私たちが東京・代官山に「ビビビ。」をオープンしたのは、2023年9月29日のことでした。
ビールと一緒につくり手の物語をお届けするというコンセプトに加え、10あるタップはすべて、直接お会いして背景をお聞きしたことのあるブルワリーに限るのが、今のところの「ビビビ。」 のスタンス。
後者の“直接話を聞いたブルワリーに限る”という方針は、実は開業前から決めていたわけではありません。単に、各ブルワリーの物語をお伝えしようとすると、自ずとじっくり腰を据えてお話しできたブルワリーに限られてしまうという、必然によって生まれたルールです。
しかし、これは正解でした。直接取材を行うことで独自のネットワークが構築され、既存の販路に頼らない商品調達が可能になり、結果的に他のビアバーとはまるで異なるユニークなタップリストが実現したからです。
おかげでオープン当初から、「◯◯のビールが繋がっていると聞いたので来ました」と、はるばる遠方からやって来るクラフトビールファンの方が後を絶ちません。タップリストを見たお客様に、「初めて飲むブルワリーばかりです」と言ってもらえるのは、我々にとって無常の喜びです。
そして、つくり手との繋がりを大切にしてきたからこそ生まれのが、今回のイベントです。ビール業界においてまだ何者でもない我々に、こうして趣旨に賛同し、協力してくれるブルワーさんの存在は、かけがえのない財産だと痛感しています。
※写真は開業直前に訪れた、長野県・青木村のNobara Homestead Breweryさん