はじめに・ご挨拶
株式会社La Baratは2020年秋にハンガリーワインの輸入を始めたインポーターです。ハンガリーは日本ではあまりなじみのない国ですが、ドナウの真珠と呼ばれる素晴らしい景観を誇るだけでなく、文化と歴史の豊かな国で、親日国でもあります。
今回ご紹介する辛口白ワインは、昨年8月4日に東京・三田の駐日ハンガリー大使館で開いたピアノイベントでもお出ししたワインです。下の写真はイベント時のもの。右端が今回のリターンの1つ、貴腐ワインです。
19世紀、フランス、イタリアに次ぐ世界三大ワイン産地だったハンガリーは、世界三大貴腐ワインとして知られるトカイワインを誇る国です。トカイのワイナリー・NAARさんの自信作、貴腐と遅摘みの甘口ワインをぜひご賞味ください。
世界遺産・トカイのワイナリー「NAAR(ナール)」
ご紹介する甘口白ワインはともに、トカイの家族経営のワイナリー・NAARさんのものです。ハンガリー東部、世界遺産に登録されたトカイ地域内のワイナリーで、その歴史は1750年代にさかのぼります。
NAARさんは小さなブドウ園で地元のブドウを育ててワインを作ることから始めました。第二次大戦後のハンガリーはソ連の支配下にあってつらい時代を過ごしましたが、そのくびきから脱した1989年以降、NAARはブドウ園を増やし続け、今では6か所に計20ヘクタールのブドウ園を保有し、貴腐ワインに使われるフルミント、ハールシュレヴェリュ、シャルガムシュコタイを中心に育てています。
上の写真はNAARさんのサイトのスクリーンショットです。セラーはゴンボシェギ・セラー群にあります。トカイ地域はワイン産地として世界遺産に登録されており、ユネスコのサイトでもこのセラー群が紹介されています。
https://whc.unesco.org/en/list/1063
この写真は、2022年4月に訪問した際のセラー内です。今回ご紹介するワインを含め、カラフルなボトルがセラー内で映えていました。
大使館イベントでもお出ししたワインです。
今回ご紹介するワインはともに、昨年8月4日の大使館イベントでお出ししたワインです。
上の写真もイベント時のもの。見づらいですが、奥の紫色のエチケットのボトルが、もう1つのリターン、遅摘みの甘口ワインです。
貴腐菌がもたらす高貴な蜜・貴腐ワイン
ここでは少しだけ、貴腐ワインについて記します。貴腐ワインは世界三大貴腐ワインという言葉が示す通り、ワインの1つのジャンルです。貴腐菌(ボトリティスシネレア)という菌がブドウに付くことによってもたらされます。
貴腐菌は世界のどこにでもあり、イチゴなどには灰色カビ病をもたらして腐らせてしまいます。ブドウも腐ることがあるのですが、特定の気象条件の下ではブドウの実が干からびていき、その過程で蜜の香りと味わいが増していくのです。
世界三大貴腐ワインはトカイワインとフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼです。その他、カナダの貴腐ワインも知られており、日本でも作られています。
この写真は昨年9月にトカイを訪れた際に撮りました。緑色のブドウとともに、干しブドウのような干からびた実がありますが、これが貴腐ブドウです。
この貴腐化したブドウをどれだけ使うかによって、出来上がりのワインの甘さが変わります。多く使えば使うほど、蜜のような香りと蜜のような甘みが増しますので、トカイワインではワイン1リットル当たりの糖分、残糖度をとても重視しています。
NAARの2016年ヴィンテージの貴腐ワイン
ナール トカイ サモロドニ 2016(NAAR TOKAJI Szamorodni 2016)
ワインの名前に入っている「サモロドニ」は、貴腐ワインの製法のことです。貴腐化したブドウとしていないブドウの粒をより分けることなく房ごと醸造するため、ワンの甘さは、投入したブドウの房の中に貴腐化したブドウがどれだけあるかによって決まります。
貴腐化したブドウが多ければ、貴腐ワイン独特の蜜の香りと味わいが増し、残糖度も高くなります。この甘口トカイワインの残糖度は1リットル当たり62.5グラムあります。サモロドニ製法のワインですが、貴腐ブドウをより分けて醸造するタイプの旧来の3puttonyosランクになります。
糖度がありますので、十分に甘口トカイワインの蜜の香りと味わいを楽しんでいただけます。使われているブドウは Furmint(フルミント)と Harslevelu(ハールシュレベリュ)です。十分に冷やして飲んでください。アルコール度数 12.5%。500ml。
トカイでも珍しいブドウの遅摘み甘口ワイン
ナール トカイ クベールソーロ・ケーショイ・スレテレーシュ 2021(NAAR Tokaji Koverszolo kesoi szuretelesu 2021)
