昨日に引き続き、『地球を翔けた異風者 古賀武夫伝』より、いのちのまつりについて書かれた部分を抜粋してご紹介いたします。
第十八章 いのちのまつり
いのちのまつり
「かずひさ、すごか。おいがやりたかったとは、いのちのまつりばい。こればい。おいが売っばい!」
今ある自分のいのちは誰のおかげかー武夫もまた、いのちの不思議を思わぬときはなかった。両親、その両親、そのまた両親。師、友人、知人。戦争で逝った人々、大震災で犠牲になった人々。有言・無言のメッセージから「光り輝いて生きよ」と教えられた。見えざる糸で結ばれたいのちのネットワーク。すべては、いのちを縦横につなぐ、「万物の彼方にある大いなる力」のおかげである。生まれ落ちてから今日まで自分の力でなしえたことは何一つない。父母なしには毛の一本すら存在しえない。ご縁なしには生きる感動も得られなかった。いのちに感謝。一所懸命恩返し―
武夫は、義弟(山下雄司)の印刷所(サガプリンティング)に発注し、初版五千部を刷らせた。定価千円。地球市民の会の会員を巻き込み、「一人一〇〇冊!」の過酷なノルマを課して売り込みに動いた。甲斐あって増刷五千部、英語版も三千部を追加発注した。勢いはこれにとどまらなかった。
『地球を翔けた異風者 古賀武夫伝』p278-279
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