ご支援いただいたみなさん、
ご興味を持っていただいたみなさん、
今日はブータン王国のGNH(国民総幸福量)についてご紹介させてください。
いま国内外でスタンダードになってきた「SDGs」にも通じるサステナブルな取り組みなので、改めて注目し、伝え、広めていければと思っています。
GNH(国民総幸福量)って、どんなもの?
以前、「世界幸福度ランキング」で世界8位にランクインしたことがあるブータン。私たちが現地の人に「幸せですか」と質問すると、かつては多くの人が「はい」と返事をしてくれていました。それはブータンの人々が、物質的なものより精神的・体験的なものに重きを置いてきたからに他なりません。
ブータンは長年、鎖国政策をとってきていたのですが、1971年からは国連に加盟。その後、「GDPよりGNH」を基本とした国づくりをしてきたのです。
・GDPとは、経済用語で「国内総生産」(Gross Domestic Product)のこと。
・GNHとは、ブータン独自の概念で「国民総幸福量」(Gross National Happiness)のことを指しています。
「GNHはGDPより重要だ」と発言し、国民の幸福度を上げる社会づくりをスタートしたのは、第4代国王のジクメ・センゲ・ワンチュック氏。
第5代国王になった現在も、政策はすべてGNHの理念に裏付けられていなければならない、とされています。
なぜ“世界一幸せな国”で有名になったの?
上記の取り組みもあってか、ブータンは2013年、国連が毎年発表する「世界幸福度ランキング」で世界8位にランクインしたのです。
▼参考記事
http://www.japan-un-friendship-associations.org/bhutan/news/202110_4/index.html
発展途上国なのに北欧諸国に続いて8位ということで、多くのメディアから注目が集まりました。
日本では、2011年に東日本大震災が起こったあと、いち早く国王夫妻が被災地を訪問したことで、ブータンはすでに有名になっていました。
その麗しい姿や、日本を思う数々の温かい言葉が今も鮮明に残っている、という日本人はきっと多いのではないでしょうか。
▼第5代国王ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏のインスタグラム
https://www.instagram.com/kingjigmekhesar
▼ジェツン・ペマ王妃のインスタグラム
https://www.instagram.com/queenjetsunpema
子供達にも伝えたいGNHの考え方
ブータンには、幸福のための基本方針や、国勢調査で幸福度を測る項目があるので、見てみましょう。
例えば
ブータン政府はGNHについて4つの柱を掲げています。
(1)公正な社会経済発展
(2)環境の保全
(3)文化保存
(4)よい政治。
それぞれ、このような考え方が軸になっています。
●経済発展は大事だが、国民の間に大きな生活格差をもたらすことのないようにする
●生態系を守り大切にする
●長年かけて培ってきたブータン社会の文化を大切にする
●人々が意思決定に参加できるような政治のしくみを持つことを基本にする
さらに、以下の9つのGNH指数が設定され、値の推移がチェックされています。
(1)暮らし向き、(2)体の健康、(3)心の健康、(4)教育、(5)環境、(6)文化、(7)時間の使い方、(8)コミュニティーの活力、(9)よい政治
ただし近代化、グローバリゼーションや、スマホによる情報の波による影響と、GNHの向上、その両立を叶えるのは課題が多くあり、近年のブータンの「世界幸福度ランキング」はかなり下がっているようで、考えさせられます。
それでも現地を訪れると、穏やかな表情の人々にたくさん出会えました。
コロナ禍を経て、久しぶりにこの夏ブータンへ訪れますが、現地の人々がどんな思いで暮らしているか、ふたたび交流できればと思っています。
そして、一緒に行く半田ジュニアブラスバンドの中高生メンバーは、どんなことを感じるのか……このコーナーなどでご報告したいと思います。
長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
6月末の期限まで、できる限りの活動や発信を続けますので、応援よろしくお願いいたします!
半田ブータン青少年交流会
スタッフ