先日は三菱東京UFJ銀行が在宅勤務のリモートワークを開始致しましたね。これからどんどんと在宅勤務OKを導入する企業が増えてくるでしょう。
上記の表、2013年度発表の東工大の比嘉教授の研究によるもので、本来リモートワーク(テレワーク)は9割のホワイトカラーの仕事で実施可能であるということです。
少し緩和されているのかもしれませんが、現状未だ企業は中々リモートワークに乗り切れないようです。その背景にあるものを本日はご説明致します。
【アウトソーシングやリモートワークがさらに加速する古今】
固定給という人的コストを抱えてしまうより都度のアウトソーシングでのリソース確保が確実になってくると思います。Face to Faceでやっている案件もクラウドソーシングなどでプロジェクト形式が増えてくることは間違いないと言われています。リモートワークでも同様。
がしかし、遠隔でできる部分を多くはFace to Faceで担っている現状にあります。
【リモートワークを実施できない原因】
オンラインでリモートワークを実施できないのはなぜでしょうか。原因を紐解いてみましょう。
■クラウドツールをうまく使いこなせていない
自分は基幹の業務用ツールとしてチャットワーク(Chatwork)を導入しています。こちらは100名以上でも可視化して業務を進められ、外部の企業とも仕事をやり取りできる秀逸なツール。スカイプのよう音声会話にて会議もタダで使えます。
エンジニアは昔から多くがスラック(Slack)を利用していますね。スカイプ(Skype)は以前からメジャーでありますし、Gmailの画面から直に音声会話できるハングアウト(Hung out)などもあります。
作業においてはGoogleスプレットシートなどオンラインで共有編集して進めるシートも出てきており、現在はそれがないと成り立たないと言ってもいいと思います。
密なコミュニケーションや連携が必要になる業務は、数十人単位でGoogleスプレットシートにログインして、チャットワークの音声通話繋ぎっぱなしで行うことも多いです。
シート上でお互いの位置が光って見えるので「◯◯さん作業間違っている、〇〇セル修正が必要だね」など即時リレーションができます。そうなるとFace to Faceとあまり変わらず作業を進行することが可能です。(むしろ個人的にはFace to Face より早い気がします。)
未だにエクセル及びメールでやり取りの企業も多いのではないでしょうか。レスポンススピードが遅いと業務は破綻してしまいます。
未だに全体でツールの使い方を共有できていない、もしくはツールを現場が提案しても組織がなかなか決断に至れなかったり、スイッチングコストでなかなか体制が構築できない場合が多いようです。使う側の人間の問題なんですね。
■几帳面な国民性ゆえ進めてこれてしまったこれまでと要件定義不足の今
業務を外注化であったり、オンラインワークを導入するためにはまず、業務を頼む側がある程度の要件を定義した「マニュアル」を作れなければいけません。大体がここをうまく作れずに外部で進行できるのものを進行できずに終わっているようです。
実はこう言った部分は外国の方が優れていると言われています。特にアメリカなど新しい国ではさまざまな人種が入り乱れ要件定義をしっかりとしないと業務が成り立たなかったのだそうです。
しかし日本は単一民族であり根が真面目。よってディスカッションの必要なく「とりあえずやって覚える」という非言語コミュニケーションでもなんとかなってきてしまった歴史があるそうです。
言語化、可視化していないで進むと余計なエラーを生み出してしまいますね。日本人の生産性が低い要因の一つとも言われています。
毎回炎上する会社の制作マニュアルを見ると重要項目が抜け落ちていることが多いです。だいたいは「発注側の要件定義が抜け落ちている」又は「定義できるのにできるのに気づいていない」場合が多いです。
万人が均一した結果を残せるようにすることこそがマネジメント。8割方は「ワーカーさんの感性の問題」ではなく業務を頼む側の問題。仕様の切り方で修正の余地が十分にあります。
やはりマニュアル作成にはそれなりに工数がかかるのですが、実は外注慣れしてくるとだいたい叩き台は変わらないことに気づきます。握るべき部分を把握し、一回フローを構築してしまえばあとは容易、プラッシュアップして精度を高めれば良いだけです。
https://biz.teachme.jp/function/application/
僕はパワポをドロップボックスなどで共有したり、Googleのスプレットシートでなんとかしてしまいますが、現在は簡単にマニュアルを作れるアプリもあるので予算が許される方は利用してみると良いでしょう。
■サボるんじゃないか、適切な成果物が上がってくるのかという不安
給与を払っていてもサボるのではないか、という不安がある企業も多い模様です。しかし結果達成すればいいのです。
それまでのプロセスは個々が自律して定めればよく、この辺の文化がある為リクルートさん早く実施は早くに実施できたということもあるのかも知れませんね。(リンク先でノウハウを公開しているので参考になるかもしれません)
まずはしっかりと必達のアウトプットの定義を与えることが大事です。個々のスキルはばらつきがある為、もし不安がある場合は個々の技量に応じてマイクロマネジメントをし、プロセスまでを案内、日々のタスクの細分化をしてあげることが重要です。
進捗は可視化できるシートなど現在のツールを使えば容易に可能。発注側のマネジメントの仕方が重要となりますが、意外とすんなりと解決できる課題です。
実際にやってみるとわかるのですが、”就業時間”が存在しない分四六時中業務にとらわれることになるため、在宅側がかなりワーカーホリックになりやすいです。実は「サボらないか」というより、向こうのオーバーワークを防ぐマネジメントの方がはるかに重要であったりします。
なお、在宅側はオフィスにいるよりはるかに自分のタイムマネジメントが上手になるでしょう。
【結果クラウドソーシングが利用できていない(単価が上がっていない)現在でもある】
クラウドソーシングで単価が上がらないという事柄も根本にある問題は一緒です。
上記マニュアルなどでの要件定義ができず、ツールを案内できていない中で制作オペレーションはできません。ディレクターなしくて高度な案件は外注不可能です。
結果「WEB内職」みたいになってしまっていますね。
時間の問題で緩和されてはくると思いますが、現状まだあまり流せていない状況であると感じ、個人的にも一番最初の表にあるよう使いこなせば90%の業務は代替可能であると往々に感じます。
【将来崩壊する年功序列、柔軟な労働を導入する必要性】
人口ピラミッドを見てみましょう。まずは直近。
そして未来。
表の青面、総労働人口は減りつつあります。
年功序列は給与が一生上がり続ける特性上、人的コストがかからない若い年齢層が相対的に多いことを前提とした制度ですので崩壊します。中小企業はすでに半分しているのが実情かもしれません。
旧来のよう正社員に頼らなくても成長できる体制、柔軟に人的リソースをどう調達するのかが鍵となってきます。
【オンラインワーク当たり前になる未来へ向けて】
オンラインワークが当たり前となりつつあろう未来、起業して現在まだ正社員を雇っていない人や、従来であったらリソース確保が難しい地方の方々には”チャンスな状況”でもあります。
オンラインで毎回毎回業務をクラウドワーカーさんに頼んでいると「半分正社員と変わらないじゃないか」と思うことも往々にあります。これから更に垣根は無くなってくるでしょう。
ぜひ皆様もその体制を構築してみては。社内の体制を変えたいという方は是非ご連絡を。