・キックオフ、イベントレポート(24年8月)
https://grit-project.org/info/817/
・ブースト会議、イベントレポート(24年9月)
https://grit-project.org/info/838/
・八合目会議、イベントレポート(24年11月)
https://grit-project.org/info/889/
・クリエータ紹介
https://grit-project.org/info/809/
初日は各クリエイターのプレゼン練習会を行いました。会場は、名古屋日興證券ビル SMBC日興証券の会議室を使用させていただきました。
スクリーンやモニター、音響機材など、本番さながらの環境を整えて、計2回プレゼン練習とPMや事務局メンバーからのフィードバック、資料の最終調整を行いました。
本番用の資料調整は21時で〆切、クリエイターは睡眠をしっかりと取りつつ、寝る前や翌朝に自主練に勤しむなど、翌日に備え、各々本番に向けてコンディションを整えていました。
一夜明け、いよいよ2日目、DEMO DAY本番です!!
会場は名古屋駅から徒歩8分にある、閉校となった旧那古野小学校をリノベーションして生まれたインキュベーション施設「なごのキャンパス」を使用させていただきました。
クリエイターたちは緊張の面持ちで会場入りし、思い思いの場所で直前までプレゼンの練習をしている姿が見受けられました。
いよいよDEMO DAY本編がスタート。最初はこれまでのクリエイターの軌跡をまとめたオープニング動画です。
続いて、主催代表としてGRIT事務局(未踏的女子GRITコンソーシアム)の株式会社Wakumi 椎名 愛実、奥田統括PMからご挨拶させていただきました。椎名からはGRITの目的や本年度の開催経緯の説明を、奥田統括PMからはGRITの由来であり、かつ参加クリエイターに培ってほしいと常々伝えてきた「Guts(困難なことにも立ち向かう度胸)」「Resilience(苦境にもめげずに立ち直る復元力)」「Initiative(自ら目標を見つけて取り組む自発性)」そして「Tenacity(最後までやり遂げる粘り強さ)」に沿って、プレゼン前のクリエイターへメッセージを送りました。
今回のDEMO DAYはゴールではなく、あくまでもこれからの道筋に向けてのスタートラインでしかない、というお話が印象的でした。
会場の期待感が高まったところで、クリエイターピッチが始まりました。
最初の登壇は、「たなさく」こと田中桜さんです(GRITでは期間中、お互いをニックネームで呼び合っていましたので、ここでもニックネームでご紹介いたします)。
たなさくは、NID(長岡造形大学)の学生へ向けた、技術を活かした有償インターンシップ「コンパスインターンinNID」の運営をGRIT期間中にスタートしました。やむを得ない事情により、大学の授業のほかはほぼ全ての時間をアルバイトに当てざるをえなかった自身の境遇を原体験として、学生が自分の技術を磨く時間を減らさずに、生計を立てられる未来を作りたいという想いが語られました。また、すでにインターンの受け入れ企業も複数見つかっており、事業としてしっかりとスタートしていることの紹介や、将来的には貧困学生を支援する教育ファンドを作るという宣言もありました。
続いては、「つっきー」こと加藤奈月さんです。つっきーは「Life as woman project」と題し、女性が落ち着けるトイレがもっと世の中で広がるように、より良いトイレ環境の起業への提案、トイレを含む女性のための社内環境整備の取組みを進める企業を紹介するWEBメディアや、いつでもトイレの個室内で生理用品の購入ができる仕組みの開発の3つの軸を進めることを宣言しました。
すでに取材や生理用品の設置がGRIT期間中に進められており、今後一年間の数値目標も示されました。
3人目は「デザインとは?」という挑戦的なタイトルでプレゼンテーションに臨んだ「みなりちゃん」こと谷口美愛さんです。
未完成の自分が挑むデザインの本質を探る挑戦の記録、として、これまでみなりちゃんがデザインに本格的に取り組むようになった経緯、そして「世界一有名なデザイン会社を作る」という今の夢について熱く語りました。
