癌について⭐︎27(五年生存率の秘密と課題)
新薬「フリュザクラ」が始まり、数日。副作用と闘っています。
今日は「五年生存率」について書こうとおもいます。
私がよく言う「余命」は「このレベルの癌を患った人の死亡までの平均年。平均月。平均日数」です。
癌の患者の命に関して算出されるデータとして、もう一つ「五年生存率」というものがあります。
これは「癌の種類別に、5年間のデータをとり、何%の患者が『生き残れるか』」という値であり、癌の重病度を示す基準に使われます。
私の場合「S状結腸癌→ステージ4の大腸がん腹膜播種(全摘)→ステージ4肺がん 多発転移の患者の五年生存率」を算出すると。
今からの五年後の生存率は「0%」です。
ここで一つめの問題。
巷で言われる「国民の2人に1人が癌になる時代」は「国民の人口」分の「癌患者」です。癌患者には私のように1人で3つの癌を持った人がいます。私の周りにもたくさんの「数種類の癌を患っている方」がいます。
つまり「韓国がクリスチャン率50%」と同様、複数の教会を掛け持ちしている人が多いので、パーセンテージが上がるシステム。なのでご安心ください。
ちなみに今癌を患っている人に「今は2人に1人が癌になる時代だからなぁ」とか。「俺も明日交通事故で死ぬかもしれないし」と言った事ある方は、今日以降その発言をやめてください。
口悪くて御免なさい。私も何回か言われた事があるのですが、頭突きで返したようなしてないような…忘れました。笑 (※注 女性には頭突きしません笑 )
癌や交通事故で死ぬのは頭突きの痛さの1000倍の痛さが、何ヶ月も続くようなものです。
五年生存率に戻ります。
今数値で出されている「五年生存率」は、「過去5年の癌の種類別の生存率」です。
日本で癌の酷さを表現するために出される数値は「実測五年生存率」といいます。
実測五年生存率は「癌にかかった患者が、どんな原因であっても死んだら「死亡」と認定して、パーセンテージを出すものです。
他には「相対五年生存率」があります。これは「最後まで癌だった癌が原因で死んだ人のパーセンテージ」です。
日本で言われる「実測五年生存率」には大きな問題があります。
まず、や抗がん剤化学療法や手術の費用」や、「抗がん剤治療の副作用含め、悲惨な状況、体調、痛み」などが原因で抗がん剤化学療法をやめてしまう人がとても多いということ。
その場合、本人は鎮痛剤を使用するとしても多大な痛みに苦しみ、死を迎えます。
また、現代言われている「免疫療法」などの抗がん剤以外の治療法は保険の適用外なので、抗がん剤化学療法よりかなり多くの資金が必要です。
癌患者は私のようにデータ、本そして病院などで与えられる情報(医師、看護師さんとの話などなど)や癌の情報に詳しい人が多いです。治療を勧めることにおいて、癌専門医以上の知識と責任が必要だと私は思います。
そしてもう一つ。それは「癌を患った患児の死亡の原因です。
つまり「あなたは癌です。五年生存率は14%です」と告知された後、「多大な費用と、相当の苦しみ、痛みの中で、あなたはどうしますか?」
という現実を毎日のように突きつけられるのが癌の治療と言って過言ではないです。
私も9年間6回の手術と120回の抗がん剤化学療法を受けてきました。
そのなかで何度も「こんな悲惨な状態でも(見た目を含めて)あなたは生きていくのか」という「生きるための選択」に余命宣告のたびに向かいのあってきました。そして今も向かい合っています。
癌を患っている人を「癌サバイバー」と表現する事があります。それはただのサバイバルゲームを山でしているのとは違い、癌患者は一瞬一瞬に毎日毎日、「選択を誤ったら死す」という「castaway(映画 トムハンクス、2000年 ウィルソンという名前のバレーボールに対するトムの演技が凄すぎる、バレーボールとの別れに涙する大作です!!!!)=難破 漂流 無人島という状態にいるということをうまく表した造語だと思います。生きるにはそれ相当の勇気が必要になります。
現実、癌と診断された後、自ら命を絶った人は数多くいます。私の周りにもいます。
それが「日本で癌治療をする」ことにおいて毎日のように起こっている現実であり、その方も含めて今の「実測的五年生存率」は計算されているのです。
本当に医学の進歩で小さな小さな癌も発見される時代になりました。早期発見が癌治療にとって最大の課題です。つまり「早く見つかれば助かる」時代になりました。また私の周りにも沢山の「癌と共に(治療をしながら)生きている人も沢山います。
昭和時代、医学的に認知され出した「悪性新生物」。
本来は生体の自律制御をはなれて自己増殖する細胞集団という意味でこのような名前が付けられました。当時は治療が高額で即死する不治の病とされていました。
令和の現代、最先端医療が続々と発明されるなかおいても、癌の治療は「高額」そして、癌の患者に必ず突きつけられる「生きるための選択」という事実は全く変わっていません。
小児がんにしてもそう。現在最先端とされる「微粒子治療」は100から300万円。保険適用になりましたが、この放射線治療を受けれる子どもたちと、受けれない子どもたちがいるのが現実です。
その中で激痛と悩みの中で、自ら死にゆく孤独な魂があります。
その苦しみの中で混乱し、泣き叫ぶ悲鳴があります。
1人でクリスマスも病棟で頑張る子どもたちがいます。
今晩しくしく病棟で泣いている子どもたちがいます。
その人を支える家族がいます。
そして。その人を支える沢山の「祈り」があります。
これからも最先端医療の発達により(ダビンチ 医療用ロボット 検索してみて⭐︎笑)さらに多くの癌と宣告される癌患者が増えていくことでしょう。
ならば、癌の医療がもっともっと「誰でも受けれる治療」にならなければならない。
全く足りていない国の援助体制や、癌の治療をもっとスムーズに輸入するシステムを作らなければならない。
もっと沢山の方に今の癌治療と癌患者の現状を知って欲しい。
大人の私たちが癌という重荷を負った子どもたち、そして家族やきょうだいたちに何ができるのか。
何年も生きて癌に立ち向かってきた癌サバイバーとして、「誰かのために、子どもたちのためにできること」はまだまだ山積みです。
まだまだ皆様と一緒にできる仕事があります。
たかお編みぐるみ工房 原田隆夫
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