はじめまして。小川染色でタフティングをしている、中村依純(なかむらいずみ)と申します。
私たちの挑戦にご興味を持っていただきありがとうございます。
昨今、国内で流行りとなった、布に糸で絵を描くことができる「タフティング」。デザイン・色・形・大きさどれも自由で簡単にふわふわのオリジナル作品が作れるのが魅力です。様々なメディアやSNSの投稿で「タフティングワークショップに参加した」「新作のタフティングラグを作った」などと見かけます。私も2021年にタフティングに出会い、少しずつ制作を開始しました。
タフティングとの出会い
タフティングを知ったきっかけは、尾州という繊維産地で3代続く染色工場を営む父からの1件のメッセージ。
「海外の人のYouTubeでタフテッドラグ(tufted rug)というものを見つけました。興味があるけど、日本では機材を販売してるところがなさそうです。調べて買ってみてもらえないか?」
繊維産業の衰退に抗うべく「何か新しいこと」を探していた父がタフティングに目を光らせた理由は、タフティングのワークスペースにずらっと並ぶ色とりどりの糸とその量。タフティングには色とりどりの糸が欠かせないのです。これは自社で是非やってみたいと、当時福岡にいた私に連絡がきました。
早速タフティングについて調査開始。
父の言う通り国内では販売場所がないどころか「タフティング」というワードすら1件もヒットせず。。。『TUFT THE WORLD』という海外のサイトからタフティングガンや基布となるタフティングクロスを購入し、海外の方の制作動画を観ながらシミュレーションを繰り返します。
そして帰省時、会社に届いていたタフティングの道具とついにご対面。動画の見様見真似でついに糸を打ち込んでみました。
当時の写真を見返すと、ホームセンターで購入した麻布(本来は専用の基布が必要)がかなりたゆんでおり、不安定な木枠の構造と設置方法に思わず笑ってしまいます。何度もタフティングガンに糸が絡まったことも覚えています。こんな状態でまったく上手く作業が進まず、大変苦戦しました。
それでもすっかりタフティングに魅了された私は、道具を福岡の自宅に送り、休日にタフティングを楽しむようになりました。糸は父から送ってもらい、私は完成した作品や、タフティングに関する新たな発見や情報を共有していました。
しかし、次第に福岡と愛知の距離にもどかしさを感じるようになります。資材の発送には時間とコストがかかり、父はオンラインに慣れていないのです(タフティング以外にもポップの作成や企業ホームページの作成について時々オンラインで相談を受けていました)。
「私が愛知にいれば、もっと会社に貢献できるのではないか?」「現場にいたほうが力になれるのでは?」と考えるようになりました。
そして2022年夏、私は小川染色の一員となり、同年10月にタフティングワークショップを開催しました。
小川染色のタフティングワークショップ
ワークショップを開催するにあたりタフティングのアトリエとして使用したのは、工場横の古い小屋。昔は出稼ぎに来た方々の簡易的な宿泊施設だったと聞いていますが、40年以上もの間放置されていた場所です。
数年前、床を張り窓を取り付け、物置部屋となっていたこの空間に、クッションフロアを貼り棚や柱を取り付けました。そして2022年10月、アトリエが完成。
これまで、沢山の方がタフティング体験に来てくれました。参加者の年齢層は幅広く、小学生〜80代まで!タフティングは世代を超えて楽しむことができるのです。
タフティングの魅力は、誰でも簡単に思い描いたデザインをラグにできること。大きさや形も自由自在。まるで幼い頃、画用紙にクレヨンで描いたお絵かきのように、布に糸で、自由に絵を描いていく楽しさがあります。さらに、豊富な色の中からお気に入りの色を選ぶ瞬間も、気持ちが高揚します。
また、自分で作った作品には自然と愛着が湧き、飾るだけで毎日の生活が少し華やぎます。飾った空間はぐっと明るくなり、自分自身をご機嫌にするアイテムにもなるのです。手間と心を込めた作品は、大切な人へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう。
こんな魅力のあるタフティングを、もっともっと、たくさんの人に知ってほしい。もともと手芸をしていてタフティングに親しみがある人にも、これまで糸に触れてこなかった人にも。尾州の人にも、尾州を知らない他の地域の人にも。
より快適に過ごせる環境を整え、皆さんをアトリエにお招きしたい。楽しみの幅を広げたい!そんな思いでアトリエの改築を決意しました。
アトリエの壁一面と、すぐ隣の自転車小屋を取り壊し、アトリエを増築するという内容です。広くなったスペースをどう活用するのか、これからご説明します。
①準備から仕上げまで一連の流れを学べる2日間コースを開催したい
通常、ワークショップは糸の打ち込みだけを体験していただきます。
しかし、自宅でタフティングを始めたいという方にとっては、糸の打ち込みだけでは物足りない。「最初から最後まで教えてほしい」というお問い合わせを多くいただいていました。
これまでは、準備や仕上げの方法をわかりやすく説明できる環境がありませんでしたが、増築により広くなったスペースを活用し、2日間コースを開催します。
②キッズスペースを作りたい
時々、参加者に小さなお子様を連れたお母さんやお父さんがいらっしゃいます。忙しい日常の中で、タフティングを息抜きの一つとして選んでいただけることは大変光栄ですし、しっかり楽しんでいただきたいと思っています。(タフティングはストレス発散になるとも言われています!)
