●チームの紹介
はじめまして私たちはウミネコクラフトと申します。
釣りバカ・メカマニアな私と、その妻で本プロジェクトを成功させるべく準備を進めてまいりました。もともと趣味で釣りのための動力SUPを自作してきました。試行錯誤をするうちに、デジタル技術を使えば個人でも高性能な2馬力SUPが作れることがわかりました。
とても楽しい乗り物ができたので自分以外にも乗ってもらいたい!という思いからクラウドファンディングに挑戦させていただきました。
金型などは不要なので、1艇からキットをご用意させていただきます。
ご支援いただけると幸いです。
ウミネコクラフト設計担当(と助手)
●クラウドファンディングに挑戦した理由
私はもともと自分だけのために究極の1艇を目指して趣味で2馬力SUPを制作していました。しかしたまたま、CADデータを元にデジタルファブリケーション※の手法で2馬力SUPを作るという手法にたどり着きました。この手法ではデータを元に部品を切り出して組み立てるため、最初の1艇を作ってしまえばそのデータを用いて複数の同型艇を作ることが可能です。
しかもこの2馬力SUPには簡単・正確に組み立てるための工夫を施しているため、自分以外の人にも作っていただけそうなものができました。
そこで、快適に釣りがしたい多くの方にもこの2馬力SUPを届けられると思い、本クラウドファンディングに挑戦させていただきました。
※デジタルファブリケーションとは
デジタルファブリケーションとは、デジタルデータを元に創造物を制作する技術のことです。デジタルファブリケーションの手法を用いることで個人レベルで高度なものづくりが可能になり、新しいイノベーションや経済が生まれることが期待されています。(総務省HPより)
●2馬力SUPの技術的ポイント
・船体形状
2馬力ボートとしては珍しい滑走型の船体形状です。一見ただの和船のような細めのボートですが、2馬力での滑走と快適な釣りを両立するために試行錯誤を重ねてこの形状にたどり着きました。
V字底とサイドのエッジ(ハードチャイン)があるため、風による流れが少なく、一般的なSUPやゴムボートに比べて釣りがしやすくなっています。
・CADによる設計
CADを使用し、簡単な組み立てと高剛性を両立しています。また、船体の各曲線も自然に見えるようにデザインしています。
・シットオンタイプ
SUPなのでシットオン(密閉された空気室の上に座る)タイプです。仮に転覆したとしても船体が浮力を失うことはありません。


・軽量高剛性なサンドイッチ構造
飛行機の翼や木製サーフボードを参考に、船体をサンドイッチ構造で作っています。サンドイッチ構造の船体は一般的なカヤックやポリエチレンボートと異なり、外側の板が頑丈である必要がありません。なので、重くなりがちなエンジン付きのシットオン艇でありながら軽量にできています。さらに、サンドイッチ構造による高剛性が船体のたわみによるエネルギーロスをおさえ、高速性に寄与しています。

・エンジン位置
エンジンは船尾から50 cm ほど前よりに装着します。これにより、2馬力ボートにありがちな「船尾の沈み込みで速度が伸びない」を解消しています。また、船尾左右の浮力が大きいことから、どっしりした安定感につながっています。
さらに、エンジンが前よりにあることで釣りをしているポジションからエンジンにアクセスしやすく、船体の真ん中から動かずに釣りと移動を完結できます。

・積載性・保管場所
船体重量は19 kg と軽量です。さらに、トランサムを取り外し式としたことで、船体の高さを最小限にすることができました。このため、ひっくり返した状態で車載でき、ルーフキャリアとクッションだけで車載できます。船体の厚みが薄く車の上部高さが低く抑えられるため、2馬力SUPを車載したまま立体駐車場などに入れます。
また、軽量で厚みが薄いためカヤックやボートと比べて保管場所の自由度が高いです。

