗けるエリアと不可視のエリアの間に存在している象徴となりました。
シャボン玉であるゆえ、体から思考までシャボン膜のようにぷにぷにと柔らかく、ヒト社会の枠を超えて夢を膨らませる様は、破壊的キーワードの印象の強い【混沌】というものを【優しさ】と【快楽】そして【柔軟性】のイメージで表現することができるようになったともいえます。
定まらぬ不安定性を成長の可能性に転換して、多くの人や存在との交わりによって形を変えていくのが紅葉というキャラクターなのです。
そして現在、紅葉はシャボン玉の夢、つまり自分自身を膨らませることに快楽を見出していて、思いつきや閃きによって視える可能性に期待を寄せながら、夢を現実にするためのチャレンジを繰り返しています。
そう、アンジェリカが提案した今回のクラウドファンディングも乗り気になったのはまさに『夢が大きく膨らむ』からだったのです。
自身の夢=シャボン玉を膨らませて、それを多くの人と持ち合い、それを数多の分岐点にしてさらに成長=膨らませてもらう。
その営みは人の新しい次元の振る舞いであり、この現衣装の名である『アセンド』(上昇)という言い方にも通ずるかもしれません。