ただ、、ワークショップの所要時間は早い方でも2時間程。小さなお子様にとっては、とても長い時間でしょう。最初は一緒に色を選んだり、落ちた糸を集めたりしてくれるのですが、やがて飽きてしまい、「もうかえる〜??」という声が聞こえてくることも。そしてお母さんお父さんの周りをぐるぐる。大きな椅子に登ったり、降りたり。
とても可愛らしいのですが、これではタフティングに集中するのは難しいですよね。そこで、少しでもお役に立てればと思い、小さなお子様向けのキッズスペースを設けることにしました。
普段は収納しておき、必要な際に設置します。
③参加者用トイレを設置したい(現在進行中)
これまでは、お客様には一度靴を履き直してアトリエから工場内のトイレまで移動していただいており、ご不便をおかけしていました。ワークショップの所要時間は早くても2時間、サイズが大きい場合は5時間ほどかかることもあり、長時間お過ごしいただく施設として、トイレの設置は早急に対応すべき課題だと感じていました。
④新色、新糸、意匠糸など、、もっとたくさんの糸を並べたい(現在進行中)
弊社は繊維産業が盛んな尾州地域の染色工場。手芸糸や服地、生活産業資材など、多様な繊維を染色しています。長年にわたり法人を対象に、お預かりした糸を指定の色に染め上げ出荷するという形で取引を行ってきました。
3年前、「個人のお客様にもご希望の色を届けたい」との思いから、小ロットでのオーダー染色を開始しました。どんな色にも対応できますが、色を選びやすいよう基本色120色をご用意しています。ワークショップでは、この糸を壁一面に並べ、参加者の皆さまに自由にお選びいただいています。
今年5月、タフティングに使いやすい淡い色を中心に、新たに15色を作りました。しかしこの新色15色が、棚に並びきらない!更に現在、アトリエに並べている糸はアクリル中細の1種類ですが、バックヤードには他にも数多くの種類の糸(アクリル、ウール、意匠糸など)が待機しています。
今後、アトリエに陳列する糸の色数や種類が増えれば、ワークショップでもより多彩な糸を使った作品作りを楽しんでいただけるようになります。
また、オーダー染色はタフティングだけでなく、編み物や木枠織りなど、手芸をしているお客様からもご好評をいただいています。糸の太さや色を直接見たいというお問い合わせも多く、そういったお客様の気持ちにお応えし、さらにこのアトリエから尾州の糸や染めの技術をしっかりとお伝えしていきたいです。
昨年から今年にかけて、百貨店での展示に始まり、駅のコンコースやショッピングモールにて地域を巻き込んだワークショップも開催させていただきました。
イベントでは、
・尾州は知っているが、タフティングは知らなかった
・タフティングは知っているが、尾州については知らなかった
という声を耳にしました。私たちは、糸で繋がる「タフティング」と「尾州」の両方の魅力を、皆さんにお伝えしていくことができると感じています。
タフティングが国内で一時的な流行にとどまらず、文化として根付いていくことを願い、私たちは尾州からその魅力をより多くの方に発信したい。
そして私がそうであったように、タフティングをきっかけに尾州についても知ってもらいたい。(私は生まれも育ちも一宮ですが、タフティングに出会うまで繊維の街に住んでる!という意識はありませんでした。)
そのためには、弊社工場横のタフティング用のアトリエをさらに充実させていく必要があるのです!