・エポキシ使用FRP
外側のFRP化に一般的なボートに使われる安価な不飽和ポリエステルではなくエポキシを使用します。エポキシは防水性や耐久性で不飽和ポリエステルに比べて優れています。不飽和ポリエステル樹脂にはとれにくい独特のきつい匂いがあるので一般家庭での使用はおすすめできませんが、エポキシなら匂いが少なく室内でも使用可能です。
・合板の材質
耐水合板(1類)3 mm 使用 建築で水回り周辺などに使われる耐水性の強い合板を使用しています。
・浮力体内蔵可能
組み立て時に内部にスタイロフォーム等を封入していただければ、仮に船体に大穴が開いても浮力を確保することができます。
・簡単組み立て
割りばしをクサビとして使用し、部品を簡単に固定できます。たくさんのクランプや船台がいらないため、リビング等の室内で作製することができます。


・2馬力SUPを他のタイプのボートと比較したときのメリット

●2馬力SUP開発のきっかけ
元々釣りが好きで東京湾でシーバスやクロダイ釣りをしていました。しかし、陸からの釣りではどうしても釣り場の混雑などでストレスがたまることも多く、勇気を出してSUPフィッシングを始めました。SUPフィッシングを始めると、それまでめったに釣れなかった大きな魚を狙って釣ることができる!ということに感動し、SUPフィッシングにのめり込みました。
しかし腰をいためてしまい、SUPの「あぐらをかいた状態でパドルを漕ぐ」という動作が痛みで難しくなってしまいました。それでも鎮痛剤を飲んで釣りに行く日々でした。
いよいよ痛みがひどくなってきたころ、元々バイクいじりや工作が趣味だったこともあり、部品を自作して草刈り機タイプの船外機をSUPに乗せてみました。その当時、動力付きのSUPがとても気持ちよくて楽しかったため、今にいたるまで2馬力SUPの改良と船体の自作を重ねてきました。
SUPに船外機をつけて釣りをするようになってから腰痛も改善しました。どうやらあぐらをかいてパドルを漕ぐ動作が腰に悪かったようです。
●2馬力SUP開発のあゆみ
より高速で気持ちよく釣りができる究極の1艇をつくるべく試行錯誤を重ねてきました。2年間で4号機まで試作し、ようやく満足のいく1艇を作ることができました。下の写真は歴代の2馬力SUPです。
・2馬力SUP0号機
インフレータブルSUPにイレクターパイプで作ったトランサムを装着し、草刈り機タイプの船外機を装着しました。手漕ぎに比べるとずいぶん楽で、当時自分にとって革命でした。
しかし、当然SUPはエンジン積載を考えて作られていないので、時速8 kmくらいから船尾が沈み込み、抵抗が増えてきます。さらに、船尾の左右の安定性(復原性)が不足しているため、船外機への給油時や、プロペラに絡まった藻を外す際に船尾に寄って作業するととても不安定になります。あとこれは気分の問題ですが、もし魚のトゲで穴が開いたら、と考えるとなかなか気持ちが落ち着きませんでした。
2馬力SUP0号機
・2馬力SUP1号機
スタイロフォームとダイソーの発砲スチロールブロックをFRPで固めただけのやっつけ仕事で2週間で制作。エンジンを船尾から60 cm程前に装着しています。エンジンをオフセット搭載した船体は滑走性・安定性が良好でしたが、FRP加工技術が未熟だったためダイソー発砲スチロールブロックに浸水。試験後に海水を吸った船体が重くなりすぎてなかなか車まで運べず、さらに車の屋根に積載した船体から徐々に海水が漏れだして車が海水まみれになるという失敗をやらかしました。
船体形状のコンセプトはこれで良さそうだということがわかりました。一方、スタイロフォームを削る手法ではキレイな施工が難しい。そもそも最適な形状にスタイロフォームを加工する技術が私にはないことに気づきました。
1号機の失敗が、エンジンを前進させた船体を3D CADで設計する方針につながりました。