夢の実現のため、すでに海外へのインターンシップや留学について準備を進めていることも報告されました。
続いては、「ゆいちゃん」こと咲比ユイさんです。ゆいちゃんはGRIT期間中に、自分の軸が「旅」であることを見出し、ルーツを辿る旅のサービス「ReRoot」を考案しました。
ReRootの発表では大半の人が実は知らない自らのルーツ(家系図や先祖のストーリー)を辿ったり、人を起点に各地に新しいルーツを作る旅のサービスのコンセプト、実際に実施したデモツアーの様子が紹介されました。
5人目の「りこちゃん」こと東莉子さんは、「フィリピン人が喜ぶサービスを」と題し、フィリピンでの取組みと展望を発表しました。パートナーの実家が今年開業した古着屋ビジネスに伴走するなかで直面した様々な苦難やハードル、そしてそれをどう乗り越えてきたのかについての紹介がありました。一緒に悩みながら試行錯誤を繰り返した結果、お店や家族の雰囲気がガラッと変わり、売り上げも明確に上昇しているとのことでした。
ゆくゆくはこの経験をどんどん広げて、より多くのフィリピン人に希望を届けたいと語りました。
最後の発表は、「きゃろ」こと平田唯さんです。きゃろは、「金継ぎSelf」という、日本の伝統工芸である金継ぎに着想をえた、日々デジタル上または実物の破片と向き合い、感情を表現し、自己愛のアート作品をコレクションする新セルフケア体験サービスのプロトタイプを発表しました。
プロトタイプとはいえその完成度は高く、すでに多くのモニターからフィードバックを得ており、今後の方向性も明確に示されました。
それぞれの発表後には、担当PM、ご来場いただいたゲスト、他のクリエイター、統括PMからコメントがありました。これまでのクリエーターの葛藤を知る担当PM等からはねぎらいや今後に向けての激励の言葉が、今回初めてプレゼンを聞いた方からはあたたかい感想やエールが送られました。
クリエータピッチに続いて、統括PMの奥田と、会場のなごのキャンパス 企画運営プロデューサーの粟生 万琴さん(株式会社LEO 代表取締役CEO)にてゲスト対談を行いました。
まず会場のなごのキャンパスについて、「次の100年をつくり出す」というコンセプトや目的などをご紹介いただきました。
また、十数年来の仲である二人のトークのなかで、まだまだ不十分ながらも未踏事業に少しずつ女性が増えてきたこと、もともと未踏で要件としていたプログラミング能力が、本格的なAI時代の到来にいたり本当に必須なのかという問題提起などがありつつ、クリエーターのプレゼンテーションについて、粟生さんからは、
「カッコいいビジネスモデルやプラットフォームなどはないけれども、皆さんの情熱、マインドが乗っていた。それが良かったし、今後も重要になってくる」
というコメントをいただきました。
最後は、これまで4か月のGRIT期間を、もがき苦しみながら駆け抜けてきたクリエイターへ担当PMから修了証の授与が行われました。
それぞれの顔には、これまでで一番の笑顔が浮かびました。
写真撮影の際にはクラッカーのサプライズも。
(クラッカーの音に驚いているクリエイターの皆さん)
本編終了後には、客席後方のスペースにて交流会が開かれました。熱意のこもったプレゼンテーションに接したご来場の皆さまが積極的にクリエイターと交流されており、非常に熱量の高い時間となりました。
本年度の未踏的女子発掘プロジェクトGRIT2024@中部のDEMO DAY、成果報告会を無事このような形で迎えることができ、ここまでご支援、ご尽力いただきました関係各位の皆さまに、この場を借りて心から御礼申し上げます。
クリエイターにも伝えておりますとおり、これはゴールではなく、あくまでもスタートラインです。これからもGRITの理念の一つである「女性に自由に夢中になって開発に取り組める機会を提供し、 周りの環境に負けず、世界に飛び立つ女性クリエータを発掘・ 育成する」ことを追及してまいります。
今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。