私がワークショップの講師をしていて「いいなあ」と感じるのは、みなさんが色選びやラグ作りを楽しんでくれるだけでなく、いつの間にか参加者同士でおしゃべりが始まり、仲良くなっているところ。お互いの色選びやデザイン、糸の打ち込み具合を褒め合い、ワークショップが終了する頃にはすっかりタフティング仲間になっているのです。
そんな温かな交流が生まれるこのアトリエを、さらに快適で楽しい空間にしたい。また、愛知県一宮市にこんなタフティング体験教室があるんだ、そしてこの地域が繊維産業が盛んな尾州なんだと、多くの人に知ってもらいたい。
しかし、建築士との打ち合わせを重ねるうちに、費用がどんどんかさみ、予算をオーバーしてしまいました。これらを実現させるために、どうかお力を貸していただけないでしょうか、、!
【支援金の内訳】
・自転車小屋解体、アトリエ工事費
・内装費(自社作業)
・トイレ工事費
・キッズスペース含む備品
・リターン準備費、送料
・プラットフォーム手数料
【募集方式】
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。工事は既に開始しているため、目標金額に満たない場合も、別途資金調達を行いアトリエを完工致します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。このプロジェクトの内容に少しでも賛同や共感をいただけていれば、大変嬉しく思います。
年齢や性別を問わず、より多くの方が楽しくタフティングに取り組めるよう、また尾州の魅力を小川染色から発信できるよう、皆様の思いと一緒にこのプロジェクトを進めていければと考えています。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
小川染色株式会社
〒491-0201愛知県一宮市奥町字風田23番地
◯営業時間
・会社:月〜金曜日、土曜日(不定期)8:00~17:00
・タフティング体験教室:不定期 14:00~18:00頃
最新の活動報告
もっと見るひつじサミット尾州2024に参加しました
2024/10/31 12:15ひつじサミット尾州は、ウールの持続可能性を伝えるだけでなく、産業観光を通して使い手と作り手を繋ぎ、地域が一体となって活性化することを目指す、産業観光イベント。小川染色は今年初めてひつじサミットに参加し、工場見学とタフティングワークショップを行いました。尾州は毛織物の産地ですが、弊社のような原料加工の川上企業は普段あまり注目を浴びません。しかし今回、尾州地域だけでなく遠方からもたくさんの方にお越しいただきました。「面白かった」「楽しかった」といったご感想や、「貴重な工場を頑張って守っていってね」というお言葉をいただき大きな励みになりました。小川染色にお越しくださった皆さま、そして関係者の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました! もっと見る
BISHU FES.にてタフティングワークショップ開催しました
2024/10/18 10:35尾州産地の魅力を全国にPRするイベントBISHU FES.にて、今年もタフティングワークショップを開催させていただきました!1日目は、100cm×200cmの一宮駅周辺マップを、2日目は、 ストリートファニチャーに取り付けるチェアマットを制作。開始前から待機列ができ途切れることなくワークショップは進行し、2日間で約500名の方にご参加いただきました。年齢を問わず、たくさんの方が糸に触れタフティングを体験し楽しんでいただけたこと、そして尾州を盛り上げるイベントで微力ながらお役に立てたことを、大変嬉しく思います。ご参加・ご来場いただいた皆さま、一宮市職員の皆さま、イベント関係者の皆さま、ありがとうございました! もっと見る
開始から6日で目標金額突破
2024/10/16 12:1110月10日(木)にプロジェクトを公開し、わずか6日で目標金額を達成することができました!ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます!ただ、実際の工事費用にはまだまだ足りない部分があります。そこで、新たな目標として、ネクストゴールの60万円を掲げることにしました。今後も引き続き、皆さまからの応援をどうぞよろしくお願いいたします! もっと見る
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