Koverszolo(クベールソーロ)というトカイ地域に古くからあるブドウで造られた kesoi szuretelesu(遅摘み)の甘口ワインです。遅摘みワインは完熟して糖度が高まったブドウを使った甘口ワインです。
グラスに注いだ途端、華やかで甘やかな香りが広がります。グラスを傾け、少し黄色味がかったワインを口に含むと、甘みとともに口のなか全体に華やかな香り、そしてきれいな酸味も広がります。
Koverszolo は糖度の高いワインになることで知られています。トカイワインに使うことができる6種類のブドウの1つですが、トカイ地域では 19 世紀のフィロキセラというカメムシの大量発生によってほぼ姿を消していました。
NAARではこのブドウを復活させて甘口ワインに仕立てました。残糖度が 112 グラムありますので、先のサモロドニの倍近い糖分が含まれています。puttonyos ランクにすると、120 グラム/リットル以上が求められる 5puttonyos に近い糖分です。ただ、酸味もちゃんとありますので、甘ったるくなるとことはありません。アルコール度数は9.5%ありますが、ジュースのように飲めてしまうワインです。500ml。
「ワインの国・ハンガリー」の理由
プロジェクトのタイトルに「ワインの国・ハンガリー」としたのは、2009年の日・ハンガリー国交樹立140周年を記念して美術出版社から出版された「ワインの国・ハンガリー~トカイを巡りて」という翻訳本にあやかっています。
19世紀においてフランス、イタリアに次ぐワイン産地だったハンガリーは、世界三大貴腐ワインの1つ、トカイ(貴腐)ワインで有名ですが、トカイ(貴腐)ワインは以下に記すような世界に誇る歴史があり、それが「ワインの国」につながっているのです。
1737年、トカイで原産地統制呼称制度 フランスのAOCの200年前
世界三大貴腐ワインの1つ、トカイワインは500年近い歴史を誇り、ルイ14世など名だたる人たちに愛されてきました。このため、トカイを名乗る偽装ワインが出回る結果となり、1737年の国王令によってトカイのワイン畑の区域やワイン造りのルールが定められるとともに、「トカイ地域以外のトカイワインを名乗るべからず」という原産地呼称制度が作られました。
この本は当時の国王令などが紹介された冊子です。現地で購入しました。
トカイで作られた世界初の原産地呼称制度とみられています。ワインの世界でよく知られている原産地呼称制度はフランスのAOCですが、AOCができたのは1935年ですので、その200年も前になります。
フランスにAOCができた背景にも第一次大戦や世界恐慌などで偽装ワインが出回ったことがありますが、そのような状況が200年前にトカイで起こっていたことになります。トカイワイン人気がどれほどのものだったかがわかります。
以下は2022年4月にNAARさんを訪ねた際のものです。
右側の男性が当主のNaar Ferencさんです。試飲させていただいたワインはどれも美味しく、今回のワインの初輸入につながりました。
この写真は2019年6月に初めてトカイを訪れた際に撮影しました。トカイ中心部ではワインを試飲させてくれる出店が多くあり、とても楽しい場所でした。
残念なかせら、コロナ禍を経てこれらの出店はなくなったようで、昨年9月に久しぶりに訪問した際には出店はみられませんでした。ただ、トカイ駅の近くには10前後のワイナリーがセラーを出しており、そこではリーズナブルに試飲ができました。楽しい思い出です。
トカイワインや甘口ワインについて記した電子書籍
トカイワインの輸入事業をしていると、トカイワインのすばらしさに気づきます。その一方で、その情報がほとんど発信されていことにも気づきます。その1つがAOCの200年前にできた原産地呼称制度のことです。
そこで、トカイワインがどのような歴史をたどってきたのか、何を重視して貴腐ワイン作りを行っているのか、甘口ワインにはどんな種類があるのかを記した電子書籍「『ワインの国・ハンガリー』の理由~フランスより200年早くAOCを導入した国」をキンドルから昨年10月に出版しました。
アマゾンの本カテゴリーで「甘口ワイン」と検索すれば上にすぐにできます。250円ですので、ご興味があればぜひお読みください。
スケジュール
2024年2月プロジェクト公開。2024年3月24日プロジェクト終了。同月中にリターン発送の予定です。リターンの商品はすでに倉庫に保管しておりますので、送付先がわかり次第、発送できます。
リターンは3種類 超早割も
リターンは辛口白ワインの3本セットと樽厳選辛口白ワインの2本セット、すべて1本ずつの5本セットをご用意し、早割も各5つ限定で作っています。
※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています。20歳未満の方はこのリターンを選択できません。
