2016/06/20 02:03

さて本日のお題はContents Marketing(コンテンツマーケティング)です。

最近はこちらのキーワード聞いたこともある方は多いのではないでしょうか。簡単に自社のメディアであるオウンドメディアを持つことが可能となっています。

自分は比較的早くこの実製作に携わってきました。今更ですが数えてみたら150メディア程度担当したようです。まあ日々作りっぱなしでした。

僕は言われるがまま作っていた立場なのですが、結論から言えば結構なメディアが結果を上げてはいません。それはなぜかという部分、現場担当者の目線からお話をさせていただきます。

 

【歴史からコンテンツマケーティング=SEOという目線】

 

さて、コンテンツマーケティングは「SEOの1分野」と言う認識が強くありました。間違いではないんですが従来のものとは少し性質が違います。

SEOという言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。検索エンジンに上位に表示させるために皆あれやこれや施策をするんですね。表示された後の効果は絶大で、大多数の検索ユーザーの流入が見込める為あらゆる手を使い上位に表示されるようこぞって企業は手を打ちました。

当時対策と呼ばれているものにはGoogleの評価を高める為に多数のリンクを貼ったり、サイトをたくさん作りロボットで作った文章を貼ったりなどがありました。内部はキーワードを何%散りばめたりなどをしていました。

結果何が起こったかといえば、ユーザーからしたら全く魅力的でないものが検索エンジンで一位に輝いたりすることも多々あったのです。そもそものSEOの始まりはこちらでした。

 

 

【振るわれたGoogleの大鉈】

ユーザー目線を貫いていたGoogleはこれを前々からよく思っていませんでした。彼らの理念は徹底して”本質”を見る、単純であり非常に素晴らしいものでした。

その中彼らが”大鉈”が振るったのは2012年。合計2回振るわれました。

まずは4月コンテンツの質と全く関係ない不正な外部サイトの相互リンクなどを見抜く「ペンギンアップデート」が実施されました。そして7月に自動生成や複製のページ、アフリエイトなどが多数を構成するコンテンツを見ぬく「パンダアップデート」を実施。 

該当するサイトはペナルティーを受け検索順位を大きく落としました。大企業のサイトでさえ致命的な被害を被ったところも少なくありません。

非オリジナルコンテンツは一瞬で見破られ、ユーザーが何を求めているのかを正確に可視化、評価してくれるようになりました。これにより施策側もSEO商材を売る側も、新しい手段を構築せざるをえなくなったのでした。

結果Googleの現在の上位に表示されるコンテンツはどれもメリットあるものばかり。現在は気にすることなく「ユーザーが望むべきもの」を書けばよくなりました。

 

 【生き残ったユーザーの共通項は”素晴らしいコンテンツ”と”共感”】

 IT技術は目覚ましく発達しており、ワードプレスなどで簡単に更新できるようになっていました。企業であれ個人であれ関係なくメディアは手にすることができる時代となっていました。

ブロガーやYouTuberやインスタグラムアイドルが話題になってきたのもまさにこの頃。注目されている企業や人は皆”共感”を呼べる秀逸な方法論を自らの手で持っていたのです。

生き残っている方は皆は自らで素晴らしいサービス作るとともにオリジナルで発信していました。

広告とも違いコンテンツは半永久的にWEBに残る。純粋に訴求ができ、SEOにも有効である。”資産性”が高いため注目されてきたのが2014〜2015年程度でしょうか。

 

【が未だに「安く順位表示をあげてSEOしてくれよ」という認識】

それに気づいた各企業はこぞって参入。そして現在も流行り的なのは続いているでしょう。ただ未だに”順位表示という概念でしかない”認識の方々が多いのかなと思います。

例えば「キーワードを調査して、コラム記事800文字を月末まで100記事。ライターさんに渡す文字単価は0.3円で、そこにディレクションフィーのっけて発注してくれよ」っていうのは至極よくある注文でした。

「とにかく量産してくれ。そしたら一個くらいは当たるだろう」と。

キーワードが入っていてテキストがあればSEOには確かに有効です。少なからずアクセスも上がるのは確かです。がしかし、書いている方もつまらない。チェックで読んでいてももちろんつまらない。「だがこれで良い」という。

「これ読んで誰が感動するのだろうか?」ということが抜け落ちていました。

 

【そして現在、金額を上がってきていても…】

案の定アクセスは上がりますが、投資対効果を得れずそのサービスのファンに転換はしないところも多くありました。

逆に優れた10記事は適当なコラムの10000記事の結果を容易に上回るというのが、往々にあり得るようになってきました。各社理解してからは現在のトレンドで、記事はしっかりお金を払い”質重視”での発注が盛んになってきています。

