戦争中のウクライナの実態を知ってほしい:在住日本人出版プロジェクト
「日本で報道されているのは、アメリカ経由の大本営発表です。私が書き残したいのは、戦争のなかで足掻いている庶民たちの本当の姿です」
こう語るのは、在ウクライナ17年の日本人女性安成(あんなり)智子さん。戦争が始まってから「直視したくないこと、思い出したくないことも多々あった」経験から、これまで語ることをためらっていました。しかし、大切な人たちを戦争で亡くしたことをきっかけに、ウクライナ戦争の中にいる日本人だからこそ語れることを、日本語で書き残すことを決心されました。その言葉を、多くの方に届けるための出版プロジェクトです。
【ウクライナの現在】
ロシアによるウクライナ侵略が始まって3年目。日本ではウクライナでの戦争について報道されることは減っています。ロシアとウクライナの戦争はいつ終わるのだろうと、先行きの見えない状況に不安に感じることもあるのではないでしょうか。
私たちは、ウクライナ在住日本人女性、安成(あんなり)智子さんから伺うウクライナの生活が、日本のメディアで報じられている内容とあまりに異なることに驚きました。
キレイごとではない戦時下生活の実情、困窮した生活、政治家の嘘、歪んだ報道、庶民の絶望的な本音などを知るうちに、より多くの人にこの現状を知ってもらいたい、という気持ちが強くなりました。
【実現したいこと】
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからのウクライナ社会について、一般人としての戦争体験、経験してきたこと、そして戦争3年目の現状を書籍にまとめます。
外側からでは見えない戦前とは一変してしまった市民生活や市民感情。国内の対立や社会格差など、ウクライナに住み続けている著者・安成さんだからこその独自の視線で書かれています。
「ウクライナを支援するために個人でできることは?」「募金以外に何ができるのだろう?」と考えておられる方は、この本を読んで、ウクライナの普通の人々について、知っていただくことも一つのできることではないかと私たちは考えます。もちろん、その後、感想をSNSで発信したり、周りの方におすすめしていただければ、これ以上の喜びはありません。
■出版する本に含まれる内容の一部(予定)
・戦争中のウクライナ社会
・ウクライナ語話者とロシア語話者の対立
・働き続ける一般市民の現状、会社での様子
・長引く戦争で収入格差が拡大
・戦争中なのにベビーブーム?
・負傷者のいる見慣れた風景
・戦争忌避者(兵役を逃れたい人)
・軍隊とLGTBの厄介な関係
・戦争3年目、麻痺する市民感覚
この他にもたくさんのエピソードが含まれます。
【このプロジェクトの背景】
■著者・安成智子さん
安成智子さんは大阪・堺市出身。2008年、関西大学大学院在学中に、ロータリー財団の親善奨学生としてウクライナ西部の都市リヴィウに留学したことをきっかけに、ウクライナが安成さんの第二の故郷となりました。
日本に帰国し博士課程修了後、再びリヴィウへ。首都のキーウや東部のハルキウと違い、日本人の少ないリヴィウでは常にウクライナ語を話し、友人・知人の大半はウクライナ人という環境で17年間を過ごしてこられました。侵略戦争が始まってからもウクライナに留まり続けて、「この国から逃げる」ということは一瞬も脳裏に浮かばなかったと言います。
ウクライナに長年暮らしてきた安成さんは、多くの人が苦しんでいる現状を目の当たりにする中で、さまざまな思いが交錯し、言葉につまり、戦争のことを語ることができずにおられました。そのため、日本の出版社や新聞社、テレビ局から届く「現地在留者」への取材要請を「悲劇の人みたいに思われるのはイヤだから」と断っておられました。
しかし、友人や同僚たちが戦争によって亡くなったことをきっかけに「日本人が内側から見たウクライナを日本語で語る」ことの意義を感じて、積極的に発信していくことを始められました。
私たちも、ウクライナ在住日本人だからこそ見えること、感じたこと、体験したことを、発信してほしい、多くの方に知ってほしいと思っています。
■これまでの著者の活動
・2008年、ロータリー財団の親善奨学生としてウクライナのリヴィウ大学歴史学研究所に留学
