2024/06/13 23:30

2016年8月。

小田原のタワーレコードがなくなった。

毎週水曜日に通っていた僕にとっての大切な場所がなくなった。中学生の頃から通っていたし、小田原のロック小田原イズムが行われる時には自分たちのバンドのデモCDを置かせてもらったり、本当にたくさんの思い出が残る場所。改めて、自分の人格を形成させてもらったのは小田原のタワーレコードだった。

CDを買って自宅でCDプレイヤーに入れて聞くまでの時間が好きだった。


好きなバンドのCDを発売日に買う。それは試聴機にも入っていない。帰り道、とりあえず袋から出してみる。封を開けてみる。開いてみる。プラスティックケース特有の香りを感じる。盤面の印字された文字をみる。歌詞カードをみる。まだ聴いたこともない音楽の歌詞を流し読む。レコーディングはどこでしたのだろう。あ、あのバンドのあの人がコーラスに入ってるんだ。スペシャルサンクスにはあのライブハウスの店長の名前も入ってる。あー早く聴きたい。家に帰るまでの自転車のかごで揺れるCD。家に到着してすぐに聴く。


この時間が好きすぎた。


タワレコに限らず小田原周辺のレコードショップは潰れ始めていた。

もう、この体験をこの地域で生まれた子供達はができなくなってしまうんだ。そう思った時になんとか音楽に触れられる場所を作りたいなと思った。でも今の時代、サブスクもあるし、youtubeもある。大手のレコード屋さんが続けたいと思ってもできないことが僕ができるとは到底思えなかった。

ある時にマニアックなレコードやさんは海外の奥地の村にまで行って、その家に眠ってるテープやレコードを買い付けにいくという話を聞いた。その時僕はバスの運転手で、振り返るとめちゃめちゃ海外からここに来てる人がいた。

「この人たちみんなに日本にくるときに一枚持ってきて貰えばいいやん!」

そう思い、宿の宿泊時にレコードとその音楽とのストーリーを書いた

THE RECORD PAPERをを寄贈してもらうと500円キャッシュバックする「レコードディスカウント」の仕組みを思いついた。

今では集まったレコードは100枚を超え、世界中の意味のわからない音楽が集まっている。


>続く 

(毎日僕のヒストリーを公開していきます。これは4本目です)