今年3月20日に、日本遺産になった井波の町を南部さんにご案内頂きました。

「木彫の「サイン」に可能性を感じている。この町の看板を井波彫刻で彫って、訪れる国内外の観光客の方々がそれを観て木彫彫刻を知る。そんな”サンプルの町”にしたい。」

至る所に木彫りの彫刻があるこの町は、どことなく木の香りと木の温かさを感じました。
南部さんがお店に入る度に、お店の方々と笑顔で挨拶を交わして対話していました。

少し大げさかもしれませんが、南部さんはこの町の長男坊のような気がしました。

この町のご案内の中で、私が確信したことはもう1つ。 
木彫彫刻の裏には、「建築思考」があるということ。

大きな完成を具体的にイメージし、その具体化のための小さなことを立体的に積み重ねる。
その小さな積み重ねと想像の集大成が、彫刻作品をつくる。

120年の歴史を三代目として継承しつつ、新しい挑戦を続けている南部白雲さん。
お会いする前は、南部白雲彫刻工房の作品といくつかの記事を拝読することまでしか出来なかったため

「繊細で、威厳のある方」

という印象を抱くのが限度でした。

「彫刻のような人だ」

お会いして、お話しさせて頂いてから私が抱いた感想です。

1人の人(依頼主)と対話して向き合い、
その人の想いを自らの手で描き、
1本の木と向き合い、
作品をつくる。

依頼主と同調し、
木と同調する。
そして、彫る。

木彫り職人というのは単純な技術だけでなく、
受容力・吸収力、もっと様々な無形能力が必要なのだろうと思いました。


● 参考情報
南部白雲木彫刻工房
http://nanbuhakuun.com/

執筆者:プロジェクトスタッフ 藤原

”展示された作品の魅力を際立たせるのは、その空間でありその空間は、その場を司る人の性格が可視化された一つの作品である。”

といつからかは忘れましたが思うようになりました。
そんなことを想いながら、そのままそのことを小西さんにお伝えしたところ
数十分程度、そういったことについて対話させて頂きました。

お話を終えて、次のお部屋に移った瞬間に
一輪の生け花が、私の視線を止めました。

こんなにしなやかな生け花をみたのは人生ではじめてでした。

空間に作品名なく存在していた3点の井波彫刻の欄間と、その一輪の生け花に
樂翠亭美術館のこころを感じずにはいられませんでした。

 

執筆者:プロジェクトスタッフ 藤原

私が訪れた時に行われていた企画展は「Four Rooms+1 〜4つの和室と蔵にみる現代美術〜」。


草間彌生さん、名和晃平さん、村上隆さん、日本画家の村上裕二さん、赤瀬川原平さんなど錚々たる方々の現代美術。

展示されていた作品を鑑賞しつつも
その場自体の清き潔よさが気になって視線を高くしたところ、私の眼前に広がった欄間の景色。

「これ、もしかして南部白雲さんの作品ですか?」
「よくお分かりで。そうなんです。二代目の方のものだったと思います。
 先日から、南部白雲さん中心に、高野山の唐櫃づくりの取り組みが始まりまして、嬉しくて、事あるごとにご説明させて頂いているんですよ。」

お話しかけさせて頂いていた方が、樂翠亭美術館事務局責任者の小西博夫さんだったということを退館した後に知りました。

南部白雲さんと直接お会いする前に、先代の作品に出会いました。
樂翠亭美術館の小西博夫さんと、出会いました。

思わぬところで、素敵な偶然の出会いがありました。


※ 画像は、当時行われていた企画展のポスターです。


執筆者:プロジェクトスタッフ 藤原

6月15日、弘法大師 空海さんの誕生日にクラウドファンディング が始まりました。

今回のプロジェクトを、この日以外に始めることは私の中では考えられず
発展途上ではあったものの、私の一存を含めて公開させて頂きました。

活動主体である伝統職人技術文化研究会の方々と、お会いせずしてこの取り組みに
携わるのはおかしい と思い、無理をいって富山県に行かせて頂きました。

早朝のケーブルカーで高野山から下山し、大阪のバスに乗って富山へ。
富山の地に入って、もうすぐで下車するという時に私の目に入った一つの美術館の企画展のポスター。

方向音痴の私は、google mapさんの協力を得て無事にその企画展が行われていた
樂翠亭美術館」にたどり着くことが出来ました。

凛とした涼しさと健やかさを感じた正面口を過ぎ館内へ。その時私は、この場所で偶然の出会いがあることを想像もしていませんでした。


執筆者:プロジェクトスタッフ 藤原