文章の稚拙さの撤廃から始まり、雰囲気、起承転結、紙面媒体に準じる表記ルール他、厳しく各メディア基準が設けられ、検収基準はしっかりとしてきました。そして解析ツールも豊富になりトレンドや競合を解析、負けないようなコンテンツを作ります。

「読みやすい見やすい綺麗なコンテンツ」「ニーズに沿った」ものにはなりますね。ただ、これでもいたちごっこで似たり寄ったりになってしまう。

やっぱりまだ「そのメディアは誰をワクワクさせ、幸せにする?」という部分が見えてこないのです。ユーザーは果たしてその細かいところは気にしているのでしょうか。

 

【メディアの根幹にあるミッション】

まず、根本には共感してくれる信念やミッションが必要です。

「競合がやっているからうちも参入!」的な本心が見え隠れする「明らかにミッションを無理やり作り上げたメディア」ていうのもあります。そんなのはさして意味をなさないんですね。

世界的に優れた事業会社にはそれにふさわしいビジョンが裏にあるよう、特筆しているメディアは強い信念を持ちそれを発する。そして不思議とそれをそのまま書き手に伝えやすい。結果全てに一貫性が出る。

そしてオウンドメディアが流行っている今「とりあえず立ち上げてみた」という方も多いと思います。ミッションというのは後追いでも見つけることができる。僕はそこにまでアプローチしたいなと思っています。

 

【稚拙さより大事な熱量】

そして稚拙さより重要な要素。”書き手の熱量”は確実に”共感”に反映されるのですがあまりその部分気にしていない方が多いです。

不思議と全く興味がない人の文章は「テキトーに書いてんなー」というのはわかってしまうものなのです。どんなに口で頑張りましたと言っても。

勿論ある一定の技量は求められますが、ちょっとくらい稚拙でもその気持ちが伝わってくるんですね。不思議と文章の面白いところです。

神は細部に宿るといいますが、結局元が「0」にいくら数字をかけようが「0」。この辺非常に日本人らしいなと思うのですが、原点に来るのは何かをスルーして細部の綺麗さを求める担当の方が多いのです。 

【よって必要になる”当事者性”】

そして”熱量”があるのは当事者をアサインし書くのが一番です。たとえコストがかかっても。

ちょうど昨日、オウンドメディアで成功しているLigさんとディレクション協会が主催するスクールに行ってきました。ヒアリングで根幹の部分で重要視していることがそもそも違うんだなということが本日確かなものとなりました。

具体的なHow toは多々あったんですが一番刺さったのは”自分が楽しいことは相手も楽しい”ということ。LIGは”自らがワクワクすることから発信”を始めたそう。この方針は基本的に今も変わらず。

みんなデザインが好き、エンジニアが好き、ディレクションでも自分の知見を発信したい。おふざけも好き。そうすると読み手も面白いと思う。最初からターゲットを定めたのではなく”後から内容を修正していった”そうです。

面白コンテンツばかりが注目される彼らですが、真面目な記事が自然検索にてアクセスのトップ。その知見を欲しい人や似た仲間が集まるんですね。閲覧者は一緒に働いてくれる見込みのある方であるし、かたや見込み顧客です。

結果「それでよし」となったそうです。書き手まで当事者であり、一心同体である必要があります。

 
【資産とするために必要な長期的な目線と仕組みづくり】

 

そして時間が必要です。PPC広告のように瞬発力がある存在ではありません。半年から年単位は見なければ構築はできません。「外注にずっと頼む」ことができるのはごく一握りの企業でしょう。

例えば今回のコンテンツマーケのミニマムプランは108,000円です。その予算内で100万PVのバズ記事を作り出したり確固たるメディアを構築するのは奇跡が起きない限り無理でしょう。「早く、安く、簡単に」であれば正直こちらこちらに頼んだ方が良いです。

メディアはそんな表面的なものではありません。成功させる上で「一緒に作る」という目線が非常に大事になってきます。「アウトプットを作る仕組みや基盤づくり」を御社内に作り出すことが重要なんです。 

僕は魚をあげるのではなく釣り方を教えたい。「仕組みや共感作り」を教えることができる関係性を構築したいと思っています。

 

【終わりに】

インターネットができる前は、良い雑誌や広告、文献を見て人は共感してアクションを起こしてました。それが一時的に麻痺していたけど、戻ってきただけなのかなと思います。単純にわくわくする何か。

メディア担当者さんは是非これを機に「単にSEOして上位表示する」だけじゃないんだよ、っていうことを知っていただけたら幸いです。それは「結果的に後から付いてくる」ものです。

必要なミッション、必要な書き手、必要な仕組み。もっと深くまで考える必要がある部分までサポートしていきたいなと思っています。

もしご縁があればどうぞよろしくお願いいたします。