・2011年5月、地元の実業家や芸術家の協力を得て、東北地方太平洋沖地震チャリティーイベント「РУКИ ПІДТРИМУЮТЬ СОНЦЕ(太陽を支える手)」を主催、チャリティーコンサート「Пісні для Томоко(トモコのための歌)」を開催
・リヴィウに拠点を置き、国際支援グループ「ウクライナ・ラボ」を主宰
・日本・ウクライナ交流イベントを開催
・日本語教室やマスタークラス、IT技術者向けの日本語指導、翻訳、通訳
・動物保護施設「救済動物の家(Домівка Врятованих Тварин)」でのボランティア活動。特に保護猫活動に注力
【資金の使い道】
ご協力いただきました支援金は、リターンとしてお送りする書籍の発行(印刷)および発送に使わせていただきます。
【リターンについて】
リターンとして、以下のようなものをご用意しております。
・3,000円【完成した書籍のオンライン版とお礼のお手紙】
・3,000円【完成した書籍の書籍版とお礼のお手紙】
・5,000円【完成した書籍のオンライン版+書籍版とお礼のお手紙】
・10,000円【完成した書籍のオンライン版+書籍版とお礼のお手紙+オンライン報告会6回またはニュースレター6ヶ月分】
・20,000円【完成した書籍のオンライン版+書籍版とお礼のお手紙+オンライン報告会6回+ニュースレター6ヶ月分】
・30,000円【完成した書籍のオンライン版+書籍版とお礼のお手紙+オンライン報告会12回またはニュースレター12ヶ月分】
・40,000円【完成した書籍のオンライン版+書籍版とお礼のお手紙+オンライン報告会12回+ニュースレター12ヶ月分】
オンライン版は9月1日に一斉送付させていただきます。
書籍版は11月1日の発送を予定しております。
詳しくはリターン一覧をご覧ください
【スケジュール】
現在、50%程度執筆が完了、書籍版の発行についてはご支援金額に応じて発行数と発行形態(色刷りの範囲など)を調整いたします。
オンライン版は9月1日、書籍版は11月1日に発送予定です。
できるだけ多くの方の手に届けられるよう、ご賛同いただけると嬉しいです!
【さいごに】
■安成さんからメッセージ
日本にいた頃の私は、とても引っ込み思案のおとなしい子供でした。外国語で話すときだけいつもより少し大きな声で話せることに気づいた私は、父が亡くなったとき、自分の思うように生きる最後のチャンスだと思って、いただいた奨学金だけを手に単身ウクライナに乗り込みました。
大変なこともたくさんありましたが、ウクライナの社会はそれまでに訪れた西欧の国々より遥かに日本人に対して好意的で、言葉もたどたどしく、おどおどとしていた私を受け入れてくれました。15年間、私とウクライナは長い蜜月のなかにいました。
全面戦争が始まって、全てが一瞬にして変わったわけではありません。長引く戦争のなかで、徐々に色々なものが形を変えていきました。色々なものが失われていきました。2年半、戦争のなかにいて、戦争は、ミサイルやドローンで命を奪うだけではなく、少しずつ少しずつ、人の心を殺していくもんなんだなぁと実感しています。
本書では、ウクライナに対する15年間の感謝と2年半にわたる戦争との闘いについて書いていきます。
正直、最後の2年半については直視したくないこと、思い出したくないことも多々あります。「書かないほうが良いのかもしれない」「せめて戦争が終わるまでは」と思っていましたが、ライターの友人が亡くなったとき、「書き残さずに死ぬのかも」と思うと、いても立ってもいられなくなりました。
苦闘のなかで支えてくれて、執筆に向けて背中を押してくれたプロジェクトメンバーの皆さんの助力に報いるためにも、私の眼に写った戦争のなかの現実を余すことなく書き残したいと思います。
ご支援をいただければとても嬉しいです。
■プロジェクト立案者から
私自身はこれまで技術系のオンライン出版を主に手掛けてきましたが、ウクライナ戦争の現状をきくうちに、彼女の語る戦争体験記を私たちの手で本にしたいと考えるようになり、今回、初めて書籍出版プロジェクトを考案。安成さんの同意を得て、出版プロジェクトを立ち上げました。
できるだけ多くの方の手に届けられるよう、ご支援をお願いいたします!
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