・2馬力SUP2号機
1号機での失敗から、3D CADで設計して船体形状を決め、その展開図の形に合板を切り抜き組み立てるという手法を考え付きました。手探りでトライアンドエラーを繰り返して何とかデータを作製。近隣のデジタルファブリケーション※施設で四苦八苦しながら合板をCNCルーターで加工して何とか船の形を作りました。
その結果、3D CAD+CNCルーターで船体が作れることが判明。
2号機の最高速度は15 km/h程度で加速も速度感も今一つ。船底形状については、流線形の船底形状では速度に限界があり1号機のやっつけ平板な船底形状の方が滑走しやすく速度的に有利であることがわかりました。これについて調べてみると当たり前の現象だそうで、比較的ゆっくり進むヨットやカヤックの船底形状は流線形ですが、速く進むプレジャーボートや遊漁船の底は平坦(V字ですが)で後端が切り落とされたような形になっています。船の速さを表すフルード数という値があり・・・・(中略)。結局この2馬力SUP2号機の教訓から、「2馬力ボートは細長くて底が平らであれば速度が出る。」ということがわかりました。

・2馬力SUP3号機
2号機の教訓からとにかく滑走しやすい船型にして、2馬力で自在に滑走できることを確認しよう!というコンセプトで3号機を制作しました。細めの85 cm(インフレータブルSUPと同じ)とし、船尾の浮力と揚力を大きくする船型にしました。船首の形状は喫水線をなるべく長くとるために立ち上がった形状としました。
船体を確実に滑走させるために軽量化にもこだわりました。軽量化のために内部の肉抜きを行い、最適な薄さのガラスクロスを使用する等の改善により、1号機で25 kg程度だった重量を 20 kg 程度に抑えることができました。
その結果3号機は2馬力船外機で軽々と滑走し、時速16 kmで巡行しました。しかし、立ち上がった船首と揚力重視の船尾の形状から・・・(中略)。結局、「2馬力で自在に滑走する船を作ることは可能。船首は立ち上がってないトラディショナルな形の方がよさそう、船尾もフラットな方が何かと良さそう」ということがわかりました。
2馬力SUP3号機
・2馬力SUP4号機(本プロジェクトのプロトタイプ)
これもCAD設計。2馬力で滑走する性能を持たせつつ、横幅は余裕のある90 cmとして釣りのための安定感も追及しました。凌波性、抵抗削減、組み立てやすさなどを考えた結果、シンプルな和船のような形状に落ち着きました。さらに組み立てやすさにも工夫を施し、割りばしをクサビにすることで簡単に部品の固定が行えるようにしました。
重量については、幅を90 cmとっているにもかかわらず、内部の肉抜き、ガラスクロス積層の最適化、エポキシの使用などによって19 kgに抑えています。
走行テストの結果、最高速度は17 km/h 程度で、安定性も十分でした。今までの試作で初めて満足する艇ができたと思っています。速度と安定が良いのはもちろんですが、私が特に気に入っているのは旋回性です。まるで海の上で原付に乗っているような感じでカーブでき、これがすごく気持ちがいいです。
とはいえ、私は現状のプロダクトでベストであるとは思っていません。どこが壊れやすく補強が必要なのか?もっと作りやすく形状変更できる部分はないか?より良い素材はないか?これからリターンをお届けする直前まで細かい部分の改善は続け、部品形状、使用推奨部品リストおよび作製マニュアルに反映させていただきます。
2馬力SUP4号機
・滑走サイドフロート
2馬力SUPの制作で得た知見を活かし、滑走を前提とした低抵抗なサイドフロートを制作しました。サイドフロートも2~4号機と同様CAD設計で制作しています。
現在市販されているサイドフロートは当然ですが2馬力船外機で滑走をするようには設計されていません。どれも「船体の横に浮力を足せば横の安定性が増加する。」「前後対象に作れば型が一つで済む」くらいの認識で作っているように思えます。確かに時速10 km/h 程度の速度域や、馬力に余裕のあるボートであればそれでも良いのかもしれません。
2馬力SUPは横幅90 cmあり、横の安定性は十分あるので私自身はサイドフロートは不要だと思っていますが、冬の釣行時などに安心感が欲しい方はやはりいるのでは?と思い作ってみました。実際に装着してみるとトリマラン(三胴船)っぽくなってかっこいいのでこれはこれでアリかもしれません。
サイドフロートも船体同様に合板の部品を割りばしと結束バンドで締めていけば簡単に作れます。船体との取付にはイレクターパイプを使用します。サイドフロートの体積は約5 L/1個で、重量は1.1 kg/1個です。
滑走サイドフロートのプロトタイプ
滑走サイドフロートの部品
●リターンについて
・2馬力SUP組み立てキット部品
本プロジェクトのリターンは、2馬力SUPの木製部品、作製マニュアルおよび必要物品リストのみです。
その他の接着剤や、FRP化のためのガラス繊維、トランサムの素材のイレクターパイプ、養生部材などは、アマゾン等のネット通販、ホームセンター、100円ショップなどで等で購入する方が安上がり(クラウドファンディングだと手数料がかかってしまいます。)なので、あえてリターンには含めておりません。必要物品については推奨商品名、推奨購入先、必要数目安、注意事項等を記載した必要物品リストに記載しておきますので、支援者様にてご購入をお願いいたします。
・滑走サイドフロートの組み立てキット
滑走サイドフロートの木製部品、作製マニュアルおよび必要物品リストです。接着剤や塗料などは2馬力SUP本体で使用した残りが使いまわせます。サイドフロートにはそこまでの強度や耐久性は不要なので、FRP化はせずに塗装のみで簡単に仕上げるつくり方を推奨いたします。
・プロトタイプ半完成艇
2馬力SUPの組み立てキットを作製するにあたり、組み立て作業の検証やマニュアル作成の写真撮影のために何艇か作製しようかと考えており、それらを買い取っていただける方を募集いたします。
プロトタイプ半完成艇は、船体のFRP化、研磨、クリア塗装まで完了した状態でのお渡しとさせていただきたいです。 あくまでもプロトタイプですので、塗装や仕上げのクオリティは「一応そのまま海に漬けても大丈夫」くらいだと思っていただきたいです。艤装もしておりませんので、デッキのすべり止め、Dリング等のご用意をお願いいたします。
また、誠に勝手で恐縮ですが、大型ですので横須賀まで取りにきていただける方限定での販売とさせていただきます。
●2馬力SUPの組み立てにかかるコスト、時間及び必要工具
・組み立てにかかるコスト

