あと、二時間。ご支援いただいた方、本当にありがとうございます。
実はちょっとびっくりしています。8/31までの締め切りなので、8/31いっぱいまで募集があるものだと思っていました。しかし、二時間、というカウントダウンが始まりました。8/31になった瞬間に募集が終了するんですね。
もう、あと二時間。あ、名乗るのを忘れていました、運営スタッフの木川です。
この文章のトップに載せた写真。福井市民の方ならご存知でしょう、福井駅前の10年前の姿です。今は、再開発ビル、ハピリンが建っている場所です。当時は福井駅前ショッピングプラザ。この写真は私が、福井工業大学に就職が決まり、下見にいったときに撮った写真です。
10年前。福井駅前にある響のホールでは自主制作映画が公開されました。聞いた話しでは2000人?が見たということです。映画館がいっぱいになって、また次のお客さんを入れて。「福井青春物語」という映画でした。中心街の片町ではもうちょっと前には500人入るクラブがありました。北陸でも一番大きいくらいのクラブじゃないでしょうか。全国から誰もが知ってるアーティストやDJが夜を彩っていました。また、福井から多くのアーティストがメジャーデビューをしました。福井のインディーズバンドなのに、フェニックスプラザの2000人を埋め尽くしたらしいです。
活気のある街だったんじゃないでしょうか。僕が来る、ちょっと前の話ですが。
今、ハピリンに付属する屋根付き広場では、Home Townという音楽イベントが定期的に開かれています。そこに登場するのは、元ルーズ・ドックスのメンバーやナナ・イロさん。メジャーで全国で活躍してた人たちです。他に出てる人たちもバンドブームのときに、本当に多くの集客を集めていたひとたちです。今、彼らは、再び、福井の街中に明かりを灯そうとしています。
10年前に街で活気を感じた人たちは少しずつ父になり母になっているはずです。僕も子供ができました。2歳と0歳です。彼らが青春を過ごす頃に、街は一体どうなってるんだろう、そう思うこともあります。
僕は、いつしか「活気」という言葉が好きになりました。これはきっと生命っていう言葉と近いニュアンスがあるように思います。人間ってきっと社会的生物です。自分一人だけでは生命として完結しない。人とつながって、人と活動して、人の息吹を感じて、生命として自分を感じる。これを活気と呼ぶのではないか、と思っています。
僕らの子供たちが大きくなったときも、活気のある街であってほしい。
福井は空襲と地震で破壊された街です。始め、福井にきたとき、老人の方々は「福井にはなんもないから」という。これを始めは字面通りに捉えていました。また、福井の中心街にあるお寺がコンクリート製なのも、なんか情緒がないな、と思っていました。
しかし、福井の歴史を知り、福井になんもない、という老人は、福井になんでもあった時代があったことを知っているからなのを知りました。コンクリート製のお堂を建てた住職は、空襲で焼け死ぬ人たちを救えなかったことから、焼けないお寺を建てたことがわかりました。
建築系の学科を卒業して、建築家を目指していた私には、はじめてきた福井の駅前は見たくない醜い風景でした。しかし、復興の歴史を知り、急ごしらえで復興をしてきた福井の人たちのことを知ると、駅前の古ぼけたビル。汚く錆び付いた商店街のアーケード。それらが愛おしく感じるようになりました。そこに人の確かに生きてきた証があったからです。
今、福井駅前からはこの古ぼけた商店街はなくなり、新しいビルがたちました。まだまだ、駅前は再開発されるそうです。
私は大学教員です。論文で何かを発信する仕事です。でも、僕は駅前の魅力を伝える論文での言葉が見つかりませんでした。心情でしかなかったからです。だから、私は映画が好きになりました。それは心情で語るメディアだからです。
福井からこれからどんどんと福井の今までの風景はなくなっていきます。しかし、空襲で焼けたときも福井はすべてを失いませんでした。それは人の記憶です。心情です。だから、僕は今の福井駅前から、語り継ぐ物語、語り継ぐ風景、そして語り継ぐ心情をみんなで探したいのです。
これは私が思うムービーハッカソンです。他の方々はきっと違う思いでこの企画に参加されることでしょう。みんなそれぞれでいいと思います。それが活気だと思います。
残り二時間のカウントダウンで、つれづれと書いています。
今回のクラウドファンディング。実は本当につらかったです。始め、全然支援者が現れませんでした。始めの25000円。二週間ほど続きましたが、これは僕と今回の運営系のメンバーです。いわば身内です。あれ?あれ?あれ?と思う日が何日も続きました。Facebookでもお願いをいっぱい書きました。そしたら、少しずつコメントが来るようになりました。支援も入るようになってきました。本当にうれしかったです。そして、福井を離れて、福井を故郷としている方からも支援があったことに気づきました。福井を愛してくれている人がいて、その方が応援してくれる、このことが勇気につながりました。そして、福井で生まれたわけでもない、そして福井を出てしまった私の中に、本当につよくつよく福井を愛する気持ちがあることを理解できたクラウドファンディングでもありました。
支援いただいた方、本当にありがとうございます。そして、活動記録を読んでくれたかた、Facebookの僕の記述にいいねを押してくれた方、シェアしてくれたかた、本当にみなさまの暖かさに支えられた日々でした。
9/17-19はこの経験を、この気持ちをしっかりもって、企画を運営できるようにがんばります。
なんどでも言わせてください。本当にありがとうございました。