2種類とも名称は果実酒、内容量は500ml、原産国はハンガリー、原材料はブドウ・酸化防止剤(亜硫酸塩)含有。ソルビン酸は使ってません。保存方法は冷暗所です。
「リーズナブルなハンガリーワイン」をこれからも
弊社La Barat(ラボラ)は冒頭に記した通り、3年前にハンガリーワインの輸入を始めた会社です。代表取締役の飯塚隆志は前職の新聞社を希望退職した後、ハンガリーを長期訪問してトカイワインにほれ込んで、輸入をはじめました。
しばらくはずっと空輸のみでの輸入でした。新型コロナ禍でしんどい時期が長く、大量輸入につながる船便に手を出せなかったのですが、昨春に初めて実現できました。輸送コストが下がりましたので、従来の価格設定よりも値下げしています。
今後も船便を続けて、お求めやすい値段で美味しい「リーズナブルなハンガリーワイン」を届けられるようにしたいと思っています。
資金は次回の船便に活用します。ご支援いただいた資金の一部は、CAMPFIRE手数料にも使用されます。
よろしくお願い致します。
株式会社La Barat(ラボラ)代表取締役 飯塚隆志
販売場の名称及び所在地 : 株式会社 LaBarat 兵庫県西宮市仁川町5-3-73
酒類販売管理者の氏名:飯塚隆志
酒類販売管理研修受講年月日:2022/10/19
次回研修の受講期限:2025/10/18
研修実施団体名:一般社団法人 日本ボランタリーチェーン協会
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る極甘口トカイ3種を楽しめる講座、東京NHK文化センターで開催 します
2024/06/08 14:08東京のNHK文化センター青山教室で7月19日(金)午後7時から1日講座を開くことになりました。https://www.nhk-cul.co.jp/sp/programs/program_1297669.html世界三大貴腐ワインの1つ、トカイワインの輝かしい歴史を知っていただいたうえで、極甘口のトカイワインを3種類を味わっていただきます。受講料が1万円超と少しお高いですが、最高ランク、6puttonyosのトカイワインを各30ccずつ味わっていただけます。トカイワイン、ハンガリーワインの素晴らしさを感じていただけたらと願っています。また、お飲みいただいたワインを気に入っていただいた方には、パスワード付きECサイトで10%オフ以上での販売を考えています。ちなみに、持ち物が筆記用具と水だけになっていますが、グラスをお持ちいただいた方がいいかもしれません。文化センターの担当者に相談してみます。よろしくお願い致します。 もっと見る
トカイワインの歴史などを記したキンドル本でも紹介しています
2024/03/10 12:31こんにちは。昨日、3人目の支援者が現れました。ご購入を決めていただき、誠にありがとうございます。今回のリターンのうちの1本、遅摘みの甘口ワイン・ナール トカイ クベールソーロ・ケーショイ・スレテレーシュ 2021は、私が昨秋にキンドルの電子本として出版した「ワインの国・ハンガリーの理由~フランスより200年早くAOCを導入した国~」の90ページ目で紹介しています。現地で見聞したことを含めて、トカイワインの歴史を記した本ですが、貴腐ワインの産地による違いや甘口ワインのさまざまなタイプについても記しています。最近、評判がよく、5人の方全員から5の評価をいただいています。コメントも2つあり、ありがたいことを記していただいています。「トカイワインの良さ、すばらしさをわかっていただきたい」と思って書いた本です。ご興味があれば、ぜひご購読ください。アマゾンの本カテゴリーで「ワインの国」と検索していただければ、すぐに出てきます。250円です。よろしくお願いします。 株式会社La Barat 飯塚隆志 もっと見る
ご支援ありがとうございます&コンサートの様子
2024/03/08 13:27こんちには。昨日は1件のご支援をいただきました。ありがとうございます。冒頭の写真は、2月22日に行った駐日ハンガリー大使館におけるデュオコンサートイベントの様子です。来年1月にも同様のイベントを行う可能性がありますので、その際にはここでもお知らせさせていただければと思っています。で、下の写真は乾杯の際のもの。大使館専属のラーツ・ゲルゴーシェフに乾杯のご発声をしていただきました。この際のワインも、NAARのものです。昨日アップした写真の中にある緑色のボトルです。辛口白ワインですので、リターンの対象ではありませんが、発泡性のあるおもしろいワインです。日本酒でいえば、「微発泡の超辛口」。このワインはタイのカルパッチョなどにぴったりです。 もっと見る
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