シュタイナー学校で小学校の時期を過ごされた大分を中心に活躍されているミュージシャンのUtaさんからの応援メッセージをこちらにも掲載させていただきます。
Utaさん、温かなメッセージをありがとうございました!
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シュタイナー教育を通信で受けられる高校が誕生するかもしれない、とのお話をお聞きし、時代の変化に驚いています。
私は、日本に初めて出来たシュタイナー教育の全日制小学校「東京シュタイナーシューレ」に、一期生として、7歳から11歳まで通いました。
私の両親を含む数組の保護者がシューレを立ち上げ、その後たくさんの保護者の方が関わりながらめでたく学校法人となりましたが、最初は東京高田馬場のアパートの一室からのスタートでした。
その頃の壁や絨毯の色、美しいカーテンや手触りの良い木の机、水彩画の質感や匂い、大人たちの情熱。今でも鮮明に覚えています。
大学を卒業してからは営業職やコーディネーター、講師業に従事しましたが、どんな職場に行っても、幸せなことにいつも「これが私の天職だ!」と思いながら働けていました。
でも、数年経つと物足りなくなっていく…。この仕事は別に私でなくても出来るのでは?私にはもっと可能性があるのでは?そう感じて、しっくり来るまで転職を繰り返しました。
34才。子どもを産んで間もない頃、ある日ふとミュージシャンになろうと決意し、手探りで音楽の道に進みました。やっと本物の天職に巡り会えた。そう思いながら10年間続けることが出来ています。
今とても自由で、とても幸せです。
急に作詞や作曲の依頼が来ることがあります。先日はやったことのないナレーションの依頼が来ました。
何処かで基礎を学んだわけではないないので、一瞬たじろぐこともあります。
でも、自分の中には何かを生み出す源泉があるんだと信じているので、そこから音や言葉を取り出して、いつもどうにか形にすることが出来ています。
「私はやれる。生み出せる。」そんな自信や勇気は、シュタイナー教育を受けたことで知らず知らずのうちに染み付いたんだろうなと思っています。思い返すと、毎日毎時間何かを生み出してばかりでしたから。笑
時には相手の望む作品を作り出すのにかなり苦戦することもあります。でも、最終的には自分を信じているので、時間をかけながらも、なんとか自身の中から答えを見つけることが出来ています。
あぁ良かった、今回も無事に生み出せた…シュタイナー教育に感謝!
そんな風に何度思ったか分かりません。
あと、学生時代には、ここは自分にとって幸せな場所なのか、心地よく過ごせる集団なのかを考えて、これは違うなと思った時にはスッと離れられたのがとっても楽でした。
何故かは分かりませんが、とにかくいつも満たされていて、私は私。と思って生きてきました。
自己肯定感が高いかと言われたらそうでもないんです。でも、いつも自分に満足していました。
だから、あ、合わないな、ここにいると自分がすり減るかも。と思った集団からはすぐに離れて一人になることを選んできました。
それはそれで楽しくて。誰にも邪魔されず一番前で授業を受けて、一心不乱に勉強する、一人で好きな物を食べる、とにかく部活に打ち込む。
そのうちに本当に気の合う友達と自然と仲良くなる・・・そんなことの繰り返しだったように思います。
今でも、この人と音楽をやりたい、この人と関わりたい、この人からの依頼だから頑張れる。そんな風に、一つ一つ納得しながら活動しています。
納得出来ない依頼は、後々大きなストレスになって体調を崩してしまうので、お受けしないように心掛けています。
こんな風に生きていられるのはシュタイナー教育のお陰です。
一人でも多くの子ども達に、自由に幸せに生きて欲しい。納得した人生を歩んで欲しい。
シュタイナー教育は、その根幹となる部分を大事に育んでくれます。日本でもより多くの方が気軽に選択できるようになると良いなと、心から願っています。
Uta