・組み立てに必要な時間

・必要な工具
●2馬力SUPのスペック
・全長 330 cm・最大幅 90 cm
・重量 19 kg(外側のFRPの厚みにもよります。)
・巡行速度 15 km 以上(2馬力船外機使用の場合。海況により変化します。)
・最高速度 17 km 程度(2馬力船外機使用の場合。海況により変化します。)
・乗船人数:1人推奨
●リターン発送までの実行計画およびスケジュール
・少数のご支援をいただいた場合
→デジタルファブリケーション施設のCNCルーターで組み立てキットを作製し、期限まで発送いたします。
・多くのご支援をいただいた場合
→レーザー加工機を自前で導入し、レーザー加工で組み立てキットを作製し、期限までに発送いたします。
●FAQ
1. リターンの2馬力SUP組み立てキットには何が付属しますか?
→2馬力SUPの木製部品、作製マニュアル及び必要物品リストが付属します。
接着剤やガラス繊維等はリターンに含まれる必要物品リストを参考に、支援者様自身でのご用意をお願いいたします。
2. 船外機はどれを選んだらいいんですか?
→下表をご覧ください。最終的には好みで選んで問題ないと思います。設計者はホンダBF2DHとマーキュリー2Mを気分で使い分けています。

3. ご質問等ございましたら随時回答させていただきますので、コメントいただけますと嬉しいです。
●安全に関する注意事項
2馬力ボートはエンジンがついているからと言って行けるろとこまで沖に行っていい訳ではありません。トラブル時には手漕ぎで帰れる範囲の距離、気象条件、海況等を判断してお楽しみください。予期せぬトラブルや自分のミスで推進力を失うことがあります。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。






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